GadeninEnglishアプリを入れる
ナスの病害虫と生理障害

ナスの病害虫と石ナス対策|時期別の警戒と予防の組み立て

ナスの栽培イメージ

読むのに約 5

ナスで警戒すべきものを時期ごとに整理し、石ナスやつやなし果を防ぐ管理の考え方を示します。

警戒する相手は月ごとに入れ替わる

ナスは半年近く畑に立ち続けるため、次から次へと相手が変わります。すべてに身構えるとかえって手が回りません。その月に何を見るかを決めておき、見回りのときにそこだけ確認するほうが実際的です。

時期主に警戒するもの見る場所
5〜6月アブラムシ、ネキリムシ新芽、株元の地際
6〜7月半身萎凋病、うどんこ病下葉、株の片側だけの黄変
7〜8月青枯病、ハダニ、アザミウマ日中のしおれ、葉裏、花の中
8〜9月テントウムシダマシ、果実の傷葉の食害痕、実の表面

見回りは週2回、朝の涼しい時間に葉裏を返すだけで十分です。異変を早く見つけられれば、多くは手で取るだけで済みます。

土から来る病気は植える前に勝負がつく

青枯病と半身萎凋病は、発病してからできることがほとんどありません。青枯病は日中に急にしおれて朝には戻る症状を数日繰り返し、そのまま緑色のまま枯れます。半身萎凋病は株の片側の葉だけが黄色くなり、じわじわ広がります。どちらも根から菌が入る病気です。

したがって対策は、植える前の三点に集約されます。ナス科を3年から4年あける輪作、抵抗性台木を使った接ぎ木苗、水はけを確保する高めの畝。この三つを押さえた畑では、発生率がはっきり下がります。発病株を見つけたら、周囲に広げないよう根ごと抜いて畑の外へ出します。

見える症状疑うもの対応
日中しおれ朝に戻るを数日繰り返す青枯病根ごと抜いて畑の外へ。回復はしない
株の片側だけ葉が黄変する半身萎凋病広がる前に抜く。翌年は輪作と接ぎ木
下葉から黄化し株全体が萎れる根の障害または半身萎凋病根のこぶの有無をまず確認する
根にこぶ状のふくらみネコブセンチュウ翌年の作付けを変え、対抗植物を入れる

抜いた株を畑の隅に積んだり、そのまますき込んだりすると翌年に持ち越します。焼却するか、可燃ごみとして処分してください。

虫は入口を塞ぐ設計で減らす

ナスで被害が大きいのは、葉を網目状に食べるテントウムシダマシと、花や幼果に入り込んで実の表面をかすり状に傷つけるアザミウマ、そして乾燥期に葉裏で急増するハダニです。いずれも増えてから薬剤で叩くより、増えにくい条件を先に作るほうが確実です。

テントウムシダマシは近くのジャガイモから移ってくることが多く、ジャガイモの収穫後に一気にナスへ来ます。葉裏の黄色い卵塊を見つけて葉ごと取れば、その後の食害が目に見えて減ります。成虫は手で触れるとすぐ落ちるので、朝のうちに容器を下に構えて叩き落とします。

アザミウマとハダニは高温乾燥で増えます。敷きわらとこまめな灌水で株元の乾燥を防ぎ、混み合った枝を整理して風を通すこと。これが最も効く対策で、銀色のマルチや反射資材はアザミウマの飛来そのものを減らします。

テントウムシダマシ
葉裏の黄色い卵塊を葉ごと取ります。成虫は触れると落ちるので、朝に容器を下に構えて叩き落とすのが最も早い方法です。
アザミウマ
花の中と幼果の表面を見ます。銀色のマルチや反射資材で飛来そのものを減らし、乾かさない管理と併せて抑え込みます。
ハダニ
葉裏へ強めに水をかけて数を減らします。敷きわらで株元の乾燥を防ぎ、混み合った枝を整理して風を通すのが基本です。

石ナス・つやなし果は虫でも病気でもない

実が肥大せず硬く小さいまま止まる石ナスは、受粉がうまくいかなかった実に起きます。原因は主に低温と日照不足、そして肥料切れによる株の勢いの低下です。花の中心にあるめしべがおしべより短い短花柱花が増えていたら、株が弱っている合図で、この花はほぼ実になりません。

つやなし果、いわゆるボケナスは、実の表面につやがなく茶色っぽくかすんだ状態です。こちらは土の水分不足で果実に水が回らないときに出ます。梅雨明け直後や、更新剪定後に水やりを怠った時期に集中して現れます。

どちらも一度なった実は元に戻りません。見つけたら早めに取って株の負担を減らし、原因のほうを直します。石ナスなら追肥(育てている途中で足す肥料)と摘果で株の勢いを戻す、つやなし果なら灌水量を増やして敷きわらを足す、という対応です。

実に出る症状原因打つ手
硬く小さいまま止まる受粉不良、低温と日照不足追肥と摘果で株の勢いを戻す
短花柱花が増える肥料切れと株の消耗追肥。半数を超えたら更新剪定
表面がかすんでつやがない土の水分不足灌水量を増やし敷きわらを足す
肩が茶色くかすれるアザミウマの食害痕花の中を確認し反射資材を敷く

短花柱花が全体の半数を超えたら、追肥だけでは戻らないことが多く、更新剪定で作り直すほうが早いと判断できます。

予防を1つの設計にまとめる

植える前
ナス科を3〜4年あけ、接ぎ木苗を選び、高めの畝を立てます。ここで決まる部分が、その後の病気対策の大半を占めます。
植えた直後
黒マルチか敷きわらで土のはね返りを止めます。泥が葉裏に付くことが、多くの土壌病害の最初の一歩です。
梅雨の前後
地際30センチの葉を落として風を通します。同時に、傷んだ葉と実は畑の外へ出し、菌と虫の越冬場所を残しません。
真夏の管理
敷きわらを補充し、水と2週間おきの追肥を切らしません。株の勢いを保つことが、生理障害と虫害の両方に効きます。

薬剤を使うときの考え方

手で取れる範囲を超えたときは薬剤も選択肢ですが、収穫が続く作物なので収穫前日数の確認が欠かせません。ナスに登録のある薬剤か、必ずラベルで作物名を確かめてから使います。

また、ハダニは同じ系統の薬を続けると効かなくなります。使うなら系統を変え、まず葉裏へ強めの水をかけて数を減らしてから、という順序が現実的です。

家庭菜園の規模なら、見回りの頻度を上げるほうが薬剤より安上がりで、効果も安定します。

ナスの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナスの育て方にまとめています。

iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。

次に読む

ナスについて、続けて読むならこちら。

Gadenin 栽培記録アプリ・無料アプリを入れる