月別の作業一覧
デンドロビウムのノビル系は、春に花、初夏に新芽、夏に成長、秋に花芽、冬に休眠という一年を繰り返します。作業の中身よりも、どの月に何をしないかを守ることが大切です。関東平野部の露地とベランダを基準に、寒冷地は二〜三週間遅らせて読んでください。
暖地では屋外へ出す時期を一〜二週間早め、取り込みを十二月上旬まで遅らせても構いません。寒冷地では逆に、五月上旬に出して十月末には取り込む前提で組み立てます。どの地域でも、最低気温を基準にすればずれません。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月〜2月 | 室内で乾かし気味に管理 | 水は月二〜三回、暖房の風を避ける |
| 3月〜4月上旬 | 開花 | つぼみが見えたら明るい窓辺で咲かせる |
| 4月中旬〜5月 | 花後の植え替え、屋外へ出す | 遅霜が終わり最低気温が10度を超えたら |
| 5月〜7月 | 肥料と水やりを増やす | 新芽が伸び始めたら週一回液体肥料 |
| 7月〜8月上旬 | 遮光と葉水、肥料を止める | 葉が黄ばんだら遮光を強める |
| 8月中旬〜9月 | 肥料なしで日に当てる | 新芽が前年のバルブの太さに育つ |
| 10月〜11月中旬 | 屋外で低温に当て水を減らす | 最低気温5度を切る直前まで外に置く |
| 11月下旬〜12月 | 室内の涼しい窓辺へ取り込む | 夜10度前後の部屋で花芽を育てる |
春は花を楽しみながら次の準備をする
花は一か月近く楽しめます。花が終わったら花がらを指でつまんで取り、四月中旬以降に植え替えの必要を確かめて屋外へ出します。屋外に出す最初の一週間は半日陰で慣らし、それから日なたへ移すと葉焼けを防げます。
- 花がらは早めに取る
- しおれた花をそのままにすると灰色かび病の入口になります。花びらが縮んだら付け根から指でつまんで取ります。
- 屋外は半日陰から慣らす
- 室内から急に直射日光に出すと葉が焼けます。最初の一週間は軒下など半日陰に置き、様子を見て日なたへ移します。
- 花の後に古いバルブを整理する
- 茶色く枯れたバルブがあれば、屋外へ出す前に根元から取り除きます。緑色のバルブは葉がなくても残します。
植え替えを予定している株は、屋外に出す前に済ませます。屋外で新根が動いてからの植え替えは、根の先を折りやすくなります。
夏は日光と風を最大限に取り込む
五月から九月にかけての成長が翌年の花を作ります。新芽が伸びている間は水と肥料を切らさず、真夏は遮光で葉焼けだけを防ぎます。この時期に日光が足りないと、バルブが細く花芽が付きません。
八月に入ると、新芽の先端に葉が出なくなり茎が太り始めます。これが成長の終わりの合図で、ここから先は肥料を止めて日に当てるだけにします。新芽がまだ葉を出し続けている株でも、八月上旬には肥料を止めます。
- 新芽の太さを月一回見る
- 六月から毎月、新芽の太さを前年のバルブと比べます。細ければ置き場所をより明るい場所へ変えます。
- 八月上旬で肥料を止める
- 置き肥を取り除き、液体肥料も止めます。この一手で秋の花芽が高芽に変わるのを防げます。
夏の水やりは朝が基本です。夕方に与えるなら日が落ちて鉢が冷えてからにします。
秋の低温処理が一年で最も大事
十月から十一月中旬まで屋外で十度前後の低温に当てると花芽ができます。水も減らしてバルブを締めます。このときに雨に長く当てると寒さで傷むので、雨が続くときは軒下へ移します。
十一月中旬を過ぎても暖かい年は、最低気温を見ながら取り込みを遅らせます。ただし急な冷え込みで霜が降りる年もあるので、天気予報で冬型の気圧配置が続くと出たら早めに取り込むほうが安全です。
- 水やりを週一回に落とす
- 十月に入ったら水を週一回程度に減らします。バルブが引き締まってくるのが正しい状態です。
- 最低気温五度で取り込む
- 天気予報で最低気温五度を切る日が出たら室内へ移します。霜に一度当たると葉が落ちて回復に時間がかかります。
低温処理の期間中に雨が続くと、冷たい水で根が傷みます。雨が三日以上続く予報なら軒下へ移し、晴れたら日なたへ戻します。
一年の作業がずれたときの立て直し
取り込みが早すぎたり肥料が遅くまで残ったりした年は、春の花が減ります。その年は花を諦めて株を育てることに切り替え、翌年に備えます。株が生きていれば、正しい一年を過ごさせるだけで翌春には戻ります。
| 場面 | 起きること | 翌年への対処 |
|---|---|---|
| 取り込みが早すぎた | 高芽が出て花が少ない | 高芽を外して植え、秋は十一月まで外に置く |
| 肥料が秋まで残った | 花芽が高芽に変わる | 八月上旬で置き肥を外す |
| 夏に遮光しすぎた | バルブが細く花が付かない | 遮光を三割に弱めて日に当てる |
| 霜に当てた | 葉が落ちバルブが黒ずむ | 黒ずんだ部分を切り、春まで乾かし気味に |
一年を通じて最も多い失敗は秋の取り込みが早すぎることです。迷ったら外に置く方向で判断してください。
デンドロビウムの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
デンドロビウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はデンドロビウムの育て方にまとめています。
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