地植えと鉢植えで水やりの考え方を変える
地植えのジューンベリーは根付いてしまえば水やりはほぼ不要です。植えてから二年間と、真夏に十日以上雨が降らないときだけたっぷり与えます。鉢植えは根が浅く広がる性質が災いして乾きやすく、夏は毎日必要です。葉が垂れたら水切れの合図で、放置すると葉を落として翌年の花芽が減ります。
| 時期 | 鉢植えの目安 | 地植えの目安 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 表面が乾いたら、二〜三日に一回 | 植えて二年以内は週一回 |
| 6月〜9月 | 毎日、猛暑日は朝夕 | 十日晴れが続いたらたっぷり |
| 10月〜11月 | 表面が乾いてから一日後 | 不要 |
| 12月〜2月 | 週一回、暖かい日の午前 | 不要 |
鉢植えの水切れは、実が付いている五月から六月に起きると実がしなびて落ちます。この時期だけは朝の水やりを欠かさないようにします。
夏の乾燥から浅い根を守る
根が浅いので、株元の土が乾くと直接影響します。地植えでも鉢植えでも、株元をバークチップや腐葉土で厚さ三センチほど覆うと、乾燥と地温の上昇を抑えられます。西日が強い場所では葉の縁が茶色く焼けることがありますが、根が乾いていなければ樹は弱りません。
- 株元を覆う
- 幹から手のひら一つ分空けて、枝先の真下までバークチップか腐葉土を敷きます。雑草も減り、根が守られます。毎年春に足します。
- 株元に草花を植えない
- 浅い根と水を取り合うので、株元に草花を密に植えるのは避けます。植えるなら幹から五十センチ以上離します。
- 鉢は日陰に置く手もある
- 鉢植えは八月だけ午後に日陰になる場所へ移すと水切れが減ります。実はすでに採り終えているので日照が減っても問題ありません。
肥料は冬の寒肥と収穫後の礼肥
肥料は年に二回で十分です。一月から二月に与える寒肥(冬の間に効かせる肥料)が主で、有機質の油かすや堆肥を株の周りに埋めます。六月の収穫後に礼肥として化成肥料を少量与えると、翌年の花芽が充実します。肥料をやり過ぎると枝ばかり伸びて花が減るので、少なめを守ります。
| 月 | 肥料の種類 | 地植え (樹高2メートル) の目安 | 鉢植え十号の目安 |
|---|---|---|---|
| 1月〜2月 | 油かす・堆肥 (寒肥) | 油かす二百グラムと堆肥バケツ一杯 | 油かす三十グラム |
| 6月下旬 | 化成肥料 (礼肥) | 五十グラム | 十グラム |
| 9月以降 | 与えない | 秋の肥料は枝を軟らかくし寒さに弱くする | 同じ |
追肥の置き方
追肥(育ちの途中で足す肥料)は幹のそばではなく、枝先の真下の地面に与えます。ジューンベリーの細根は枝先の下に多く、幹のすぐそばにまいても吸えません。寒肥は枝先の下に数か所穴を掘って埋め、礼肥は表面にまいて軽く土と混ぜます。
- 寒肥は穴を掘って埋める
- 枝先の真下に深さ二十センチの穴を三〜四か所掘り、油かすと堆肥を混ぜて入れて土を戻します。根を少し切っても冬なので問題ありません。
- 礼肥は表面にまく
- 収穫後の六月下旬に、枝先の下に化成肥料を一周まいて土と軽く混ぜ、水をやります。七月以降に与えると徒長の原因になります。
- 鉢植えは縁に置く
- 鉢の縁に沿って固形の油かすを四か所置くか、粒状肥料を一周まいて軽く混ぜます。液体肥料は使わなくても育ちます。
葉の色で足りないものを見分ける
ジューンベリーの葉は春に緑、秋に赤や橙に紅葉します。生育期の葉色が薄い、小さい、縁が枯れるといった変化は、水と肥料の過不足か根の異常の合図です。どの葉がどう変わったかを見て判断します。
| 見た目 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が小さく全体に薄い緑 | 肥料不足 | 六月の礼肥を規定量に、翌冬の寒肥を増やす |
| 葉脈だけ緑で間が黄色い | マグネシウム不足か土のアルカリ | 苦土石灰はやめ、鉄入り肥料を試す |
| 夏に葉の縁が茶色く枯れる | 西日と乾燥 | 株元を覆い、午後に日陰になる場所へ |
| 春に葉が出ても小さいまま止まる | 根傷み、深植え | 根元の土を除き、水はけを見直す |
| 夏に葉が黄色くなって落ちる | 水切れの後遺症 | 水を切らさず翌年の回復を待つ |
実が付かない・落ちるときの切り分け
花は咲くのに実が少ない、実が小さいうちに落ちる、という相談が多い果樹です。多くは樹の若さか、開花期から肥大期の乾燥、肥料の与え過ぎのどれかです。年数と株の姿を見て原因を切り分けます。
- 植えて三年以内なら待つ
- 実が本格的に付くのは植えてから三〜四年目からです。若木は花が咲いても実が少なく、落ちやすいのが普通です。
- 五月に落ちるなら水を疑う
- 花のあと小さな実が急に落ちるのは、開花期の乾燥が原因のことが多いです。鉢植えは毎日、地植えも五月に雨が少なければ週一回たっぷり与えます。
- 枝ばかり伸びるなら肥料を減らす
- 葉が濃い緑で枝が長く伸びるのに花が少ないなら肥料過多です。翌年の寒肥を半分に減らし、礼肥をやめます。
- 鳥に食べられているだけのことも
- 実が付いたのに気付いたら消えているなら鳥です。色づき始めた五月中旬にネットをかければ翌年から解決します。
ジューンベリーの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ジューンベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はジューンベリーの育て方にまとめています。
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