科: ナス科属: トウガラシ属
栽培カレンダー
関東地方の目安です。地域と品種で前後します。実際の日付は記録に残しましょう。
ピーマンを詳しく知る
項目ごとに 1 ページで掘り下げています。いま知りたいところから読んでください。
記録しておきたいタイミング
一番果を採った日
最初の実は小さいうちに採ると株が育ちます。この判断をしたかどうかで、その後の収量が変わります。
枝が混み始めた日
内側の枝を整理した日を残すと、風通しと実つきの関係が分かります。
追肥の日
収穫が続くと肥料が切れます。実が小さくなり始めた日と追肥の日を並べて残しておきます。
収穫までのコツ
ピーマンを育てるうえで、うまくいくかどうかを分ける勘所です。暦や病害虫の前に、ここだけ押さえておくと結果が変わります。
実は開花後15日前後で採る
長さ6〜7cmの若採りを続けると、株が疲れず花付きが落ちません。大きくしすぎると種が硬くなり、味も落ちます。
寒い日が続くうちは植えない
低温に当たると生育が止まり、回復に1か月かかることもあります。遅霜が去り、土が温まってから畑に出します。
一番花の下のわき芽をかく
最初の分岐点より下から出る芽をすべて取ると、株が縦に立ち上がって風通しが良くなり、泥はねも受けにくくなります。
9月に枝を切り戻す
各枝を3分の1ほど切って追肥すると、10日ほどで新しい枝が伸びます。霜が降りるまで収穫を続けられます。
ピーマンの栽培をはじめるのに用意するもの
これから育てるなら、まず次の 4 つがあれば始められます。作業ごとに要るものは、各解説のページにまとめています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。
最初にやることは土づくりです。植え付けの 2〜3 週間前に入れて、土になじませます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 粒状。1kg 袋なら一年ぶんの追肥に足ります。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、追肥は 1 回 30〜50g。
元肥にも追肥にも同じものが使えます。まず 1 袋あれば十分です。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。柄と刃が一体のものは曲がりません。
種まきから植え付けまで、いちばん手に取る道具です。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱と合わせて使います。
薬を使わずに虫を防ぐなら、まずこれです。1mm で止まるのは蛾や蝶。アブラムシやアザミウマまで狙うなら 0.6mm 以下が要りますが、そのぶん風が通らなくなります。
- 道具のセット買いは要りません。使う場面が来てから 1 つずつ足すほうが無駄になりません。
- 苗から始めるなら、種まき用の資材は要りません。
ピーマンの病害虫(57)
ピーマンでの症状・予防・対処を、重要度の高い順に並べています。
アザミウマ類
主要害虫
時期 梅雨明け〜秋(7〜9月)出る場所 花・果実・新葉出やすい条件 高温乾燥
症状 果実の表面にかすり傷状の跡が広がり、新葉が縮れます。花の中に細長い小虫がいます。
予防 青色粘着トラップと周囲の除草。目の細かい防虫ネットで囲います。
対処 花の中に潜るので初期の対応が要です。黄化えそ病を運ぶため、放置しないこと。
花の中に潜んで加害する
病原・原因(この病名で報告のあるもの): アザミウマ科
黄化えそ病
主要病気TSWV
時期 春〜秋(5〜10月)出る場所 葉・果実出やすい条件 アザミウマ類の飛来
症状 葉に褐色の輪紋、果実に輪状の斑が出ます。
予防 アザミウマを防ぐことが対策です。
対処 治せません。抜いて処分し、アザミウマ対策を続けます。
新芽のえそから気づくことが多い
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ミカンキイロアザミウマ、Orthotospovirus tomatomaculae、トマト黄化えそウイルス (TSWV) ほか3
オオタバコガ・タバコガ
主要害虫
時期 夏〜秋(7〜10月)出る場所 果実・つぼみ出やすい条件 成虫が飛来する夏以降
症状 実に穴が開き、中が空洞になっています。ピーマンは中が空なので幼虫が入り込みやすく、外から気づきにくいです。
予防 つぼみと新芽を見回り、卵と若齢幼虫のうちに取ります。ネットで成虫の飛来を防ぎます。
対処 穴のある実を割って捕殺し、被害果は畑に残しません。
果実内部が食害される
病原・原因(この病名で報告のあるもの): オオタバコガ
タバコモザイク病
主要病気TMV:0
時期 生育期を通して出る場所 葉出やすい条件 接触伝染。喫煙後の手
症状 葉が濃淡のまだらになって縮れ、生育が止まります。
予防 作業前の手洗いと道具の消毒。抵抗性品種を選びます。
対処 治せません。抜いて処分し、手を洗ってから他の株に触ります。
葉のモザイクと落葉を招く
病原・原因(この病名で報告のあるもの): タバコモザイクウイルス (TMV)、Tobamovirus tabaci
トウガラシマイルドモットル病
主要病気PMMoV:L1,L2,L3,L4
時期 生育期を通して出る場所 葉・果実出やすい条件 接触伝染。汚染された種子
症状 葉に薄い斑(モットル)が出て、果実に凹凸や変色が出ます。
予防 健全な種苗を使い、手と道具を消毒します。
