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ピーマンの病害虫と障害

ピーマンの病害虫と尻腐れ果|落花の原因と時期別の警戒ポイント

ピーマンの栽培イメージ

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いつ何を警戒するかを時期別に整理し、尻腐れ果と落花という二大トラブルの起こる条件と予防の設計を解説します。

時期別に何を警戒するか

ピーマンの被害は、株が弱った順に出ます。乾燥や肥料切れで勢いの落ちた株から先に病害虫が付くので、薬に手を伸ばす前に、まず水と肥料と枝の混み具合を見直します。

見る順番も時期で変わります。梅雨前は虫とウイルス病、梅雨のあいだは葉と株元の病気、梅雨明けからは生理障害と実に入る虫。この順で注意を移すと、見落としが減ります。

時期警戒するもの最初に出る兆候
5月から6月アブラムシ、ウイルス病新芽の縮れ、葉のまだらな黄緑
6月から7月うどんこ病、疫病下葉の白い粉、株元の黒ずみ
7月から9月タバコガ、カメムシ実の小さな穴、実のへこみと変色
7月から9月尻腐れ果、落花実の先端の黒ずみ、花柄ごと落ちる
8月から10月斑点性の病気下葉の褐色の斑点と落葉

アブラムシとウイルス病

警戒すべきは虫そのものより、虫が運ぶウイルス病です。葉がまだらに黄緑を帯びて縮れ、実が変形する症状は治りません。発病した株は抜いて持ち出すしかないので、媒介するアブラムシを付けないことが唯一の対策になります。

苗の段階で防ぐ
買った苗の葉裏を見て、付いていれば洗い落としてから植えます。最初の一匹が、その畑の発生源になります。
物理的に遮る
定植直後から寒冷紗のトンネルで覆うと、初期の飛来をほぼ止められます。開花が始まったら外します。
見回る場所
新芽と若い葉の裏に集まります。株の先端を週に一度見れば、増えて手が付けられなくなる前に気づけます。
発病株の扱い
縮れた葉を見つけたら、そのはさみを他の株に使い回しません。刃に付いた汁でうつることがあります。

実の中に入る虫

実に直径数ミリの穴が空き、割ると中を食べ荒らされているのはタバコガの幼虫です。着果の盛りである六月から九月に多く、一匹が実を渡り歩くので、一つ見つけたら周りの実も割って確かめます。

穴の見つけ方
へたの近くに小さな穴があり、その下に黒い粒状のふんが落ちています。外から見るだけでは分からないので、下からのぞきます。
見つけたら
穴の空いた実は採って畑の外へ持ち出します。地面に落としておくと、中の幼虫が出てきて次の実に移ります。
カメムシの害
実の表面がへこんで白く変色するのは吸汁の跡です。朝の涼しい時間は動きが鈍いので、その時間帯に見回ります。
畑の周りを刈る
雑草地に接した畑ほど飛び込みが多くなります。畝の周囲の草を刈っておくだけで発生は目に見えて減ります。
見回る時間帯
タバコガの幼虫は夕方から動きます。夕方の収穫のついでにへたの周りを見る習慣にすると、穴の空いた実を早く見つけられます。

尻腐れ果は水管理の問題

実の先端が水にぬれたように黒ずみ、やがてへこんで腐るのが尻腐れ果です。果実にカルシウムが届かないことで起きますが、土のカルシウム不足そのものより、水分の急な変動で吸収と移動が止まることのほうが原因として多いです。

七月から九月の高温と強い日射に乾燥が重なると集中して出ます。一度症状の出た実は元に戻らないので、見つけたら早めに摘み、株の力を残りの実にまわします。

水を切らさない
乾ききってから大量に与える形を避けます。梅雨明け後は敷きわらで地表を覆い、二、三日おきに深く届く量を与えます。
窒素とカリを控える
効かせすぎるとカルシウムの吸収が妨げられます。実が付いているのに葉ばかり大きい株では、追肥(育てている途中で足す肥料)を一回飛ばします。
土に入れておく
定植の二週間前に苦土石灰を入れておきます。発生してから石灰をまいても、その実には間に合いません。
出た実は摘む
黒ずんだ実は元に戻りません。早めに摘んで残りの実へ養分をまわし、あわせて水やりの間隔を短くします。

尻腐れ果は病気ではなく、隣の株にうつりません。薬を掛けるより、水やりの間隔と敷きわらを見直すほうが確実に減ります。

花が落ちる、実がつかない

つぼみや咲いたばかりの花が柄ごとぽろぽろ落ちるのは、受粉と養分の問題です。ピーマンは虫がいなくても自分の花粉で実になりますが、夜温が25℃を超える日が続くと花粉の働きが落ち、受粉できずに落ちます。

症状考えられる原因対処
真夏に集中して落ちる高温と夜温の高さ朝の潅水と西日よけ、切り戻して秋に切り替える
葉が濃く茂って花が少ない窒素の効かせすぎ追肥を一回飛ばし、水も控えめにする
葉が薄く先端が止まる肥料切れと根の弱り追肥と潅水、付いている実を減らす
株元の花だけ落ちる日照不足と枝の混み内向きの枝を間引き、下葉を整理する

実が一つも付かない時期があっても株を抜きません。原因を直せば、二週間から三週間で花は戻ってきます。

予防の組み立て

個別の症状ごとの対処は病害虫のページに譲りますが、家庭菜園で効くのは発生後の対処よりも設計です。株間を詰めない、乾かしきらない、混んだ枝を残さない。この三つでピーマンのトラブルの多くは減ります。

連作を避ける
ナス科のあとに続けて植えると青枯病や疫病が出やすくなります。三年以上あけるか、台木の強い接ぎ木苗を使います。
泥はねを止める
マルチと敷きわらで地表を覆います。下葉から出る斑点性の病気の多くは、雨で跳ねた土が入口になります。
風を通す
内向きの枝と下葉を整理し、株の中まで手が入る密度を保ちます。うどんこ病や灰色かびは蒸れた場所から出ます。
早く見つける
収穫の見回りのついでに、新芽の裏と下葉の裏を見ます。週に一度見ていれば、広がる前に手を打てます。
株間を守る
密植は蒸れと日照不足の両方を招きます。40センチを切る株間では、整枝(枝の数と向きを整えること)をどれだけ丁寧にやっても株の中まで風は抜けません。

よく似た症状の見分け方

見た目が似ていても、原因が虫か、水か、日ざしかで手当てはまるで違います。被害が株全体か一部か、出ているのが新しい葉か古い葉かを見ると、大きく絞り込めます。

症状見分けるところ当てはまる原因
実の先が黒くへこむへこみが乾いて硬いか水切れによる尻腐れ
実の表面が白く抜ける日の当たる側だけか強い日ざしによる日焼け
葉がまだらに薄くなる新芽が縮れているかウイルス病かアブラムシ
葉裏がかすれて白っぽい細かい点が動くかハダニ

見分けがつかないときは、その部分を写真に撮って日付を書いておきます。数日後の広がり方が確かな手がかりです。

ピーマンの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はピーマンの育て方にまとめています。

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