水は土が乾いてから
アイスプラントは葉に水をためる作物で、乾燥にはかなり強く、逆に湿りに弱い性質です。土が湿ったままだと根が腐り、株元から倒れます。
土の表面が乾いて白くなり、指を入れて二センチほど乾いていたら与える、という決め方にすると与えすぎを防げます。多肉植物に近い感覚です。
葉の表面にある粒は水をためる袋です。ここが張っているうちは水が足りている目安になり、しぼんで見えたら与えどきだと判断できます。
| 状態 | 水やり | 理由 |
|---|---|---|
| 土の表面が湿っている | 与えない | 根が傷む原因になる |
| 表面が乾いて指で2センチ乾く | たっぷり与える | 根まで水を行き渡らせる |
| 葉がしんなり垂れる | すぐ与える | 水が切れている合図 |
| 株元が黒く柔らかい | 水を止める | すでに腐りが始まっている |
株元に水をためない
葉が密に重なる作物なので、上から水をかけると株の中心に水がたまります。そこから蒸れて腐りが広がるので、水は株元の土へ静かに注ぎます。
特に秋から冬にかけては、夜のうちに乾かないまま気温が下がります。水やりは晴れた日の午前中に済ませ、夕方から夜には与えないようにします。
- 土に直接注ぐ
- じょうろの先を株元の土に近づけ、葉にかけずに注ぎます。葉に水をかける必要のない作物だと覚えておきます。
- 午前中に与える
- 日が高くなる前に与え、日中に表面を乾かします。夕方の水やりは蒸れと腐りの元になります。
- 受け皿の水を捨てる
- 底から出た水をためたままにすると根が傷みます。与えたあと三十分ほどで受け皿を確かめ、残っていれば捨てます。
塩水は薄く、容器栽培で
アイスプラントの塩気は、根が土の中の塩分を吸い上げて葉にためることで生まれます。薄い塩水を与えると、その味がはっきりしてきます。
ただし塩は土に残り、他の作物が育たなくなります。塩水を使うのは鉢やプランターに限り、その土は畑に戻さないようにします。露地の畑では与えません。
- ごく薄い塩水を作る
- 水一リットルに塩を小さじ半分ほど溶かします。海水に近い濃さにすると株が枯れるので、必ず薄くします。
- 収穫の二週間前から
- 苗のうちは真水で育て、収穫が近づいてから週に一度、真水の代わりに与えます。生育は少し遅くなります。
- 使った土は再利用しない
- 塩の残った土は他の作物に使えません。次の年は新しい土に入れ替え、古い土は畑に戻さず処分します。
- 葉が縮んだらやめる
- 葉が小さく縮む、色が濃くなりすぎるといった変化が出たら濃すぎます。真水だけに戻して様子を見ます。
塩水を与えなくても、粒のきらめきと独特の食感は楽しめます。無理に使わなくても構いません。
肥料は控えめでよい
肥料が多いと葉が大きく柔らかくなり、独特のしゃきしゃきした食感が弱まります。また株が茂りすぎて内側が蒸れ、株元から傷む原因にもなります。
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、収穫を始めてから月に一度、薄めた液体肥料を与える程度で十分です。粒状の肥料を株元に置くと効きすぎることがあります。
葉の色を見て決めます。濃い緑で厚みがあれば足りているので与えません。全体に色が薄く、新しい葉が小さいときだけ薄い液体肥料を足します。
- 薄めて与える
- 表示された倍率よりさらに薄めて使います。濃いと根が傷み、葉が水っぽくなって食感が落ちます。
- 株元の土に与える
- 葉にかからないよう土へ注ぎます。かかったときは、そのままにせず霧吹きの水で流しておきます。
| 時期 | 与えるもの | 量の目安 |
|---|---|---|
| 植え付けまで | 与えない | 土に含まれる分で足りる |
| 収穫開始後 | 薄めた液体肥料 | 月に1回 |
| 真夏と真冬 | 与えない | 株が動かない時期のため |
摘心して枝数を増やす
株がある程度大きくなったら、先端を摘むと枝分かれが増え、収穫できる葉の数が増えます。摘心(先端を摘んで枝分かれを促すこと)は一度で十分です。
摘んだ先端はそのまま食べられます。柔らかくて味もよい部分なので、最初の収穫として使うつもりで摘むと、切ることへのためらいがなくなります。
- 背丈が十五センチで摘む
- 中心の茎が伸びて十五センチほどになったら、先端から三センチほどを指で摘み取ります。
- わき芽が伸びるのを待つ
- 摘んで一週間ほどで、葉の付け根から新しい枝が出ます。それが伸びたら収穫を始められます。
- 摘みすぎない
- 何度も先端を摘むと株が消耗します。摘心は一度にとどめ、あとは外側の葉を収穫していきます。
株元から溶けるように枯れるときは
アイスプラントでいちばん多い失敗が、株元が黒く柔らかくなって崩れることです。原因はほぼ水のやりすぎと蒸れで、病気というより育て方の問題です。
一度崩れ始めた株は戻りません。周りの株に広がる前に抜き取り、水やりの間隔と株の間隔の両方を見直すのが立て直しの手順です。
- 傷んだ株を抜く
- 株元がぶよぶよする株は抜き取ります。残しておくと隣の株の株元まで湿りが移ります。
- 混んだ葉を減らす
- 地面に接している下の葉を取り、株元に風が通るようにします。これだけで広がりが止まります。
- 水やりの間隔をあける
- 次に与えるまでの日数を一日から二日延ばします。しおれるまで待つくらいでちょうどよい作物です。
梅雨と真夏は屋根のある場所へ移します。雨に当て続けるのが、この作物にとっていちばんの負担になります。
アイスプラントの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
アイスプラントの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアイスプラントの育て方にまとめています。
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