まず熟す時期と受粉の要否で分ける
家庭でよく育てられるグミは、落葉性で初夏に熟すナツグミとトウグミ、大実のビックリグミ(ダイオウグミ)、秋に熟すアキグミ、常緑で春に熟すナワシログミの五つです。実の大きさと甘さ、一本で実がつくかどうかが種類で違うので、最初にどれを植えるかで育て方が決まります。ビックリグミは実が大きく人気ですが、一本では実がつきにくいので受粉樹を用意します。
| 種類 | 熟す時期 | 実の大きさと味 | 受粉樹 |
|---|---|---|---|
| ナツグミ | 6月 | 小指の先ほど、甘酸っぱく渋みあり | 一本でつく |
| トウグミ | 6月 | ナツグミよりやや大きく甘い | 一本でつく |
| ビックリグミ(ダイオウグミ) | 6〜7月 | 親指大で甘い、渋みは少ない | ほかのグミが必要 |
| アキグミ | 10〜11月 | 小粒で渋みが強い、加工向き | 一本でつく |
| ナワシログミ(常緑) | 4〜5月 | 小粒で甘酸っぱい、生け垣にも | 一本でつく |
ビックリグミの受粉樹には同じ時期に咲くナツグミかトウグミを使います。アキグミは開花が秋なので受粉樹になりません。
庭とベランダで向く種類
庭に植えるなら、丈夫で一本で実がつくナツグミかトウグミが失敗しません。大きな実を採りたいならビックリグミにナツグミを添えて二本植えます。ベランダの鉢植えなら、樹高が抑えやすく一本で実がつくナワシログミか、鉢でも育つナツグミが向きます。アキグミは高さ三メートルを超えて広がり、実は渋みが強いので、果実酒や鳥を呼ぶ目的で植える人が多いです。
| 目的 | 向く種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 庭で手軽に実を採る | ナツグミ、トウグミ | 一本でつき、病害虫が少ない |
| 大粒の甘い実を採る | ビックリグミにナツグミを添える | 受粉樹があれば親指大の実がつく |
| ベランダの鉢植え | ナワシログミ、ナツグミ | 樹高を抑えやすく一本でつく |
| 生け垣や目隠し | ナワシログミ | 常緑で刈り込みに強い |
| 果実酒や野鳥を呼ぶ | アキグミ | 秋に大量の実がつき、渋みは加工で抜ける |
苗の見方
苗は落葉種なら秋から早春に、ナワシログミは春か秋に出回ります。挿し木か接ぎ木の一〜二年生が中心で、幹が鉛筆より太く、枝の芽がふっくらしているものを選びます。グミの葉裏は銀白色の細かい毛で覆われているのが特徴で、これが見えれば本物のグミです。種類名の札を確かめ、ビックリグミを買うときは同時にナツグミも用意します。
- 種類名の札を確かめる
- グミとだけ書かれた苗は種類がわからず、受粉の要否も判断できません。ナツグミ、ビックリグミなど種類名が明記されたものを選びます。
- 幹の太さと根を見る
- 幹が鉛筆より太く、根鉢を抜いたときに白い細かい根が多いものを選びます。黒い根ばかりの苗は活着が遅れます。
- とげの有無を見る
- ナツグミやアキグミの枝にはとげが出ることがあります。小さな子どもが触る場所に植えるなら、とげの少ないビックリグミやナワシログミを選びます。
ビックリグミの受粉について
ビックリグミは自分の花粉では実がつきにくく、一本だけ植えて花は咲くのに実がつかない相談がもっとも多い種類です。受粉樹としてナツグミかトウグミを二〜三メートル以内に植えるか、鉢植えで隣に置きます。受粉樹が用意できないときは、開花中に別の場所のグミから花のついた枝をもらって、水を入れた瓶に挿してビックリグミの近くに吊るす方法もあります。
- 受粉樹を近くに植える
- ナツグミかトウグミを二〜三メートル以内に植えます。開花が四月から五月でビックリグミと重なることを確かめます。
- 咲いた枝を瓶に挿して吊るす
- 受粉樹がないときは、開花中のナツグミの枝を三十センチほど切り、水を入れた瓶に挿してビックリグミの枝に吊るします。虫が花粉を運びます。
- 筆で花粉をつける
- 晴れた日の午前中に、ナツグミの花の花粉を筆で集め、ビックリグミの花の中心につけます。二日おきに繰り返します。
ビックリグミは実がついても六月に落ちやすい性質があります。受粉樹があっても落ちる年は、水切れと肥料切れを疑います。
種類を間違えたときの立て直し
ビックリグミを一本だけ植えて何年も実がつかない、アキグミを植えたら渋くて食べられなかった、鉢植えにしたら大きくなりすぎた、というのが種類選びの失敗です。ビックリグミには受粉樹を足すか瓶挿しで補い、アキグミは果実酒やジャムに回し、大きくなりすぎた株は冬に枝を半分に切り戻して鉢に収めます。グミは丈夫で、植え替えや強い切り戻しにもよく耐えます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 花は咲くのに実がつかない | ビックリグミ一本のみ | ナツグミを添える、開花中に枝を瓶挿しで吊るす |
| 実が渋くて食べられない | アキグミ、または採るのが早い | 完熟まで待つ、果実酒やジャムにする |
| 鉢で大きくなりすぎた | アキグミやナツグミの放任 | 冬に枝を半分に切り戻し、根も三分の一切って植え直す |
| 常緑と思ったら冬に葉が落ちた | 落葉種を買った | 正常、春に芽が出る |
グミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグミの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。