一番花より下のわき芽は全部かく
ピーマンの整枝(枝の数と向きを整えること)は一番花の位置を基準に決めます。主枝は必ず一番花のところで二又に分かれるので、その分岐より下の葉の付け根から出る芽は、すべて根元からかき取ります。残すと株元が茂って風が抜けず、アブラムシと病気の温床になります。
早く取るほど傷が小さく、指でつまんで横に倒すだけで外れます。長さ10センチを超えてからはさみで切ると切り口が大きく、そこから病気が入ることがあります。定植後は週に一度、株元をのぞく習慣を作ります。
- 見つけ方
- しゃがんで株元から見上げると、葉の付け根に隠れた小さな芽が並んで見えます。上からのぞくだけでは必ず見落とします。
- 取り方
- 晴れた日の午前中に指で横へ折ります。切り口が日中のうちに乾くので、細菌が入りにくくなります。雨の日には触りません。
- 取り残した場合
- 大きくなったわき芽(葉のつけ根から出る芽)は一度に全部取らず、二回に分けます。同時に多く落とすと株が驚いて一時的に伸びを止めます。
一番花と一番果の扱い
定植のころに咲く一番花は摘み取ります。株が小さいうちに実を付けると、根と枝にまわるはずの養分が実に取られ、その後の枝の伸びが鈍って収穫期間そのものが短くなります。
二番花以降も、株の丈が40センチに満たないうちに付いた実はピンポン球ほどで早採りします。最初の一、二個を我慢するかどうかで、七月以降の実の付き方ははっきり変わります。
- 一番花を摘む
- つぼみのうちに指で摘みます。開花して花びらが落ちたあとでは、すでに株が着果へ向けて力を使いはじめています。
- 早採りの目安
- 三番果までは標準サイズの半分ほどで採ります。丈が60センチを超えて枝が太くなったら、通常の大きさまで待って構いません。
- 勢いが落ちた株
- 葉が小さく先端の伸びが止まっている株では、付いている実をすべて落とします。実を抱えたままでは枝も根も伸びません。
残すかどうかは株の勢いで決めます。茎が太く葉が大きく展開している株なら一番果を残してもよく、細く頼りない株では確実に落とします。
三本仕立てと二本仕立ての選び分け
一番花のすぐ下から勢いよく伸びる側枝を二本残し、主枝と合わせて三本を伸ばすのが基本の形です。それより下の芽はすべてかき、分岐より上は自然に枝分かれさせて構いません。
自分の株間と場所を先に決めてから、この表で仕立てを選びます。同じ品種でも、置ける幅が違えば残す枝の数は変わり、幅より多く残すと風も日も入らなくなります。
| 場面 | 向く仕立て | 実の傾向 |
|---|---|---|
| プランターや株間40センチ前後 | 二本仕立て | 数はやや少なく一つが大きい |
| 株間45から50センチ取れる露地 | 三本仕立て | 収量が多く、実はやや小ぶり |
| 株間60センチ以上ある肥沃な畑 | 四本仕立て | 枝が混みやすく管理の手間が増える |
途中で仕立てを増やしません。枝数を後から増やすと、それまでに付いていた実の肥大が止まり、株の中も混んで日が入らなくなります。
支柱は枝が折れる前に立てる
ピーマンの枝は水分が多くもろく、実の重さと風が重なると分岐点から縦に裂けます。裂けた枝はつながらないので、折れてから直すのではなく、実が付く前に支えを作っておきます。
- 本支柱の本数
- 長さ150センチ前後の支柱を、株を挟むように三本立てます。三本仕立てなら枝ごとに一本を割り当てると、収穫のときも枝が振られません。
- 立てる時期
- 定植から二、三週間、丈が30センチを超えたころです。根が広がりきる前なので、支柱を挿しても根をほとんど切りません。
- 誘引の仕方
- ひもは八の字にひねり、茎側をゆるく、支柱側をきつく結びます。茎を直接締めると、太ったときに食い込んで折れます。
- 結び足す間隔
- 枝が伸びるたび20から30センチおきに結び足します。実が付いてからでは枝を持ち上げられず、無理に動かすと裂けます。
風の強い畑では三本の支柱の頭を横棒でつないで組みます。単独に立てた支柱は実の重みで外側へ倒れ、結局は枝を引き裂きます。
込んだ枝を間引いて光を入れる
七月に入ると分岐が進み、株の内側が影になります。日の当たらない枝には花が付かず、付いても落ちるので、内向きの枝と細い枝を間引いて光と風を通します。
- 内向きの枝
- 株の中心へ向かう枝を付け根から切ります。外へ向かう枝だけを残すと実が見つけやすく、収穫の取り残しも減ります。
- 細い枝と花
- 鉛筆より細い枝の先に付いた花は、実になっても肥大が止まります。枝ごと切って、太い枝へ養分を集めます。
- 下葉の整理
- 地面に接する葉と黄ばんだ葉を取ります。雨で泥がはねて葉に付くと、そこから斑点性の病気が広がります。
整枝を失敗したときの立て直し
整枝の目的は枝を減らすことではなく、どの枝にも日が当たる形を保つことです。仕立ての本数が多少ずれても、株の中心まで手を差し入れられる密度なら問題ありません。
- わき芽を放置した
- 株元が茂って収拾がつかない場合は太い枝を三本決め、残りを二回に分けて落とします。一度に半分以上切ると落花します。
- 枝を折った
- 折れた枝は付け根から切り落とします。中途半端に残すと枯れ込みが幹まで進みます。あとは追肥(育てている途中で足す肥料)を控えめに与えて回復を待ちます。
- 実を付けすぎた
- 一枝に実が並んで肥大が止まったら、小さいものから摘みます。丈が伸びなくなったら、実の数が根の力を超えた合図です。
ピーマンのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ピーマンの収穫までのコツは作物ページに
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