場所は日当たりを最優先にする
グミは根に空気中の窒素を取り込む菌を共生させており、肥料の少ないやせた土でも育ちます。土質は選びませんが、日照だけは欠かせず、日陰では花が咲かず実がつきません。乾燥にも強いので、庭の南側や西側の日当たりのよい場所に向きます。落葉種は高さ二〜四メートルになるので、境界から一・五メートル以上離します。
| 場所 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 南向きの一日中日なた | 最適 | 花つきがよく実が甘くなる |
| 西日が当たる乾いた場所 | 向く | 乾燥に強く、ほかの果樹が育ちにくい場所でも育つ |
| 午前中だけ日が当たる | やや向く | 実は減るがつく |
| 建物の北側の日陰 | 不向き | 花が咲かず、枝が間延びする |
| 水はけの悪い低い場所 | 不向き | 根腐れしやすい |
やせ地で育つので、肥料をやりすぎると枝ばかり伸びて実がつきません。植え付け時の元肥(植え付け前に土へ混ぜておく肥料)も少量にします。
地植えの手順
落葉種の植え付けは落葉後の十一月から三月で、関東なら二月下旬から三月上旬がもっとも根付きやすい時期です。常緑のナワシログミは三月から四月か九月から十月に植えます。植え穴は直径と深さ四十〜五十センチ掘り、腐葉土を混ぜて水はけをよくします。肥料は緩効性の化成肥料を半握り程度にとどめます。植え付け後は幹を五十センチほどで切り戻すと、低い位置から枝が出て扱いやすい樹形になります。
- 植え穴に腐葉土を混ぜる
- 掘り上げた土に腐葉土をバケツ一杯と緩効性の化成肥料を半握り混ぜます。堆肥は多くても構いませんが、化成肥料は少量にします。
- 根を広げて浅めに植える
- 根を放射状に広げ、ポットの土の高さと同じか少し浅く植えます。深植えすると根が呼吸できず活着が遅れます。
- 幹を五十センチで切り戻す
- 植え付け直後に幹を地上五十センチほどで切ります。根に見合った枝の量になり、切り口の下から枝が出て低い樹形が作れます。
- 水を注いで支柱を立てる
- バケツ一杯の水をゆっくり注ぎ、幹に沿って支柱を立てます。植え付け後一か月は雨がなければ週一回水を与えます。
鉢植えの手順
鉢植えは八号鉢から始め、二〜三年ごとに一回り大きくして十〜十二号鉢で仕上げます。用土は赤玉土七に腐葉土三の水はけのよい配合が目安で、市販の果樹用培養土でも構いません。乾燥に強いので、鉢植えでもほかの果樹より水やりの回数は少なくて済みますが、実がふくらむ五月から六月だけは乾かさないようにします。
| 鉢の大きさ | 株の目安 | 管理 |
|---|---|---|
| 八号鉢 | 一〜二年生苗の一年目 | 幹を五十センチで切り戻し、枝を作る |
| 十号鉢 | 二〜三年目、高さ一メートル前後 | 実をならせ始める、年十〜二十個 |
| 十二号鉢 | 四年目以降 | 三年に一度、根を三分の一切って植え直す |
ビックリグミを鉢で育てるなら、ナツグミの鉢を隣に並べます。開花中に鉢を近づけるだけで受粉できます。
植え付け後一年目の育て方
一年目は実をならせず、枝を育てて骨格を作ります。切り戻した幹から出る枝のうち、方向の違う三〜四本を残し、ほかは根元から欠き取ります。水やりは植え付け後一か月だけ気をつけ、その後は雨に任せて構いません。肥料は六月に緩効性の化成肥料を半握り与える程度で十分です。夏に真上へ勢いよく伸びる枝は八月までに先端を切って、横に広がる枝を優先します。
- 残す枝を三〜四本に絞る
- 五月に幹から出た枝のうち、方向の違う太い三〜四本を残し、ほかは根元から欠き取ります。これが主枝になります。
- 夏の徒長枝を止める
- 真上に五十センチ以上伸びた枝は八月上旬までに先を切ります。徒長(勢いよく間延びして伸びること)した枝には実がつきません。
- 一年目は実を採らない
- 一年目に花が咲いても摘み取ります。根と枝を育てたほうが、二年目以降の収穫が安定します。
根付かないときの原因と立て直し
グミはとても丈夫で、植え付けで失敗することはまれです。芽が動かない、葉が黄色くなって落ちる、といった不調があれば、深植えか水はけの悪さか、植え付け直後の乾燥が原因です。株元の土を指で掘って湿り気を確かめ、湿っているのに元気がないなら深植えや過湿を疑って土を取り除きます。幹が緑で弾力があれば生きているので、翌春まで待ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春に芽が動かない | 植え付け直後の乾燥 | 株元に水を注ぎ、敷きわらで覆う |
| 葉が黄色くなって落ちる | 深植え、水はけの悪さ | 株元の土を取り除き、周りに溝を掘って水を逃がす |
| 枝が細く間延びする | 日照不足 | 日当たりのよい場所へ移植する |
| 葉は茂るが花が咲かない | 肥料の与えすぎ、木が若い | 肥料を止め、二〜三年待つ |
グミは移植にも強く、三年以内の株なら冬に掘り上げて場所を変えられます。日陰に植えてしまったら早めに移します。
グミの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
グミの収穫までのコツは作物ページに
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