花が咲く枝を知る
落葉性のグミの花は、前年に伸びた枝の葉のつけ根と、五〜十センチの短い枝に、四月から五月に咲きます。長く伸びた枝の先端側には花がつきにくく、短い枝と枝の中ほどによくつきます。剪定では長い枝を三分の一ほど切り戻して短い枝を増やし、短い枝は残します。常緑のナワシログミは十月から十一月に咲くので、秋の刈り込みは花を落とすことになり、剪定の時期が落葉種と違います。
| 種類 | 花が咲く時期 | 花がつく枝 | 剪定の時期 |
|---|---|---|---|
| ナツグミ、トウグミ | 4〜5月 | 前年枝の短い枝と中ほど | 落葉後の12〜2月と収穫後の7月 |
| ビックリグミ | 4〜5月 | 前年枝の短い枝 | 落葉後の12〜2月と収穫後の7月 |
| アキグミ | 4〜5月 | 前年枝の短い枝 | 落葉後の12〜2月と収穫後の12月 |
| ナワシログミ | 10〜11月 | その年の春に伸びた枝 | 収穫後の5〜6月、秋は切らない |
冬に枝を見て、葉のつけ根の芽が丸くふくらんでいれば花芽です。長い枝でも中ほどに花芽が並んでいれば、先端だけを切ります。
冬の剪定の手順
落葉種の剪定は十二月から二月に行います。まず高さを決めて、それより上に伸びた幹を横枝の上で切り戻します。次に枯れ枝、内側に向かう枝、交差する枝、地面に垂れた枝を根元から切り、株の中まで光が入るようにします。残った長い枝は先端の三分の一を切り戻し、短い枝はそのまま残します。グミは切り戻しに強く、多少切りすぎても翌年には戻るので、混みすぎを恐れず整理します。
- 高さを決めて幹を止める
- 庭なら二〜二・五メートル、鉢なら一・五メートルを目安に、横に出ている枝のすぐ上で幹を切ります。
- 不要な枝を根元から切る
- 枯れ枝、内向きの枝、交差する枝、地面に垂れた枝をつけ根で切ります。枝と枝の間に手が入る程度に空けます。
- 長い枝を三分の一に切り戻す
- 五十センチ以上の枝は先端の三分の一を、外向きの芽の上で切ります。翌年そこから短い枝が出て花がつきます。
- 短い枝は残す
- 五〜十センチの短い枝は花芽なので切りません。密集しているところだけ、弱い枝を間引きます。
収穫後の整理
初夏に実を採り終えた七月に、混み合った部分を軽く整理すると、風通しがよくなって夏の病害虫を防げます。真上に勢いよく伸びる徒長(勢いよく間延びして伸びること)した枝は根元から切るか、横に引いて寝かせます。この時期に伸びる枝が翌年の花をつけるので、切りすぎず、混んだところと徒長枝だけにとどめます。九月以降は切りません。
- 徒長枝を根元から切る
- 七月に真上へ五十センチ以上伸びた枝を根元から切ります。残しても実はつかず、養分を奪うだけです。
- 混んだ枝を間引く
- 葉が重なって影を作る部分の枝を、弱いほうから根元で切ります。株の中に手が入る程度が目安です。
- 八月までに終える
- 九月以降に切ると翌年の花芽を落とし、冬までに傷が治りません。夏の整理は八月上旬までに終えます。
ナワシログミの剪定
常緑のナワシログミは秋に咲いて春に熟すので、剪定の時期が落葉種と逆になります。実を採り終えた五月から六月に刈り込み、その後に伸びた枝に秋の花がつきます。生け垣として使うときも、刈り込みは六月までに済ませ、秋は手を入れません。枝が横に長く伸びてつるのようになる性質があり、伸びすぎた枝は根元から切るか、途中で切り戻して形を保ちます。
| 時期 | 株の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 実が赤く熟す | 収穫、切らない |
| 5〜6月 | 収穫後に新しい枝が伸び始める | 刈り込み、長く伸びた枝の整理 |
| 7〜8月 | 枝が伸びて充実する | 徒長枝だけ切る、それ以外は残す |
| 10〜11月 | 枝先に花が咲く | 切らない |
| 12〜3月 | 実が育つ | 枯れ枝だけ取る |
切りすぎたとき・混みすぎたときの直し方
冬に強く切りすぎると翌年は花が減りますが、グミは勢いよく枝を出すので、その年の夏に伸びた枝を整理して翌冬に弱い剪定をすれば二年で戻ります。逆に何年も切らずに枝が混み合った株は、実が小さく数だけ多くなり、内側の枝が枯れます。この場合は一度に半分まで切っても枯れないので、冬に思い切って古い枝を根元から抜き、光を入れます。
| 失敗 | 起こること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 強く切りすぎた | 翌年の花が減る | 夏の徒長枝を整理し、翌冬は枯れ枝だけ切る |
| 何年も切らず混みすぎた | 実が小さく、内側の枝が枯れる | 冬に古い枝を半分まで根元から抜く |
| ナワシログミを秋に刈った | 花を落として春の実がない | 翌年は六月までに刈り込む |
| 短い枝を切った | その年の花が減る | 長い枝の切り戻しだけ続け、短い枝が増えるのを待つ |
太い枝を切ったときは切り口に癒合剤を塗ります。グミは切り口から枯れ込みにくい木ですが、直径三センチを超える切り口は保護しておくと安心です。
グミの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
グミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグミの育て方にまとめています。
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