一番果は小さいうちに取る
最初に実った一番果は、大きく育てたくなりますが、卵より小さい5センチから7センチの段階で収穫します。この時期の株はまだ根も枝も十分に育っておらず、実を太らせるほうへ養分が回ると、枝の伸びが止まり、その後の収量が落ちるためです。
同じ理由で、二番果、三番果も通常より早めに取ります。7月に入って株が大きく茂り、主枝が支柱の高さに近づいてきたら、そこからは本来の大きさまで育てて構いません。序盤の1か月を株づくりに使うと、夏以降の採れ方がまったく違ってきます。
- 一番果は5〜7センチ
- 卵より小さい段階ではさみで切ります。大きく育てたい気持ちを1回だけ抑えると、その後2か月の採れ方がはっきり変わります。
- 二番果と三番果も早め
- 本来の8割ほどの大きさで採ります。株が支柱の高さに近づくまでは、実より枝と根を作ることを優先してください。
- 苗についていた実
- 売り場の苗にすでに実がついていたら、植えたその日に取ります。小さな根鉢のまま実を太らせた株は、その後伸びません。
苗を買った時点ですでに実がついている場合も同じです。売り場で目を引く実ですが、植えたその日に取ってしまうのが正解です。
品種ごとの収穫サイズ
開花からの日数は気温で大きく動きます。6月と9月では同じ品種でも1週間近く差が出るので、日数は目安として持っておき、実際の判断は大きさと手触りで行います。
| 品種のタイプ | 収穫の目安 | 開花からの日数 |
|---|---|---|
| 長卵形(中長ナス) | 長さ12〜15センチ | 20〜25日 |
| 長ナス | 長さ20〜25センチ | 25〜30日 |
| 米ナス | 直径8〜10センチ | 30日前後 |
| 小丸ナス | 直径4〜5センチ | 15〜20日 |
取り時は手触りで分かる
実を軽く握ったとき、皮に張りがあって弾力を感じるうちが適期です。指で押して硬く跳ね返らず、しっとり詰まった感触になっていたら採り遅れで、中の種が固まり始めています。皮のつやも判断材料で、光の反射が鈍くなってきたら早めに取ります。
収穫は朝のうちが向いています。夜のあいだに実へ水が回り、張りが最も良い時間帯だからです。日中の高温時に採ると実の温度が高く、日持ちが目に見えて落ちます。
採るときは、はさみでへたの上を切ります。手でねじると枝を裂くことがあり、そこから病原菌が入ります。へたのとげは鋭いので、軍手をしておくと作業が早くなります。
- 手触りで見る
- 軽く握って皮に張りと弾力があるうちが適期です。硬く詰まった感触になっていたら採り遅れで、中の種が固まり始めています。
- つやで見る
- 光の反射が鈍くなってきたら早めに取ります。つやの落ちた実は水不足の合図でもあるので、同時に灌水量も見直します。
- 朝のうちに採る
- 夜のあいだに実へ水が回るため、朝が最も張りがよく日持ちします。日中の高温時に採った実は傷みが早くなります。
採り遅れが株を止める
1つ大きくなりすぎた実を残すだけで、株はその実に養分を集中させ、次の花のつきが悪くなります。夏の盛りは実の肥大が早く、2日見ないだけで規格を超えるので、収穫の見回りは最低でも2日に1回、真夏は毎日を基本にします。
採り遅れた実は、味も落ちますが捨てる必要はありません。皮をむいて加熱すれば十分食べられます。大事なのは、株の上に置いておかないことのほうです。
| 時期 | 見回りの間隔 | 理由 |
|---|---|---|
| 6月 | 2日に1回 | 肥大が緩やかで規格を超えにくい |
| 7〜8月 | 毎日 | 2日で規格を超える。最も遅れやすい |
| 9〜10月 | 2〜3日に1回 | 気温が下がり肥大が遅くなる |
旅行などで数日空けるときは、出発前に小さい実まで全部収穫していきます。株に実を残さないほうが、戻ったときの回復が早くなります。
収穫が続く株の支え方
ナスは実をつけながら枝を伸ばし続ける作物なので、収穫が続いている間ずっと養分を要求します。2週間おきに1株あたり化成肥料30グラムほどを株の周囲にまき、軽く土と混ぜて水をやります。この間隔が空くと、花が小さくなり短花柱花が増えてきます。
水も同様です。真夏の株は1日に数リットルを吸います。敷きわらで蒸発を抑えたうえで、朝か夕方にたっぷり与えます。回数を増やすより、1回でしっかりしみ込ませるほうが根が深く張り、乾燥に強い株になります。
| 項目 | 間隔 | 1株あたりの目安 |
|---|---|---|
| 追肥 | 2週間おき | 化成肥料30グラム |
| 水やり | 朝か夕方に1回 | 真夏は数リットル |
| 敷きわらの補充 | 1か月おき | 土が見えない厚さまで |
保存とシーズンの終わり
ナスは低温と乾燥に弱く、冷蔵庫にそのまま入れると数日で表面がへこみ、種のまわりが茶色くなります。1つずつ新聞紙かポリ袋で包み、10度前後の野菜室で3日から4日が目安です。むしろ常温の涼しい場所のほうが向く時期もあります。
秋が深まり、最低気温が10度を切ると実の肥大が止まります。ここまで来たら小さい実も収穫し、株を片付けます。取り残した実を放置すると翌年の病害虫の越冬場所になるので、残渣とあわせて畑の外へ出してください。
食べきれない分は、焼きナスにして皮をむき冷凍する方法が扱いやすく、味の落ち方も緩やかです。
うまく穫れないときの切り分け
収穫が続かない、実の見た目が悪いというつまずきは、株の疲れか水か穫り遅れのどれかに行き着きます。実そのものが記録になっているので、形と皮の状態を見れば原因はその場で絞れます。
どれも次の実には間に合います。原因を直したうえで、今ついている実を小さめのうちに全部穫ると、株が回復して収穫が戻ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 実が硬く種が目立つ | 穫り遅れている | 見回りを2日に1回へ戻す |
| 皮につやがなく白っぽい | 水切れ | 朝にたっぷり与え、敷きわらで乾きを抑える |
| 実が曲がり小さいまま | 肥料切れか株の疲れ | 追肥し、更新剪定を検討する |
| 実の表面に細かい傷 | 風で葉や支柱とこすれた | 枝を支柱に結び、風よけを立てる |
| ヘタが茶色く乾く | 株が実を支えきれていない | 小さいうちに穫り、着果数を減らす |
見た目の悪い実も味は落ちていません。皮が硬いものは焼きナスや煮物に回せば、収穫を捨てずに済みます。
ナスの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ナスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナスの育て方にまとめています。
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