肥料はやりすぎない
グミの根には空気中の窒素を取り込む菌が共生しており、やせた土でも育ちます。ほかの果樹と同じ感覚で肥料を与えると、枝葉ばかり茂って花が咲かず、実がついても落ちやすくなります。肥料は年一〜二回、少量にとどめ、窒素の少ない果樹用のリン酸とカリが多めのものを選びます。枝が勢いよく伸びて花が少ないなら、肥料を止めて様子を見るのが目安です。
| 月 | 肥料 | 量の目安と与え方 |
|---|---|---|
| 2月 | 堆肥(寒肥) | 枝先の真下に溝を掘り、堆肥バケツ一杯を埋める、化成肥料は入れない |
| 6〜7月 | 緩効性の化成肥料(お礼肥) | 収穫後に半握りを枝先の真下にまく |
| それ以外 | 与えない | 秋の肥料は花芽を減らし、春の肥料は落果を増やす |
鉢植えは六〜七月に半握りの三分の一程度を鉢の縁に置くだけで十分です。液体肥料は使わないほうが失敗しません。
水やりの目安
グミは乾燥に強く、地植えで根付いた木は雨だけで育ちます。植え付けから二年は雨が二週間ないときに株元へバケツ一杯与え、真夏は一週間おきに様子を見ます。鉢植えは表面が乾いてからたっぷりが基本で、実がふくらむ五月から六月だけは乾かさないようにします。この時期の水切れが落果のもっとも多い原因です。冬は鉢植えでも二週間に一回程度に減らします。
| 場面 | 水やりの目安 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 地植え、植え付けから二年以内 | 二週間雨がなければバケツ一杯 | 株元を指で掘って乾いていたら |
| 地植え、三年目以降 | 原則不要 | 真夏に葉が朝からしおれていたら |
| 鉢植え、五〜六月(実の肥大期) | 表面が乾いたらたっぷり、二日に一回程度 | 実にしわが寄り始めたら遅い |
| 鉢植え、夏 | 二〜三日に一回、猛暑日は毎日 | 朝に葉が垂れていたら |
| 鉢植え、冬 | 二週間に一回、暖かい日の午前 | 表面が乾いて数日たってから |
落果を減らす
グミ、とくにビックリグミは、実がふくらみ始めた五月下旬から六月にかけて、大きくなる前にぽろぽろ落ちる性質があります。原因は受粉不良、水切れ、肥料のやりすぎ、実のつけすぎで、これらを一つずつつぶすと残る実が増えます。受粉樹を確保し、五月から六月に水を切らさず、春に窒素肥料を与えないことが基本です。実が親指の先ほどになったら、混み合ったところを摘果(実を間引いて数を減らすこと)します。
- 五月から六月は乾かさない
- 実がふくらむ時期に土を乾かすと実が落ちます。鉢植えは表面が乾いたらすぐ与え、地植えも一週間雨がなければ株元へバケツ一杯与えます。
- 春に肥料を与えない
- 三月から五月の窒素肥料は落果を増やします。寒肥は堆肥だけにし、化成肥料は収穫後まで待ちます。
- 混んだ実を摘果する
- 一か所に三個以上ついた実は、小さいものを取って一〜二個にします。実どうしがぶつからない程度が目安です。
- 枝を軽く曲げる
- 真上に立つ枝は落果しやすいです。五月にひもで横に引いて寝かせると、養分が実に回りやすくなります。
ビックリグミは受粉樹があっても半分ほど落ちるのが普通です。残った実が親指大に育てば成功と考えます。
株元の管理
株元を敷きわらや腐葉土で覆うと、乾きと雑草を防げます。グミの根は浅く広がるので、株元を深く耕すと根を切ります。草は抜かずに地際で刈ります。株元から出るひこばえ(根元から出る不要な芽)は、接ぎ木苗なら台木の芽であることが多いので根元から切ります。挿し木苗なら品種の枝なので、株を更新する枝として残しても構いません。
- 株元を覆う
- 株元の半径四十センチに腐葉土か敷きわらを三〜五センチ敷きます。幹に直接触れないよう根元は少しあけます。
- ひこばえを見分ける
- 接ぎ木部分より下から出る芽は台木なので根元で切ります。接ぎ目がなく挿し木苗なら、太い一本を残して更新枝にできます。
- 草は刈って敷く
- 株元の雑草は根から抜かず地際で刈り、そのまま覆いにします。浅い根を傷めずに済みます。
葉と枝で足りないもの・多すぎるものを見分ける
グミは肥料の不足より過多で調子を崩すことが多いです。枝が真上に勢いよく伸びて花が少ないなら窒素過多、葉が小さく黄色っぽいなら乾燥か根詰まりです。葉裏の銀白色が薄くなって緑っぽく見えるときは日照不足のことがあります。実が小さく数だけ多いのは摘果不足で、渋みが強いのは採るのが早いか日照不足です。症状から原因を絞り、肥料を減らすか、場所と水を見直すかを判断します。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 枝が真上に勢いよく伸び花が少ない | 窒素過多 | 肥料を止め、徒長枝を横に引くか切る |
| 葉が小さく黄色っぽい | 乾燥、鉢の根詰まり | 水やりを増やす、冬に根を切って植え直す |
| 葉裏の銀色が薄く緑っぽい | 日照不足 | 日当たりのよい場所へ、混んだ枝を間引く |
| 実が小さく数だけ多い | 摘果不足、枝の混みすぎ | 五月の摘果、冬の剪定 |
| 実が渋い | 採るのが早い、日照不足 | 濃い赤になるまで待つ、日当たりを確保 |
実がつかないときの立て直し
花が咲かないのは、木が若い、日陰、肥料の与えすぎ、強い剪定のどれかです。花は咲くのに実がつかないなら、ビックリグミの受粉樹不足がもっとも多く、次いで開花中の雨や低温です。実がついたのに六月に落ちるなら、水切れと春の肥料を疑います。順番に確かめると原因が絞れ、翌年の対策が決まります。グミは三年目から実がつき始める木なので、二年目までは実がなくても正常です。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 若い、日陰、肥料過多、強剪定 | 三年待つ、日当たり確保、肥料を止める、弱い剪定 |
| 花は咲くが実がつかない | ビックリグミの受粉樹不足、開花中の雨 | ナツグミを添える、筆で受粉 |
| 六月に実が落ちる | 水切れ、春の肥料、つけすぎ | 五〜六月の水やり、春の肥料を止める、摘果 |
| 実が小さいまま止まる | 枝の混みすぎ、根詰まり | 冬の剪定、鉢の植え替え |
グミの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
グミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグミの育て方にまとめています。
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