一年の流れを先に見る
セリは一度植えれば数年穫れる多年草です。九月から十月に植えて冬に根を広げ、三月から四月に収穫の山が来ます。夏は生育が止まるので、この時期は穫らずに株を守る期間だと考えます。
| 月 | 主な作業 | 見ておく点 |
|---|---|---|
| 3月 | 春の収穫開始、肥料を1回 | 草丈が15センチを超えたか |
| 4月 | 収穫の最盛期、刈ったら水を足す | 刈るのは株の半分まで |
| 5〜6月 | 収穫を続ける、株元を覆う | 茎が固くなってきていないか |
| 7〜8月 | 収穫を休む、日よけと水やり | 葉が焼けたり枯れたりしていないか |
| 9〜10月 | 株分けと植え付け、肥料を1回 | 地面をはう茎に根が付いているか |
| 11月 | 秋の新芽を少しずつ穫る | 冬に向けて株が充実しているか |
| 12〜2月 | 水を切らさない、枯れ葉は残す | 土が完全に乾いていないか |
三月から六月の収穫期
三月に新しい芽が動き出したら肥料を軽く与え、草丈十五センチを超えたら収穫を始めます。四月が最盛期で、刈ったところから二、三週間で次の芽が伸びるので、順に回して穫ります。
五月から六月は茎が固くなってきます。柔らかいうちに穫り切り、以降は無理に穫らずに株を茂らせて、夏を越す力を蓄えさせるほうが翌年につながります。
この時期の目安は、四月末までに二回か三回は刈れていることです。刈るほど新しい芽が出るので、遠慮して置いておくより、順に回して穫ったほうが柔らかい茎を長く楽しめます。
- 3月に肥料を与える
- 新芽が動き始めたころ、化成肥料を一平方メートルあたり三十グラムほど株のまわりにまきます。
- 15センチで刈り始める
- 地際二センチを残して刈ります。株の半分だけにして、残りは次の伸びのために置きます。
- 6月に穫り納めにする
- 茎が固くなったら収穫を止めます。以降は葉を茂らせて、夏を越すための力を蓄えさせます。
七月から八月の守り方
真夏はセリにとってつらい時期です。生育が止まり、葉が黄色くなって枯れ込むこともありますが、根は生きているので、水を切らさずに秋を待てば必ず戻ってきます。
この時期にすることは水やりと日よけだけです。株元に落ち葉や刈り草を厚く敷いて地温を下げ、強い直射が当たる場所では寒冷紗をかけます。肥料は与えません。
- 朝夕に水をやる
- 土を乾かさないことが唯一の仕事です。容器なら受け皿の水が空になっていないか朝夕に確かめます。
- 株元を厚く覆う
- 刈り草や落ち葉を厚さ五センチほど敷きます。地温が下がり、株の傷みがはっきり減ります。
- 枯れた葉を取り除く
- 黄色くなった葉は付け根から取ります。残すと蒸れて、その部分から腐ることがあります。
夏に地上部がなくなっても抜かないでください。九月になると株元から新しい芽が出てきます。
九月から十一月の株分けと植え付け
暑さが引く九月から十月が、株分けと植え付けの適期です。地面をはう茎を掘り上げて節ごとに分け、間隔を空けて植え直すと、冬の間に根が広がって翌春の収穫が変わります。
植え付けのあとに肥料を軽く与えると、秋のうちに株が充実します。十一月には新しい芽が伸びてくるので、少量ずつなら摘んで薬味に使えます。
| 時期 | 作業 | 終わったあとの目安 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 夏の枯れ葉を片づける | 株元から新芽が見えてくる |
| 9月下旬〜10月 | 株分けして植え直す | 2〜3週間で新しい葉が立ち上がる |
| 10月 | 肥料を1平方メートルあたり30グラム | 葉の色が濃くなり株が広がる |
| 11月 | 新芽を少量ずつ摘む | 冬までに株全体が茂る |
十二月から二月の冬越し
セリは寒さに強く、関東平野部なら特別な防寒は要りません。地上の葉が枯れても根は生きていて、春には必ず芽を出します。枯れた葉はそのまま残すと寒さよけになります。
冬に気をつけるのは乾きだけです。雨や雪があれば足りますが、晴れが続いたら三、四日に一度は水を与えて、土を完全に乾かさないようにします。
- 枯れ葉を残す
- 冬の間は株元の枯れ葉をそのままにします。寒さよけになり、春の芽出しがそろいます。
- 乾いたら水をやる
- 晴れが続いたら土を触って確かめ、乾いていれば与えます。凍る朝は避け、日が高くなった昼に与えます。
- 2月に枯れ葉を片づける
- 新芽が動き出す前に古い葉を取り除きます。日が地面に届くようになり、春の芽出しがそろって早まります。
作業が遅れたときの取り戻し方
セリは多年草なので、一年の作業が遅れても翌年に取り返せます。遅れた作業ごとに、いま何をすれば次の春につながるかを決めておくと迷いません。
| 遅れた作業 | 起きること | 取り戻し方 |
|---|---|---|
| 株分けが11月にずれた | 根の広がりが間に合わない | 春先の3月に分け直す。収穫は初夏から |
| 夏に水を切らした | 地上部が枯れる | 秋まで水を与えて待つ。根が生きていれば戻る |
| 収穫を6月まで続けた | 株が疲れて夏に弱る | 以後は穫らず、秋の株分けで更新する |
| 何年も分けずに置いた | 茎が細く香りも弱い | 秋に掘り上げて節ごとに分け、間隔を空けて植える |
セリの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
セリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はセリの育て方にまとめています。
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