対処 治せません。抜いて処分し、道具を消毒します。
抵抗性遺伝子 L の型で発病が決まる
病原・原因(この病名で報告のあるもの): トウガラシマイルドモットルウイルス (PMMoV)、Tobamovirus capsica
斑点細菌病
主要病気Xcv / Xspp
時期 梅雨(6〜7月)出る場所 葉・果実出やすい条件 低温多雨。泥はね
症状 葉に水浸状の小斑ができ、のちに褐色でかさぶた状になり周囲が黄化する。果実にはざらついた褐色のかさぶた斑ができる。
予防 健全苗を用い、ナス科の連作を避ける。雨よけと敷きわらで泥はねを抑え、風通しよく整枝する。
対処 発病葉・発病果は摘み取って処分し、周囲株に銅剤を予防散布する。作業は葉が乾いた時間帯に行い、雨中の管理を避ける。
梅雨明け前後に急増する
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acidovorax valerianellae、Burkholderia andropogonis、Herbaspirillum sp. ほか23
日焼け果
主要生理障害
時期 盛夏(7〜8月)出る場所 果実の日の当たる面出やすい条件 強い直射日光。葉が少ないとき
症状 実の日が当たる側が白っぽく抜け、へこんで固くなります。
予防 整枝で葉を減らしすぎないこと。実が葉陰に入るよう仕立て、真夏は遮光ネットを使います。
対処 できた実は戻りません。摘葉を控え、以後の実を守ります。
真夏に露出した果実で発生する
青枯病
よくある病気Rs
時期 梅雨明け〜盛夏(7〜8月)出る場所 株全体出やすい条件 高い地温と排水不良。連作
症状 緑色のまま急にしおれて枯れます。茎を切って水に浸けると白い菌液が出ます。
予防 接ぎ木苗と高畝。連作を避けます。
対処 治せません。抜いて処分し、道具を消毒します。
夏の高温期に発生
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Erwinia tracheiphila、青枯病菌、Ralstonia sp.
疫病
よくある病気Pc
時期 梅雨〜盛夏(6〜8月)出る場所 地際の茎・果実出やすい条件 排水の悪い畑。長雨
症状 地際の茎が暗褐色にくびれて株が急にしおれます。果実にも水浸み状の病斑が出ます。
予防 高畝で排水を確保し、マルチで泥はねを防ぎます。連作を避けます。
対処 発病株は抜いて処分します。周囲の株にも予防散布が要ります。
疫病菌により株元から萎れる
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Phytophthora asparagi、Phytophthora cactorum、Phytophthora cambivora ほか26
キュウリモザイク病
よくある病気CMV
時期 春〜秋(5〜9月)出る場所 葉・果実出やすい条件 アブラムシの飛来
症状 葉がまだらに黄化して縮れ、実が小さく変形します。
予防 シルバーマルチと防虫ネットでアブラムシを減らします。
対処 治せません。抜いて処分し、アブラムシ対策を続けます。
株が萎縮し着果しない
病原・原因(この病名で報告のあるもの): アブラムシ類、キュウリモザイクウイルス (CMV)、Cucumovirus CMV
尻腐れ果
よくある生理障害
時期 梅雨〜盛夏(6〜8月)出る場所 果実の先端出やすい条件 水切れ/窒素過多/実のつけすぎ
症状 実の先端が黒く水浸み状にへこみ、固く陥没します。株の一部だけでなく、同じ時期の実にまとめて出ます。
予防 マルチと敷きわらで乾湿差を減らします。ピーマンは実がつきやすく、着果過多でも出るので若採りで株を守ります。
対処 出た実を摘み、水やりを一定にします。カルシウム剤の葉面散布は応急処置になります。
乾燥時に発生する
ジャガイモYウイルス病
よくある病気PVY
時期 春〜秋(5〜9月)出る場所 葉出やすい条件 アブラムシの飛来
症状 葉脈に沿って濃淡が出て、葉が縮れます。株の伸びが止まります。
予防 アブラムシ対策が基本です。近くのジャガイモからも移ります。
対処 治せません。抜いて処分します。
葉脈えそと萎縮を起こす
病原・原因(この病名で報告のあるもの): アブラムシ類、ジャガイモYウイルス (PVY)
ほかに報告のある病害虫(45)
ピーマンで発生の報告がある病害虫です。病害虫辞典に説明があるものは、名前から症状・予防・対処を開けます。
よくあるトラブル
実に穴が開いて中が食われている
タバコガの幼虫です。穴を見つけたら実ごと取り除きます。見つけ次第の対処が唯一の方法です。
実の先が黒くなる
トマトと同じ尻腐れです。水切れとカルシウムの届きにくさが原因。水分を安定させます。
実が少ない・大きくならない
肥料切れか、実をつけすぎて株が疲れています。追肥を入れ、採り遅れた実を落とします。
枝が折れる
ピーマンの枝はもろく、実の重みと風で裂けます。支柱を 3 本立てて枝を分散して支えます。
品種一覧(3)
Gadenin の作物マスタに登録されているピーマンの品種です。アプリで Plant を登録するときに候補として出てきます。
その他3
ピーマンの動画ランキング
ピーマンを扱う園芸 YouTube を、再生数の伸びで毎日集計しています。育て方を動画で確かめたいときに。
この作物でよく出る用語
本文に出てくる言葉の意味は、園芸用語集で短く説明しています。
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