種まきの手順
小松菜はばらまきではなくすじまきにします。列が通っていれば間引きの判断が早く、株元に手を入れて追肥(育てている途中で足す肥料)や中耕ができ、収穫のときも列ごと順に抜けるからです。ばらまきは間引きの取りこぼしが必ず出ます。

溝を切る
板の縁や支柱を土に押しつけ、深さ1センチほどの平らな溝をつくります。溝底が平らだとまき深さがそろい、発芽の早い遅いが減ります。
条間は15〜20センチ
畑なら20センチ、プランターなら15センチが目安です。これより狭いと株が立ち上がって蒸れ、白さび病の出方が変わります。
1センチ間隔でまく
種が重ならないよう1センチ間隔で置いていきます。厚まきは徒長(間のびして弱く伸びること)の直接の原因で、間引きの手間も倍になります。
覆土は5〜10ミリ
溝の両側の土を指で寄せて薄くかけます。小松菜の種は小さく、1センチを超えて深く埋めると発芽がそろわなくなります。
鎮圧してから水をやる
手のひらか板で軽く押さえ、種と土を密着させてからたっぷり水をやります。鎮圧を省くと表土が乾き、発芽が飛び飛びになります。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
種まきの手順
夏まきは日数が最も短い一方で、発芽不良と徒長という別の失敗が待っています。狙いは「地温を下げ、光は確保する」ことで、遮光(日ざしを布などでやわらげること)しすぎると今度はひょろ長い株になります。
夕方にまく
日中の高温を避け、夕方にまいて水をやります。夜のあいだに種が吸水できるので、日中まきより発芽がそろいます。
遮光は発芽までだけ
寒冷紗を浮かせてかけ、地温を下げます。発芽が見えたらすぐ外すか目の粗いものに替えます。かけ続けると徒長します。
まき量を減らす
高温期は徒長しやすいので、まき間隔を1.5センチほどに広げます。厚くまいて後から抜く戦略は夏だけは通用しません。
早めに収穫する
夏は20〜25日で採り切ります。置くほど葉が硬く辛くなり、虫の食害も増えるので、小さめで採るほうが得です。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
種まきの手順
冬は発芽と初期生育が遅く、そのまま露地にまくと1か月たっても本葉が数枚という状態になります。保温資材で地温を確保できるかどうかで、収穫できるかどうかが決まります。
べたがけを直接かける
まいた直後に不織布を株の上に直接かけます。地温と湿度が保たれ、発芽までの日数を数日縮められます。
本葉が出たらトンネル
支柱を差して穴あきポリや不織布のトンネルにします。葉が資材に触れたまま凍ると、その部分が傷むためです。
日中は換気する
晴れた日の昼はトンネルの裾を開けます。閉め切ると内部が高温多湿になり、徒長と病気の温床になります。
日数を60日で見る
11月以降のまきは60日以上を見込みます。年内に採りたいなら10月中にまき終えるのが現実的な線引きです。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
周年まけるが、日数は季節で3倍動く
小松菜は露地で3月から11月までまけて、トンネルを併用すれば真冬もまけます。ただし「いつまいても同じ」ではありません。発芽から収穫までの日数が、夏の20日台から冬の60日超まで、同じ作物とは思えないほど動きます。
理由は生育適温です。小松菜がよく伸びるのはおおむね20〜25℃で、この帯から外れるほど日数が延びます。真夏は日数こそ短いものの葉が薄く辛みが出やすく、冬は伸びそのものが止まって日数だけが延びていきます。
だからカレンダーだけで決めず、まいた日と気温をセットで記録します。8月まきと10月まきでは収穫日が1か月近くずれるので、日数の見込みを外すと畝が空かず、次のまき付けが後ろにずれ続けます。
| まく時期 | 収穫までの日数 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 30〜40日 | 虫が動き出す。ネットが必須 |
| 6〜8月 | 20〜30日 | 高温で発芽不良と軟弱徒長 |
| 9〜10月 | 30〜50日 | 最も作りやすいが虫はまだ残る |
| 11〜12月 | 60日以上 | 伸びが止まる。保温で短縮する |
発芽をそろえる地温と水
発芽の適温はおおむね20〜30℃と幅が広く、この帯なら3〜4日で一斉に出ます。外れたときに揃わなくなるので、まいた直後の数日だけは表土を乾かさないことに集中します。
| まいた頃の地温 | 発芽までの目安 | やること |
|---|---|---|
| 25℃前後 | 3〜4日 | 朝夕の表土の乾きだけ見る |
| 15℃前後 | 6〜8日 | べたがけで地温を上げる |
| 10℃以下 | 10日以上 | トンネルにする。露地は待つ |
| 30℃超 | 乱れる | 日中の直射を切り、夕方に水 |
発芽前に表土が一度カラカラに乾くと、そこだけ抜け落ちて列に穴があきます。追いまきで埋めると生育がずれるので、乾かさないほうが早いです。
まく前の土づくりと元肥
小松菜の適正な酸度はペーハー6.0〜6.5で、極端な酸性土でなければ石灰は控えめで足ります。生育期間が短いぶん、元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)が効いていないと後から追いつきません。
| 資材 | 1平方メートルあたり | 入れる時期 |
|---|---|---|
| 完熟堆肥 | 2キロ前後 | まく2週間前 |
| 苦土石灰 | 100グラム前後 | まく2週間前 |
| 化成肥料 | 100グラム前後 | まく1週間前 |
未熟な堆肥を直前に入れると、発芽期にタネバエやネキリムシを呼びます。堆肥は必ず完熟のものを、2週間前までに入れておきます。
発芽でつまずいたときの立て直し
小松菜のつまずきは、ほとんどが発芽から本葉が出るまでの十日間に集中します。この時期の失敗は原因が限られているので、症状から絞り込めばその場で手を打てます。
- まず土を触る
- 表土を指で触り、種のある深さまで湿っているかを見ます。乾いていれば原因は水で、そこを直さないと追いまきも同じ結果です。
- 追いまきは条ごとに
- 穴の空いた場所だけに足すと生育がそろわず、収穫が二度手間になります。抜けが多い条は、その条ごとまき直すほうが早いです。
- 徒長は間引きで戻す
- 細く伸びた株は倒れる前に間引き、残す株の株元へ土を寄せます。放置すると畝ごと倒れ、結局はまき直しになります。
- まき直す線を決める
- 発芽が半分に満たないなら、悩まずまき直します。小松菜は日数が短いので、まき直しても収穫はほとんど遅れません。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 列に穴があいて出ない | 発芽前に表土が乾いた | その条だけ追いまきし、覆いで乾きを止める |
| 出たが糸のように細い | 厚まきと高温で徒長した | 早めに間引き、株元へ土を寄せる |
| 子葉に小さな穴が並ぶ | キスジノミハムシの食害 | 網の裾を閉じ直し、ひどい条はまき直す |
| 十日たっても出ない | 地温が低すぎる | べたがけをかけ、次は保温してからまく |
つまずいた日と気温を記録しておくと、翌年の同じ月に同じ手当てを先回りで打てるようになります。
小松菜の種まきでよくある質問
小松菜の種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
小松菜の種はどうやってまく?
すじまき / ばらまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
小松菜の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
小松菜の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
小松菜は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
小松菜の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
小松菜の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
小松菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は小松菜の育て方にまとめています。
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