半年かけて穫る作物
九月にまいて十一月から穫り始め、冬を越して三月まで続きます。半年近く畑を占めますが、その間ずっと少しずつ穫れるので、家庭菜園では効率のよい作物です。畑の隅に二株から三株あれば足ります。
収穫のいちばんの山は二月から三月です。暖かくなると花茎が次々に出るので、この時期は二日か三日おきに見て回り、花が開く前に摘みます。
| 作型 | 種まき | 収穫の始まり | 収穫の終わり |
|---|---|---|---|
| 秋まき | 9月上旬〜10月上旬 | 11月中旬 | 翌3月下旬 |
| 遅まき | 10月中旬 | 翌2月 | 翌4月 |
月別のやることカレンダー
関東平野の露地を目安にした一覧です。暖地では二週間遅らせ、寒冷地では二週間早めます。冬を越す作物なので、まく時期が遅れると株が小さいまま冬に入り、春の収穫量が減ります。
収穫が始まったあとの仕事は、摘み取りと三週間おきの追肥(育ちの途中で足す肥料)の二つだけです。単純な繰り返しなので、手帳に日を決めておくと忘れません。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 8月下旬 | 石灰、堆肥と元肥、畝立て | まく前に土を整える |
| 9月 | 種まき、防虫ネット、一回目の間引き | 虫を防いで発芽をそろえる |
| 10月 | 二回目の間引きで一本に、一回目の追肥 | 株を大きく育てる |
| 11月 | 追肥、一番手の花茎を収穫 | 太い茎を穫る |
| 12月〜1月 | 不織布で霜よけ、月1回の追肥 | 寒さから株を守る |
| 2月〜3月 | 追肥を3週間おきに、次々に摘む | 花が開く前に穫り切る |
九月と十月に株を作る
収穫量は、冬までに株をどれだけ大きくできたかで決まります。九月にまいたら十月いっぱいは葉を増やすことに専念し、外葉が十枚ほどそろった状態で冬を迎えるのが理想の姿です。
この時期は虫の飛来も多い時期です。まいた日に防虫ネットをかけ、間引きのときだけ開けてすぐ閉じます。葉を食われた分だけ、春の花茎が細くなります。
- まいた日にネットをかける
- 支柱を弓なりに立てて防虫ネットをかけ、裾を土で押さえます。翌日に回すと一晩で卵を産み付けられます。
- 二回に分けて間引く
- 双葉がそろったら二本、本葉三枚で一本にします。一度に減らすと、虫に食われたとき欠株になります。
- 一本にしたら追肥
- 株元から十五センチ外側に化成肥料を半握り施し、土と混ぜてから株元へ寄せておきます。
十月中旬を過ぎてまくと、株が小さいまま冬に入ります。遅れたときは覆いをかけて生育を助け、収穫を二月からと見込みます。
十一月に一番手を穫る
十一月中旬になると、株の中心から一番手の花茎が立ち上がります。この年最初の収穫で、いちばん太く立派な茎になります。長さ二十センチでつぼみが固いうちに、葉を二枚残して折り取ります。
この一本を摘むのが早いほど、わき芽(葉の付け根から出る芽)が動き出すのも早くなります。惜しんで待つと花が開いてしまうので、太いと感じた時点で摘んでしまうのが結果として得になります。
- 中心を週に二回見る
- 十一月に入ったら株の中心をのぞきます。花茎が立ち始めたら、そこから一週間ほどで摘みどきです。
- 葉を二枚残して折る
- 花茎の根元から葉を二枚数え、その上を横に倒して折ります。ここから次の芽が二本出ます。
- 摘んだあとに追肥
- 収穫のあとすぐ、株の周りに化成肥料を半握り施します。次の花茎が細くならずに済みます。
二月から三月が収穫の山
気温が上がると花茎が次々に出てきます。この時期に摘むのが遅れると、あっという間に花が開いて固くなります。二日か三日おきに畑を見て、つぼみが固いうちに折り取ります。
摘むたびにわき芽(葉の付け根から出る芽)から次が出るので、追肥を切らさないようにします。三週間おきの追肥を、この時期だけは二週間おきにしても構いません。
| 時期 | 株の様子 | すること |
|---|---|---|
| 2月上旬 | 中心から花茎が立ち始める | 葉を2枚残して折り取る |
| 2月下旬〜3月 | わき芽から次々に出る | 2〜3日おきに見て摘む |
| 3月下旬 | 花茎が細く花が開きやすい | 穫り切って株を抜く |
予定どおりに進まないときは
冬を越す作物なので、天候によって時期が前後します。ずれの多くはまく時期と冬の寒さから来ています。原因ごとに手を打てば、春の収穫は取り戻せます。
- 十一月に花茎が出ない
- 株がまだ小さいだけです。追肥をして冬を越させれば二月から穫れます。あわてて抜かずに待ちます。
- 冬に葉が傷んだ
- 霜と北風です。不織布をかけて春を待ちます。根が生きていれば、二月から新しい葉が出てきます。
- 十二月に花が咲いた
- まくのが早すぎたか暖冬です。その花茎を摘めばわき芽が出るので、そのまま春まで穫り続けられます。
- 花茎が細く短い
- 肥料切れか株が小さすぎます。追肥をして液体肥料を二回足し、様子を見てから判断します。
地域でずれる時期の目安
上の表は関東平野の露地を基準にしています。暖地では冬も生育が続くので収穫が早く始まり、寒冷地では地上部が傷むのでトンネルで覆って越冬させます。覆えば収穫の開始が二週間ほど早まります。
同じ地域でも日当たりで二週間は前後します。まいた日、初収穫の日、花が開き始めた日を記録しておくと、翌年は自分の畑の数字で計画が立てられます。
| 地域 | 種まき | 収穫の期間 | 冬の手当て |
|---|---|---|---|
| 暖地 | 9月中旬〜10月中旬 | 11月〜翌4月 | 覆いは要らない |
| 中間地 | 9月上旬〜10月上旬 | 11月〜翌3月 | 不織布をべた掛け |
| 寒冷地 | 8月下旬〜9月中旬 | 翌3月〜5月 | トンネルで越冬させる |
コウサイタイの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
コウサイタイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコウサイタイの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。