生育の山は開花期にある
エダマメの管理は、開花の前後二週間に集中させます。花の数がさやの上限を決め、その後の水と養分が粒の太りを決めるので、それ以外の時期は手をかけても収量は変わりません。
| 生育段階 | 見た目の目安 | この時期の仕事 |
|---|---|---|
| 初期 | 本葉 1〜3 枚 | 間引き、鳥害の被覆を外す |
| 茎葉伸長期 | 本葉 4〜6 枚 | 摘心の判断、中耕と土寄せ |
| 開花期 | 白や紫の小花が付く | 水を切らさない。追肥はここまで |
| 莢肥大期 | さやが厚みを増す | 乾燥させない。カメムシを見回る |
開花日を記録しておくと、収穫適期も防除の時期も逆算できます。エダマメで残す価値のある記録はこの一行です。
開花期の水切れが実つきを決める
開花からさやが太るまでに乾かすと、花が落ち、着いたさやも粒が入らず平たいまま止まります。この期間だけは、雨が降らなければ 7〜10 日おきにたっぷり与えます。
水は表面を濡らすだけでは届きません。エダマメの根は深く下りているので、畝の間に流し込むか、株元に時間をかけて染み込ませ、土の 20 センチ下まで湿らせます。
- 畑での与え方
- 朝のうちに株元へゆっくり与えます。日中の高温時に与えると地温が急に下がり、花落ちを招きます。夕方の過湿は病気を呼びます。
- 乾燥を防ぐ被覆
- 梅雨明け後は株元に刈り草やもみ殻を敷きます。地温の上がりすぎと乾きを同時に抑えられ、水やりの間隔を延ばせます。
- プランター
- 開花後は朝夕の二回になることもあります。持ち上げて軽ければ水切れです。受け皿の水は残さず捨てます。
実が入らないさやの原因は、肥料より水切れと高温であることが多い。株元の土を握って崩れるようなら水を入れる目安です。
摘心はする品種としない品種
摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)は主枝の先を摘んで側枝を出させ、節とさやの数を増やす作業です。効果があるのは背が高く伸びる中生と晩生で、株がもともと小さい早生では収穫が遅れるだけになりがちです。
- する時期
- 本葉が 5〜6 枚展開したころ、主枝の先端を手でひねり取ります。遅れて花芽ができてからでは、摘んだぶんがそのまま減収になります。
- 向く品種
- 丹波黒などの晩生と、茎が伸びやすい中生。摘心後に側枝が急に伸び、株が横に広がるので株間を広めにとっておきます。
- しないほうがよい場合
- 早生種、まき遅れて日数が足りない株、肥料が少なく生育が細い株。摘心は日数と体力を使う作業なので、余裕のない株では逆効果です。
摘心と断根は別の技術です。両方を同じ株で一度に試すと失敗の原因が切り分けられなくなります。
中耕と土寄せで倒伏を止める
土寄せ(株元へ土を寄せること)は倒伏対策であると同時に、吸水量を増やす作業です。エダマメは埋めた茎から不定根を出すので、開花期までに二回寄せておくと夏の乾燥に耐える株になります。
- 一回目
- 本葉 2〜3 枚で間引いた後。株の間を浅く耕して雑草を絶ち、株元に軽く土を寄せます。根に酸素が入り、根粒の着きもよくなります。
- 二回目
- 本葉 5〜6 枚のころ。子葉の少し上まで土を寄せます。茎から新しい根が出て吸水量が増え、開花期の水切れに強くなります。
- 倒れやすい条件
- 窒素過多、株間が狭い、風の通り道。倒れると下のさやが地面に触れて腐り、収穫時に泥が付きます。
- 倒れた後の手当て
- 起こして株元に土を寄せ、畝の両側に紐を張って挟みます。根が浮いた株は無理に立てず、そのまま土をかけて固定します。
つるぼけと落花の見分け方
花が咲かない、咲いても落ちる原因は主に三つあり、対処が正反対になります。まず葉の色と茂り具合を見て、株元が見えないほど茂っていたら肥料の効かせすぎ、日中に葉が垂れるようなら水切れと切り分けます。
| 症状 | 原因 | その後の対処 |
|---|---|---|
| 葉が濃く厚く茂り花が少ない | 窒素過多のつるぼけ | 追肥を止め、摘心して風を通す |
| 花が咲いてすぐ落ちる | 開花期の乾燥か高温 | 夕方までに水を入れ、株元を敷き草で覆う |
| さやは着くが粒が入らない | 莢肥大期の水切れ | 収穫まで乾かさない。翌年は堆肥を増やす |
| 下葉から黄ばみ株が細い | 窒素と根粒の不足 | 開花期までに一回だけ追肥する |
つるぼけの株を今年立て直す手はありません。追肥(育てている途中で足す肥料)を止めて風を通し、翌年は元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)の窒素を半分に減らします。
プランターでの管理
- 置き場所
- 一日 5 時間以上日が当たる場所へ。日照が足りないと節が伸びて倒れ、さやの数も減ります。真夏の西日は避けます。
- 支え方
- 本葉 5〜6 枚で 50 センチほどの支柱を立て、株全体を紐で軽く囲みます。一本ずつ結ぶ必要はありません。
- 葉が混んだら
- 株元の黄ばんだ下葉だけ取り除きます。緑の葉を減らすと粒の充実に使う養分が減るので、切りすぎません。
- 追肥のしかた
- 開花のころに液体肥料を一度だけ。土の量が少ないぶん効きが速いので、規定より薄めて与え、葉色が戻れば止めます。
土の量が少ないほど水切れと高温が同時に来ます。真夏は鉢を地面から浮かせ、二重鉢にすると根が傷みません。
エダマメの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
エダマメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエダマメの育て方にまとめています。
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