まず自分の畑がどれかを決める
エダマメの土づくりは、前作に何を作ったか、育てる場所が畑かプランターかで入れるものが変わります。全員に同じ元肥を入れさせるページではないので、まず自分の場面を表から選んでから先へ進みます。
エダマメの根には根粒菌が共生し、空気中の窒素を株が使える形に変えて供給します。だから他の果菜と同じ感覚で窒素を効かせると、株は自前の窒素と合わせて過剰になります。
過剰の結果がつるぼけです。茎葉だけが大きく茂り、花は咲いても落ち、さやの数が伸びません。開花期に葉が濃い緑で厚く、株元が見えないほど茂っていたら効かせすぎを疑います。
逆に窒素を完全に断つのも早すぎます。根粒が働き出すのは本葉が 2〜3 枚そろってからで、それまでの初期生育ぶんの窒素は土に必要です。少量を元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)で入れておきます。
| 育てる場面 | 元肥の考え方 | 特に気をつける点 |
|---|---|---|
| 前作に肥料を入れた畑 | 元肥は入れず堆肥だけにする | 残った窒素でつるぼけになる |
| 何も作っていない畑 | 窒素は少量、リン酸とカリを厚く | 酸度を6.0〜6.5にそろえる |
| 水がたまりやすい畑 | 元肥は同じで畝を高くする | 過湿で発芽不良と立枯れが出る |
| プランター | 元肥入りの培養土をそのまま使う | 土が少ないと開花期に水が切れる |
根粒は薄いピンク色をしていれば働いています。掘って白や緑なら固定していないので、追肥(育てている途中で足す肥料)を一回足します。
元肥はリン酸とカリを厚く
施肥の設計は窒素を控え、さやの数と粒の充実に効くリン酸、根と耐倒伏に効くカリを厚くします。窒素だけを減らした配合肥料か、堆肥と過リン酸石灰の組み合わせで整えます。
| 成分 | 1 平方メートルの目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 窒素 | 2〜3 グラム | 初期生育ぶんだけ。多いとつるぼけ |
| リン酸 | 10〜15 グラム | 花とさやの数を確保する |
| カリ | 8〜10 グラム | 根を張らせ、倒伏と乾燥に耐えさせる |
| 堆肥 | 2 キログラム | 保水力を上げ、開花期の水切れを防ぐ |
三要素が同じ割合の化成肥料を使うなら 1 平方メートルあたり 30〜50 グラムにとどめ、堆肥で土の力を補います。
酸度と畝の高さ
根粒菌は酸性土壌で活動が鈍ります。エダマメで葉が黄ばむとき、肥料切れではなく酸度が原因のことがあるので、石灰を入れていない畑では先に酸度をそろえます。
もう一つの前提が排水です。エダマメは根が深く下りるかわりに、水がたまる土では根が呼吸できず、発芽不良と立枯れが同時に起きます。畝の高さで先に逃がしておきます。
- 目安のペーハー
- 6.0〜6.5 が適します。強い酸性では根粒菌が働かず、窒素固定が止まって株が黄ばみます。前作で石灰を入れていない畑だけ調整します。
- 石灰の量
- 苦土石灰は 1 平方メートルあたり 100 グラム前後。まく 2 週間前に入れて耕します。入れすぎると微量要素が効かなくなるので、毎作は入れません。
- 畝の高さ
- 水はけの悪い畑では高さ 15 センチほどの高畝にします。エダマメは過湿で根腐れと発芽不良を起こしやすく、梅雨をまたぐ作型ほど効きます。
- 畝幅と株間
- 1 条なら畝幅 50〜60 センチ、2 条なら畝幅 90 センチで条間 30〜40 センチ。株間は早生 20〜25 センチ、中生と晩生 25〜30 センチです。
追肥は開花のころに一回だけ
追肥の判断は葉の色で決めます。開花が始まるころに葉が薄い黄緑なら根粒の働きが足りていないので一回だけ入れ、濃い緑で茂っていれば入れません。二回以上は基本的に不要です。
- 入れる時期
- 花が咲き始めたころ。さやが太る時期の養分不足は粒の入りに直結するため、遅れるなら入れないほうがましです。
- 入れる量と場所
- 1 平方メートルあたり化成肥料 20〜30 グラムを株の間にまき、中耕して土に混ぜます。株元に直接置くと根を傷めます。
- プランターの場合
- 土の量が少なく養分が流れるので、開花期と莢が太り始めるころの二回に分け、液体肥料を薄めて与えます。
連作は二年から三年あける
同じ場所でマメ科を続けると、線虫や立枯性の病害が増え、根粒の着きも落ちます。エダマメでは 2〜3 年、白絹病や立枯れが出た畑では 3〜4 年あけるのが安全です。
収穫後の株は根ごと抜かず、地際で切って根を土に残すと、根粒に固定された窒素がそのまま次作の肥料になります。ただし病害が出た株だけは根ごと持ち出します。
