収穫サイズの基準
標準は草丈20〜25センチです。これより小さくても食べられますし、大きくしても収穫はできますが、30センチを超えると葉柄が硬くなり、えぐみが出ます。何に使うかで採るサイズを決めます。
草丈は葉の先までではなく、株を軽く立てたときの高さで見ます。外葉が広がって寝ている株は、見た目より育っていることが多く、判断を誤りやすい部分です。
| 草丈 | 状態 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 10センチ前後 | 間引き菜 | 汁物、和え物。柔らかく生でも可 |
| 20〜25センチ | 標準の収穫適期 | おひたし、炒め物。最も扱いやすい |
| 30センチ以上 | 伸びすぎ | 葉柄が硬い。煮物向きに切り替える |
夏は同じ草丈でも葉が硬く辛くなりやすいので、20センチに届いた時点で採ります。日数ではなく姿で判断します。
抜き取りとかき取りの使い分け
収穫には株ごと抜く方法と、外葉を数枚ずつ取る方法があります。畝を早く空けたいなら抜き取り、長く少しずつ食べたいならかき取りで、目的が違います。
- 抜き取りは根を持つ
- 株元を握って真上に引き抜きます。斜めに引くと隣の株の根まで浮くので、列の端から順に抜いていきます。
- 抜けないときは切る
- 根が張って抜けない株は地際にはさみを入れます。無理に引くと土がえぐれ、隣の株が倒れます。
- かき取りは外葉から
- 外側の大きい葉を3〜4枚、株元から折り取ります。中心の若い葉を残せば、そこから伸び続けます。
- 残す葉を数える
- かき取りでは中心の葉を5枚以上残します。取りすぎると株が回復せず、そのまま生育が止まります。
収穫が遅れるとどうなるか
適期を数日過ぎるだけで葉柄が硬くなり、辛みとえぐみが強く出ます。とくに夏まきは日数が短いぶん進行も速く、1週間の遅れが致命的になります。
さらに大きくなった株は葉が重なって蒸れ、白さび病や軟腐が出やすくなります。畝に置いておくと次のまき付けも遅れるので、迷ったら早めに採るほうが得です。
遅れた株を救う方法はありません。硬くなった葉柄は加熱しても柔らかくならないので、細く刻んで煮物や汁物に回すか、次の作の計画を前倒しするかのどちらかになります。
食べ切れないから畑に置いておく、という判断はほぼ裏目に出ます。採ってから冷蔵するほうが、置いたままより長く食べられます。
寒締めで甘くする
小松菜は氷点下の寒さにあたると、細胞が凍らないよう糖を蓄えます。これを利用するのが寒締めで、同じ品種でも味が明らかに変わります。手間は「覆いを外すだけ」です。
- 収穫サイズまで育てる
- 寒締めは仕上げの工程です。10月までにまいて草丈20センチ前後まで育った株を対象にします。
- 12月に被覆を外す
- トンネルやべたがけを外し、株を直接寒さと霜に当てます。ここから2週間ほどで葉が地面に寝て広がります。
- 2週間以上当てる
- 最低気温が0℃を下回る日が続く環境で2週間以上当てます。1回の霜では糖の乗り方が足りません。
- 晴れた日の昼に採る
- 凍ったまま採ると葉が折れて傷みます。日が当たって解けた昼前後に収穫すると、傷まず持ちもよくなります。
寒締めした株は姿が悪く、葉が縮れて地面に貼りつきます。これは傷んでいるのではなく、甘くなっている状態です。
とう立ちが始まったら
春先に日が伸びると、中心から花茎が立ち上がります。とう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)が始まった株は葉が硬くなり、その後は元に戻りません。見つけた時点で採り方を切り替えます。
- 中心の盛り上がりを見る
- 株の中心が丸く盛り上がってきたら、その下で花芽が育っています。この段階なら葉はまだ食べられます。
- つぼみは菜花として使う
- 立ち上がった花茎はつぼみごと折り取ると菜花として食べられます。捨てずに済むうえ、甘みがあります。
- 畝ごと採り切る
- 1株がとう立ちしたら周囲も同時期に来ます。順番に採るのをやめ、まとめて収穫して畝を空けます。
- 翌年のまき時を見直す
- とう立ちした日を記録し、翌年はその1か月前までに採り切る計画にします。品種選びの判断材料にもなります。
収穫後の扱いと保存
小松菜は葉が薄く、収穫した瞬間から水分が抜けていきます。畑での扱いを少し変えるだけで、家に着いたときの状態がまったく違います。
- 朝のうちに採る
- 気温が上がる前に収穫します。日中に採った株は畑を出る前にしおれはじめ、その後の日持ちが短くなります。
- 根を切って泥を落とす
- 株元に土が残ると傷みの起点になります。根を切り、株元を割って流水で洗ってから水気を切ります。
- 立てて冷蔵する
- 湿らせた紙で包み、袋に入れて立てた状態で冷蔵します。寝かせると茎が起き上がろうとして傷みます。
- 多いときは冷凍する
- 固めにゆでて水気を絞り、使う分ずつ小分けにして冷凍します。凍ったまま汁物や炒め物に入れられます。
収穫のつまずきと原因の切り分け
同じようにまいても、硬い、辛い、育たないという年があります。収穫期に現れる不調は、たいてい間引きと収穫の日取りに理由があります。症状から原因をたどると、次の作でそのまま直せます。
- 採る日を決めておく
- まいた日に収穫予定日を書いておきます。畑を見てから決めていると、数日の遅れが積み重なって硬い株になります。
- 一株抜いて確かめる
- 迷ったら端の一株を抜き、株元の太さと葉の硬さを手で確かめます。畝全体の適期が、その一株でだいたい分かります。
- 硬くなった株の使い道
- 硬い葉柄は加熱しても戻りません。細く刻んで汁物や煮物に回すか、外葉だけ落として株元を炒め物に使います。
- 次の作へ直す
- 同じ症状が続くなら、原因は収穫の日ではなく株間か時期です。間引きの回数と、まく月をずらして畝の組み方から直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 葉柄が硬く辛い | 採り遅れと高温 | 二十センチで採り、夏は日数を短く見る |
| 株が立ち上がって細い | 株間が狭く光を奪い合った | 二回目の間引きを早め、五センチはあける |
| 外葉が黄ばんで枯れる | 肥料切れか過湿 | 間引きに合わせて追肥し、畝を高くする |
| 中心が盛り上がって伸びる | とう立ちが始まった | 畝ごと採り切り、つぼみは菜花に回す |
食べ切れないから畑に置くという判断は裏目に出ます。採ってから冷蔵するほうが、味も日持ちもはるかによいです。
小松菜の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
小松菜の収穫までのコツは作物ページに
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