剪定の時期は落葉期、花芽を確かめてから
ハナミズキの剪定は、葉が落ちて枝がよく見える12月から2月に行います。この時期には翌春の花芽がすでに枝先に付いているので、花芽を確かめながら切ります。花芽は丸くふくらんだ形、葉芽は細く尖った形で、慣れれば冬の枝先を見るだけで翌年の花数が分かります。
| 見た目 | 正体 | 扱い |
|---|---|---|
| 枝先に丸くふくらんだ芽 | 花芽 | 残す。切ると翌春の花がなくなる |
| 細く尖った芽 | 葉芽 | 枝を整えるならここで切ってよい |
| 枝の途中の小さな芽 | 葉芽か休眠芽 | 切り戻すとここから枝が出る |
花芽は前年の夏、7月から8月に作られます。この時期に強く切ったり枝を落としたりすると翌年の花が減ります。
自然樹形を保ち、不要な枝だけ抜く
ハナミズキは枝が水平に層になって広がる美しい樹形が持ち味で、刈り込んだり短く詰めたりすると形が崩れ、花芽も失います。基本は、混み合った枝、内側に向かう枝、交差する枝、枯れ枝を付け根から抜く間引き剪定で、枝の途中で切る切り戻しは最小限にします。
- 枯れ枝と病気の枝を先に
- 皮が乾いて色が変わった枝、黒い斑点のある枝を付け根から切ります。切り口が大きければ癒合剤を塗ります。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 幹の方向に伸びる枝、他の枝とこすれる枝を付け根から取ります。日と風が中まで通るようにするのが目的です。
- ひこばえと胴吹きを取る
- 株元から出るひこばえ(根元から出る細い枝)と幹の途中から出る細枝は、養分を取るだけなので見つけしだい付け根から切ります。接ぎ木苗では台木の芽が出ることもあるので、とくに株元を確かめます。
高さを抑えたいときの切り方
ハナミズキは放っておくと5メートルから10メートルになります。高さを抑えたいときは、主幹の先端を目的の高さで太い側枝の上まで切り戻します。一度に大きく切ると徒長枝(勢いよく伸びる細長い枝)が多く出て形が乱れるので、数年に分けて少しずつ下げます。
太い枝を一度に落とすと、切り口の周りから細い枝が何本も立ち上がり、徒長(間延びして勢いだけで伸びること)した枝が翌年の樹形を乱します。切る量を控えめにするほど、翌年の手間が減ります。
- 側枝の上で切る
- 主幹を切るときは、外側に伸びる太めの側枝のすぐ上で切ります。切り口から下の側枝が新しい先端になり、形が自然につながります。
- 一年に下げる高さは三分の一まで
- 全体の高さの三分の一以上を一度に切ると、翌年に徒長枝が大量に出ます。二年から三年かけて目的の高さにします。
- 太い枝の切り口は保護
- 直径3センチ以上の切り口には癒合剤を塗り、雨と病原菌の侵入を防ぎます。切り口は枝の付け根の膨らみを残して切ります。
花後の剪定は軽く、7月までに
花が終わった5月から6月に、伸びすぎた枝を軽く整えることもできます。ただし7月から8月に翌年の花芽が作られるので、剪定は6月中に終えます。この時期の剪定は枝先を少し詰める程度にし、大きく枝を抜く作業は落葉期に回します。
| 時期 | できる剪定 | 避ける剪定 |
|---|---|---|
| 5月下旬〜6月 | 伸びすぎた枝先を軽く詰める | 太枝を抜く、高さを大きく下げる |
| 7月〜9月 | 枯れ枝を取る程度 | 枝先を切る(花芽ができる時期) |
| 12月〜2月 | 間引き、高さの調整、太枝の整理 | 刈り込み、全体を短く詰める |
鉢植えと小さな庭での樹形づくり
鉢植えや狭い庭では、若木のうちから高さと幅を決めて育てます。主幹を1.5メートルから2メートルで止め、そこから横に広がる枝を三段から四段残すと、ハナミズキらしい層のある形を小さく保てます。毎年の落葉期に、その形からはみ出た枝だけを整えます。
- 主幹の高さを早めに決める
- 植えて二年目から三年目の落葉期に、目的の高さで主幹を側枝の上で止めます。若いうちに止めると切り口が小さく、形も早くまとまります。
- 横枝を三段から四段に
- 幹から水平に出る枝を、上下に間隔をあけて三段から四段残します。同じ高さから出る枝が多いなら、太い方を残して他を抜きます。
- はみ出た枝だけ整える
- 決めた輪郭から飛び出した枝を、外向きの芽の上で切り戻します。花芽を確かめて、花芽のある枝はできるだけ残します。
剪定で失敗したときの立て直し
切りすぎて花が咲かなくなった、徒長枝が大量に出た、切り口から枯れ込んだ、という失敗はどれも数年で立て直せます。共通するのは、慌てて追加で切らないことです。木の回復力に任せ、翌年以降の落葉期に少しずつ形を戻します。
- 花が咲かないなら二年待つ
- 強く切った翌年は花芽がなく咲きません。その年の夏に花芽ができれば翌々年に咲くので、夏に枝を切らずに待ちます。
- 徒長枝は半分だけ抜く
- 勢いよく伸びた枝が多く出たら、落葉期に半分ほどを付け根から抜き、残りは形に合う長さに切り戻します。一度に全部抜くとまた徒長枝が出ます。
- 枯れ込んだ枝は緑の部分まで
- 切り口から枯れ込んだ枝は、皮を削って緑色が見える位置まで戻して切り直します。切り口には癒合剤を塗ります。
ハナミズキの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ハナミズキの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハナミズキの育て方にまとめています。
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