| 前作 | 同じ畝で作れるか | 理由 |
|---|---|---|
| エダマメ・インゲン・エンドウ | 避ける | マメ科共通の土壌病害と線虫が残る |
| トウモロコシ・イモ類 | 向く | 科が離れ、残肥も少ない |
| ナス科・ウリ科 | 問題ない | 残肥が多い畑では元肥の窒素を抜く |
プランターの土と容量
プランターで失敗する原因は肥料ではなく土の量です。エダマメは開花期に一日で驚くほど水を使うため、土が少ないと日中に必ず切れ、さやが太らないまま終わります。
- 鉢の深さ
- 直根が下りるので深さ 25〜30 センチを選びます。浅い容器では開花期に水切れし、さやが太りきらないまま終わります。
- 植える株数
- 幅 65 センチの標準プランターで 3 株、深型の丸鉢なら 1 株が目安。詰め込むと蒸れて葉が落ち、下のさやが着きません。
- 使う用土
- 元肥入りの野菜用培養土をそのまま使い、追加の元肥は入れません。培養土の窒素だけで初期生育は足ります。
受け皿に水をためると根が酸欠になります。鉢底から流れ出るまで与え、たまった水は必ず捨てます。
肥料でつまずいたときの切り分け
土と肥料の失敗は、収穫の直前ではなく開花のころに株の姿で出ます。葉の色と茂り方、根粒の色を見てから手を打てば、その年のうちに立て直せるものと、翌年の元肥で直すしかないものが分かれます。
| 株に出ている症状 | 疑う原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が濃く厚く茂り花が少ない | 元肥の窒素が多すぎる | 追肥をやめ、翌年は窒素を半分にする |
| 下葉から黄ばみ株が細い | 酸性が強く根粒が働かない | 石灰で酸度を直し、開花期に一回追肥 |
| 株がぐらついて倒れやすい | カリ不足と土寄せの不足 | 株元へ土を寄せ、翌年はカリを厚く |
| 雨のあとに株が萎れる | 畝が低く根が酸欠になった | 溝を切って水を抜き、翌年は高畝に |
根粒が働いているかは株元を軽く掘り、根の粒を割って確かめます。中が薄いピンクなら固定しています。白や緑なら窒素が足りていません。
エダマメの土づくりに使うもの
土づくりは「何を入れるか」より「いつ入れるか」で結果が変わります。石灰と肥料は同時にまかず、1 週間は空けます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 土壌酸度計探す言葉「土壌酸度計」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式か、デジタル式。pH 4〜9 を 0.2 刻みで読めれば十分です。
石灰の量は本来 pH を測ってから決めるものです。測らずに毎年まき続けると、アルカリ側へ寄って別の障害が出ます。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 バーク」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥は肥料分もあり、バーク堆肥は土をふかふかにする働きが中心です。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
入れてすぐ効くものではなく、微生物が分解して初めて土が変わります。植え付けの 2〜3 週間前までに入れます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状。マグネシウム(苦土)も一緒に補えます。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。
まいたら耕して 1 週間ほど置きます。元肥と同時に入れると、窒素がアンモニアとして抜けてしまいます。必要な量は土質で変わるので、pH を測ってから決めます。
- くわ(平ぐわ)探す言葉「平ぐわ 家庭菜園」
- 規格の目安
- 刃幅 18cm 前後。柄の長さは身長の 6 割くらいが振りやすい目安です。
畝立てと土寄せの両方に使います。1 本あるかどうかで、土づくりにかかる時間がまるで変わります。
- 微生物資材や活力剤は、堆肥を入れているなら急ぎません。
- 小さな区画なら、耕運機より三角ホーとくわのほうが小回りが利きます。
エダマメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエダマメの育て方にまとめています。
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