残す枝と抜く枝を見分ける
ジューンベリーは前年に伸びた短い枝の先に花芽を付けます。冬に枝先を刈り込むと花芽を落とすので、剪定は先端を切り詰めるのではなく、混んだ枝や古い幹を根元から抜く間引きが中心です。枝先の丸くふくらんだ芽が花芽、細く尖った芽が葉芽です。
| 枝の姿 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 前年伸びた短い枝、先に丸い芽 | 残す | 花芽が付いている |
| 真上に長く伸びた太い枝 | 根元から抜く | 花が付かず高さが出る |
| 内側に向かう枝、交差する枝 | 根元から抜く | 風通しを悪くする |
| 株元から出た細いひこばえ | 二〜三本残して抜く | 将来の幹の更新用 |
| 五年以上たった太い古幹 | 数年に一本ずつ抜く | 若い幹に世代交代させる |
時期は落葉後の十二月から二月
落葉して枝の姿がよく見える十二月から二月に剪定します。花芽がふくらみ始める三月以降は避けます。夏に伸び過ぎた枝を軽く整えるのは六月の収穫後なら問題ありませんが、太い枝を夏に切ると切り口から枯れ込みます。
切る量の目安は全体の二割までです。それ以上抜くと翌年に徒長枝(勢いよく真上に伸びる、花の付かない枝)ばかりが出て、樹形も花付きも崩れます。迷ったら切らずに翌年に回します。
- 枯れ枝と細い枝を落とす
- 枯れた枝と、鉛筆より細く光の当たらない内側の枝を根元から切ります。ここまでで全体の風通しが良くなります。
- 上へ伸びた強い枝を抜く
- 前年に真上へ一メートル近く伸びた枝は花が付きにくく高さの原因です。根元から抜くか、外向きの枝の分かれ目まで切り戻します。
- 高さを決めて頭を止める
- 目標の高さ (三メートル以下が目安) を超えた幹は、外向きの枝の分かれ目で切ります。幹の途中でぶつ切りにすると、そこから枝が乱れて伸びます。
- 太い切り口に癒合剤を塗る
- 直径二センチ以上の切り口には癒合剤を塗って乾燥と菌の侵入を防ぎます。ジューンベリーは切り口の治りが遅い樹です。
株立ちは幹を入れ替えて若く保つ
株立ちの幹は古くなるほど実付きが落ち、根元が混んで風通しが悪くなります。幹を五本から七本に保ち、毎年か二年に一本、最も古い太い幹を根元から抜いて、株元から出た若いひこばえを後継に育てます。これを繰り返すと樹が若く保たれ、高さも抑えられます。
- 幹の本数を数える
- 七本を超えていたら、最も古い幹か内側で混んでいる幹を一本抜きます。一度に二本以上抜くと株が弱ります。
- 後継のひこばえを選ぶ
- 株元から出た若い幹のうち、外側に向かって伸びる勢いの良いものを二〜三本残します。ほかは地際で切ります。
- 古い幹は地際で切る
- 抜く幹は地面すれすれで切ります。切り株を残すとそこから細い枝が多数出て、株元が混みます。
一本立ちの整え方
一本立ちは放任すると四メートルを超えます。若木のうちに二メートル前後で主幹の先を止め、そこから出る枝を横に広げると、脚立なしで収穫できる高さに収まります。主幹の先を止めるときは、外向きの枝の分かれ目で切り、その枝を新しい先端として伸ばします。
一本立ちの主幹を止めるのは三月に芽がふくらむ前です。芽が動き出してから切ると、切り口の下から何本も枝が出て手が付けられなくなります。
| 年数 | 作業 | 狙い |
|---|---|---|
| 植え付け〜2年目 | 枯れ枝を落とすだけ | 根を張らせる |
| 3〜4年目 | 主幹を二メートル前後で止める | 高さを決める |
| 5年目以降 | 内向き枝と強い立ち枝を抜く | 光と風を通し実付きを保つ |
収穫後の軽い整枝
六月の収穫が終わったら、実に手が届かなかった高い枝や、伸び過ぎて邪魔な枝を軽く整枝(枝を整えて樹の形をそろえること)します。太い枝は切らず、その年に伸びた枝の先を三分の一ほど切り戻す程度に留めます。八月以降は翌年の花芽が作られるので触りません。
- 六月中に済ませる
- 収穫直後の六月なら、切った枝からわき芽が伸びて翌年の花枝になります。七月以降に切ると新しい枝が冬までに充実せず、花が付きません。
- 切るのは新しい枝だけ
- その年に伸びた緑がかった枝の先端だけを切ります。前年より古い枝を夏に切ると、切り口が乾いて枯れ込みます。
高くなり過ぎた・花が減ったときの立て直し
何年も放任して手が届かなくなった樹や、切り過ぎて花が減った樹も、二〜三年かければ戻せます。一度に強く切り戻すと株が弱り、翌年は徒長枝(勢いよく真上に伸びる、花の付かない枝)ばかりになるので、年ごとに分けて進めます。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 四メートル以上で手が届かない | 長年の放任 | 三年計画で毎冬一本ずつ古い幹を抜く |
| 枝先を刈り込んで花が咲かない | 花芽を切り落とした | 翌年は間引きだけにして春を待つ |
| 真上に長い枝ばかり伸びる | 強く切り過ぎた | 冬に長い枝を根元から抜き、切る量を減らす |
| 株元が混んで内側が枯れる | 幹の入れ替えをしていない | 古い幹を毎年一本ずつ地際で抜く |
| 切り口から枝が枯れ込む | 夏に太い枝を切った | 冬に生きた部分まで切り直し癒合剤を塗る |
ジューンベリーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ジューンベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はジューンベリーの育て方にまとめています。
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