水と肥料で味が変わる
からし菜の辛味は、乾燥と低温、そして株の充実で強くなります。水を切らして育てると硬くて辛すぎる葉になり、逆に水と肥料を与えすぎると水っぽく辛味のぼやけた葉になります。
目指すのは、土を乾かしすぎず、肥料は控えめという中間です。露地なら雨まかせでほぼ足り、プランターでは乾きが早いぶん水やりの管理が味を左右します。
| 状態 | 葉の仕上がり | 手当て |
|---|---|---|
| 水が足りない | 小さく硬く、辛味が強すぎる | 株元を覆い、乾く前に与える |
| 水と肥料が多い | 大きく軟らかいが味が薄い | 肥料を止めて様子を見る |
| ちょうどよい | 厚みがあり辛味が心地よい | この状態を保つ |
露地での水やり
秋まきの露地栽培では、まいてから発芽までを除けば、水やりはほとんど必要ありません。根が深く張るので、雨の間隔があいたときだけ株元にたっぷり与えれば十分です。
気をつけるのは十月から十一月の乾いた晴天が続くときです。この時期に水が切れると葉が硬くなり、辛味が立ちすぎて食べにくくなります。
秋まきの露地では、種まきの時期に台風や秋雨が重なることがあります。雨が続くときは水をやる必要はなく、むしろ畝の排水を確かめるほうが大事です。水がたまる畑は畝を高くします。
- 発芽までは毎日
- まいてから芽が出そろうまでは、表土を乾かさないように毎朝軽く与えます。強い水流は種を流すのでじょうろの先を上に向けます。
- 根づいたら控える
- 本葉が五枚を超えたら、雨が一週間ないときだけ与えます。与えすぎると根が浅く張り、寒さに弱い株になります。
- 株元を覆う
- 刈り草やもみ殻を株元に敷くと、乾きと泥はねを同時に防げます。冬は霜よけにもなります。
プランターでの水やり
プランターは土の量が少なく、秋の晴れた日には一日で乾きます。乾いたら鉢底から流れ出るまで与える、という切りかえのはっきりしたやり方が向いています。
少量を毎日与えると、鉢の下半分が乾いたままになって根が育ちません。回数ではなく一回の量で調整すると、根が深くまで伸びて株がしっかりします。表面だけを湿らせる水やりが、いちばん多い失敗です。
- 表土の色で判断する
- 表面が白っぽく乾いたら与えどきです。迷ったら指を第二関節まで差し、湿っていればもう一日待ちます。
- 流れ出るまで与える
- 鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。受け皿の水は毎回捨て、ためたままにしません。
- 冬は昼前に与える
- 夕方に与えると夜のうちに土が冷え切り、根の動きが止まります。気温の上がる昼前に、ためておいたぬるい水を与えると根が傷みません。
追肥のやり方
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、二回目の間引きのあとに一回、その三週間後にもう一回で十分です。かき取って長く収穫するなら、採るたびに少量ずつ足していきます。
肥料が多すぎると葉が軟らかくなり、アブラムシやアオムシがつきやすくなります。虫が多い年ほど、肥料を控えるほうが結果として被害が減ります。
- 条の間にまく
- 化成肥料を一平方メートルあたり三十グラム、条と条の間にまいて軽く土と混ぜます。葉にかからないようにします。
- 土を株元に寄せる
- 肥料を混ぜたあと、土を株元に軽く寄せます。株が安定し、根も広がりやすくなります。
- 鉢は液体肥料で
- プランターでは薄めた液体肥料を二週に一度与えます。水やりで流れ出やすいので、少量をこまめに足します。
収穫の直前に肥料を与えると、葉に肥料の味が残ることがあります。採る一週間前からは与えません。
寒さに当てて味を良くする
からし菜は寒さに強く、霜に当たると葉がやわらかくなって甘みも増します。防寒しすぎると、この持ち味が出ないままになります。関東平野部なら露地のまま冬を越せます。
とはいえ何度も凍って解けるのを繰り返すと、葉が傷んで水っぽくなります。厳しい冷え込みが続くときだけ、不織布を軽くかけて守ります。
- 不織布を浮かせてかける
- 葉に直接触れないよう、支柱で浮かせて不織布をかけます。触れた部分は凍って傷むことがあります。
- 晴れた日は外す
- 暖かい日中まで覆ったままだと蒸れます。気温が上がる日は昼に外し、夕方にかけ直します。
| 時期 | 寒さへの手当て | 味の変化 |
|---|---|---|
| 11月 | 何もしない | 辛味がのり始める |
| 12月〜1月 | 強い霜の日だけ不織布 | 葉が厚くなり甘みが出る |
| 2月 | 不織布で保温 | とう立ちに備え早めに採る |
葉が硬い、辛すぎるときの直し方
収穫した葉が硬くて食べにくいときは、育て方と採り方の両方を見直します。水不足、採り遅れ、株の老化のどれが原因かで、次にすることが変わります。
すでに硬くなった葉は、育て方を直しても柔らかくは戻りません。次に出る葉のために原因を直し、硬い葉は刻んで炒めるか塩漬けにして使い切ります。
- 水やりを増やす
- 葉が小さく厚くふちが巻いているなら水不足です。株元を覆い、乾く前に与えるように変えます。
- 若いうちに採る
- 草丈三十センチを超えると硬くなります。二十センチから三十センチのうちに外葉から採ります。
- 辛味を和らげて使う
- 辛味が強すぎる葉は、さっとゆでて水にさらすと食べやすくなります。刻んで塩をふり置くと辛味が立つので、その逆をします。
からし菜の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
からし菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はからし菜の育て方にまとめています。
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