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ナスの月別の作業

ナスの月別栽培カレンダー|3月から11月までの作業と管理

ナスの栽培イメージ

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ナスの1年を月ごとに整理し、その月に必ずやることと見落としやすい点を表でまとめました。

1年の流れをつかむ

ナスの栽培は、5月の植え付けから10月の片付けまで半年近く続きます。期間が長いぶん、途中で水と肥料を切らすかどうかが収量を左右します。年間を通して山場は三つ、植え付け、一番果の摘果、7月下旬の更新剪定です。

以下の表は中間地を基準にしています。暖地は7日から10日ほど早く、寒冷地は10日から20日ほど遅く読み替えてください。地域差の目安は最後の節にまとめています。

山場見るところ
5月植え付け最低気温が15度を超えたか
6月一番果の摘果花のめしべが長く伸びているか
7月下旬更新剪定実が本来の大きさで止まっていないか
9月秋ナスの再開新芽の伸びと葉色が戻ったか
10月から11月片付け朝の冷えで実が太らなくなったか

月別の表は骨組みです。梅雨入りと梅雨明け、猛暑の始まりで1〜2週間は簡単にずれます。日付ではなく株の姿で判断してください。

3月〜5月 植え付けまで

この3か月は畑の準備がすべてです。ナスは半年も畑にいるので、途中で場所と土をやり直す機会がありません。前作にナス科を作っていない区画を、この時期に確保しておきます。

主な作業見落としやすい点
3月畑の場所決め、種まき(育苗する場合)ナス科を3〜4年作っていない場所を選ぶ
3月下旬石灰をまいて粗起こしペーハー6.0〜6.5に合わせておきます
4月苦土石灰と堆肥を入れて耕す、苗の予約深さ30センチまで起こす。表層だけでは夏にもたない
4月下旬畝立てとマルチ張り地温を上げてから植えると活着が数日早まります
5月定植、仮支柱、マルチ、あんどん地温15度未満なら1週間待つほうが結局早い

種から育てる場合、発芽に25度以上が必要なため加温が要ります。数株なら購入苗のほうが確実で、時期も外しません。

6月〜7月 樹をつくる時期

樹を作る時期です。この2か月で枝の骨格と根の広がりが決まり、8月以降に採れるかどうかがここでほぼ確定します。実を大きくすることより、株を大きくすることを優先してください。

主な作業見落としやすい点
6月上旬一番果を小さいうちに収穫、芽かき一番果を育てると株の生育が止まる
6月中旬三本仕立てに整枝、本支柱を立てる一番花より下のわき芽は全部かく
6月下旬1回目の追肥、下葉かき梅雨の蒸れ対策として地際30センチを空ける
7月上旬収穫本番、2週間おきの追肥収穫と同時に側枝を葉1枚残して切り戻す
7月中旬水やりを朝夕に切り替え梅雨明け直後の乾きで石ナスが増えます
7月下旬更新剪定と根切り、敷きわら実が小さくつやがなくなったら切り時

梅雨明け直後は株が急に水を欲しがります。ここで乾かすと石ナスとつやなし果が一気に増えます。

8月 夏越しが分かれ道

8月は収穫が少なく、世話の手応えが感じられない月です。それでもこの月の水やり追肥(育てている途中で足す肥料)をどれだけ続けたかが、9月以降の収量にそのまま出ます。株を維持する月だと割り切って通ってください。

8月の水やりは朝のうちに済ませます。日中に与えると地温が上がって根が傷み、夕方遅くでは株元が夜まで湿って病気を招きます。敷きわらを足しておくと、1回の水が長く持つようになります。

時期主な作業見落としやすい点
上旬更新剪定後の水やりを毎日確認新芽が動くまでは絶対に乾かさない
中旬新梢の誘引、テントウムシダマシの捕殺葉裏の卵塊を見つけたら葉ごと取る
下旬2回目の追肥、敷きわらの補充地温が下がると根が回復し秋の実が入る
月末混み合った新梢を整理光を入れると秋の実の色がよくなります

9月〜11月 秋ナスと片付け

秋ナスは実の肥大に日数がかかるぶん、皮が薄く柔らかくなります。気温が下がるほど1果あたりの日数は伸びるので、8月と同じ間隔で見回ると採り遅れではなく採り急ぎになります。

片付けは11月です。抜いた株を畑の隅に積むと、病原菌と害虫の越冬場所をわざわざ用意することになります。根まで掘り上げて外へ出し、跡地は寒起こしをしておくと翌年が楽になります。

秋の実は日数がかかるぶん皮が薄く、傷が付きやすくなります。収穫かごに重ねて放り込まず、並べて持ち帰ると傷みが減ります。冷え込んだ朝に採った実はとくにやわらかいので、扱いを丁寧にしてください。

主な作業見落としやすい点
9月秋ナスの収穫再開、追肥を継続気温が下がると実の肥大が遅くなる
10月収穫を続ける、遅い実は早めに取る最低気温10度を切ると生育がほぼ止まる
10月下旬最後の収穫と敷きわらの片づけ小さい実も残さず採り切ります
11月株の片付け、残渣の処分、土の手入れ病気が出た株の残渣は畑に埋めない

片付けのとき、根の様子を確認します。こぶ状のふくらみがあればネコブセンチュウの被害で、翌年の作付け計画を変える判断材料になります。

地域で何日ずれるか

地域差の本体は、初霜までの残り日数です。寒冷地では更新剪定を早め、それでも間に合わないと判断したら剪定せずに採り切ります。暖地では逆に、10月まで採れる前提で8月の株の維持に手をかける価値があります。

作業暖地寒冷地
植え付け4月下旬〜5月中旬5月下旬〜6月中旬
収穫開始6月上旬6月下旬〜7月上旬
更新剪定8月上旬7月中旬〜下旬
片付け11月中旬10月中旬

自分の畑の初霜の平年日を一度調べておくと、更新剪定を切るか切らないかの判断が、毎年ぶれなくなります。

遅れたときの立て直し

ナスは半年続く作物なので、途中の遅れは取り返せます。取り返せないのは更新剪定の遅れだけで、これは秋の気温という締め切りが動かないためです。

遅れに気づいたら、抜けた作業を足すのではなく、以後の間隔を元に戻すことを優先します。まとめて施した肥料は樹を暴れさせるだけで、実にはなりません。

遅れた作業起きること立て直し方
植え付けが6月にずれた樹ができる前に真夏へ入る一番果を早く取り、追肥を早めに始める
一番果を大きく育てた株の伸びが止まるすぐ収穫し、水と追肥で樹を戻す
更新剪定が8月下旬になった秋の再開が10月へずれる切る量を半分にし、根切りはしない
追肥をとばした葉が薄く実が曲がる気づいた日に施し、以後2週間おきに戻す
支柱を立てていない実の重みで枝が裂ける裂ける前に主枝ごと結び、下から支える

9月に入ってからの更新剪定はすすめません。切っても気温が足りず、新芽が出たところで秋が終わります。

ナスの栽培に一年を通して使うもの

作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
    規格の目安
    牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。

    土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。

  • 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
    規格の目安
    粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。

    日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。

    出典: 農林水産省「土壌改良資材量のもとめ方」(施肥基準)

  • 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
    規格の目安
    窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
    数量の目安
    元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。

    種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。

    出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」

  • 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
    規格の目安
    幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
    数量の目安
    畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。

    地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
  • 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。

ナスの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナスの育て方にまとめています。

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