秋まきを基本にする
からし菜はアブラナ科の葉物で、ぴりっとした辛味が身上です。春と秋のどちらでもまけますが、失敗が少ないのは秋まきです。気温が下がっていく中で育つと葉が締まり、辛味もよく乗ります。
春まきは、育っている途中で日が長くなり気温も上がるため、とう立ちが早く来ます。虫の出方も春のほうが激しいので、初めてなら九月から十月にまくのが安全です。
| 時期 | まき方 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月中旬〜4月上旬 | 露地に直まき | とう立ちが早い。若採り向き |
| 9月上旬〜9月下旬 | 露地に直まき | 最も育てやすい。大株にできる |
| 10月上旬〜10月中旬 | 直まきかトンネル | 生育が遅い。冬越しさせて春に採る |
| 10月下旬以降 | 室内やトンネル | ベビーリーフとして若採りする |
土づくりと畝の準備
アブラナ科は酸性の土が苦手で、酸度が低いままだと根こぶ病が出やすくなります。まく二週間前に苦土石灰をまいて耕し、土の酸度をやわらげておくと生育が安定します。
元肥(まく前に土に混ぜておく肥料)は控えめが正解です。窒素が多いと葉が軟らかく茂りすぎ、アブラムシやアオムシを呼び込みます。堆肥をしっかり入れて土そのものを作るほうが結果がよくなります。
- 二週間前に石灰
- 一平方メートルあたり百グラムほどの苦土石灰をまいて、深さ二十センチまで耕します。前作がアブラナ科なら場所を変えます。
- 一週間前に堆肥
- 完熟堆肥を一平方メートルあたり二キロと、化成肥料を七十グラムほど混ぜます。土がふかふかになるまでよく耕します。
- 平らな畝を立てる
- 幅六十センチ、高さ十センチの畝を作ります。表面を板でならして平らにすると、種が流れずまき溝も作りやすくなります。
プランターなら市販の野菜用培養土をそのまま使えます。深さ二十センチ以上のものを選ぶと、大株まで育てられます。
すじまきで薄くまく
からし菜の種は直径一ミリほどの小さな粒です。深さ一センチの溝を作り、一センチ間隔で落としていくすじまきが基本になります。厚くまくと間引きが大変になり、薄すぎると欠株ができます。
覆土は五ミリほどの薄さにします。かぶせすぎると芽が土を持ち上げられず、発芽が揃いません。まいたあとは手のひらで軽く押さえ、種と土を密着させてからたっぷり水を与えます。
- まき溝を作る
- 支柱や板の縁を土に押しつけ、深さ一センチのまっすぐな溝を作ります。溝と溝の間は二十センチから三十センチあけます。
- 一センチ間隔で落とす
- 種を指先でつまみ、こすり合わせながら溝に落とします。一か所に固まったら指でならして均一にします。
- 薄く覆って押さえる
- 両側の土を寄せて五ミリかぶせ、手のひらで軽く押さえます。押さえすぎると固まって発芽が遅れます。
- まいた日にネットをかける
- 水を与えたらすぐ防虫ネットをかけます。芽が出てからでは、すでに虫が卵を産みつけたあとになります。
残す株の選び方
間引きで残すのは、背が高い株ではなく、茎が太くて節の詰まった株です。徒長(日ざし不足で茎が細長く伸びること)した株を残すと、その後もひょろひょろのまま育ちます。
葉の形が品種どおりに出ているかも見ます。リアスからし菜なら深い切れ込み、赤からし菜なら赤みの濃さが基準です。特徴の薄い株は先に抜いて構いません。
- 太い株を残す
- 茎の付け根を見て、太くてがっしりした株を残します。同じ高さなら太いほうが根も育っています。
- 傷んだ葉を優先して抜く
- 虫食いや変色のある株から先に抜きます。病気の株を残すと、周りの株にも広がります。
- 抜かずに切る
- 混んだ場所は引き抜かず、はさみで地際を切ります。残す株の根が動かず、そのまま育ちが続きます。
間引きは三回に分ける
二十度前後なら三日から五日で芽が出ます。発芽が揃ったら、成長に合わせて三回に分けて間引きます。一度に広くあけると、残った株が風で倒れたり土が乾いて弱ったりします。
最終的な株間は、大株に育てるなら二十センチから三十センチ、若い葉をかき取って使うなら十五センチほどが目安です。ベビーリーフなら間引かず密のまま育てて、はさみで刈り取ります。
| 時期 | 株のようす | 残す間隔 |
|---|---|---|
| 発芽そろい | 双葉が開いたころ | 二センチ |
| 本葉二枚 | 本葉が二枚から三枚 | 五センチ |
| 本葉五枚 | 手のひらほどの大きさ | 二十センチから三十センチ |
間引いた株も辛味のある柔らかい菜として食べられます。根を残さないよう地際で切ると、隣の株の根を傷めません。
芽が出ないときの原因
からし菜は発芽しやすい部類ですが、それでも出ないことはあります。原因は乾き、覆土のかけすぎ、暑さのどれかがほとんどで、種が古いことは案外少ないです。
まき直すかどうかは一週間で判断します。十日待っても出ない場合は、原因を一つ直したうえで、同じ場所にもう一度まくほうが早く収穫にたどりつきます。
- 土の湿りを確かめる
- 指で表面を掘り、五ミリ下が乾いていれば水不足です。発芽までは新聞紙や不織布をかけて乾きを防ぎます。
- 覆土の厚みを見る
- 一センチ以上かぶっていると芽が持ち上がりません。まき直すときは五ミリを守ります。
- 暑さを避ける
- 九月上旬の暑い時期は、地温が三十度を超えると発芽が悪くなります。寒冷紗で日ざしを弱めるか、涼しくなるまで待ちます。
種まきの手順
からし菜は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
からし菜の種まきでよくある質問
からし菜の種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
からし菜の種はどうやってまく?
すじまき / 直まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
からし菜の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
からし菜の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
からし菜は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
からし菜の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
からし菜の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
からし菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はからし菜の育て方にまとめています。
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