年に二度の適期がある
生育適温が15〜20℃なので、気温がその帯を通過する春と秋に作型が集中します。春は暑さに追われる作型、秋は寒さに追われる作型で、遅れたときに起きる失敗の中身が正反対です。
この表は中間地を基準にしています。暖地は秋まきを1〜2週間遅らせ、寒冷地は春まきを1か月ほど遅らせて、夏どりに寄せると考えると当てはめやすくなります。
| 作型 | 播種 | 定植 | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 春まき(結球) | 2月下旬〜3月中旬 | 3月下旬〜4月中旬 | 5月〜6月上旬 |
| 春まき(リーフ) | 3月〜4月 | 4月〜5月 | 5月〜6月 |
| 夏まき(結球) | 8月 | 8月下旬〜9月中旬 | 10月〜11月 |
| 秋まき(リーフ) | 9月〜10月 | 9月下旬〜10月 | 11月〜12月 |
1月から4月の作業
春作は寒さの残る時期にまいて、暑くなる前に採り終える競争です。1月と2月にやることは畑ではなく準備で、品種と資材をそろえた家ほど3月以降が楽になります。
3月から4月は苗を作る月と外葉を育てる月です。ここで気温が足りず生育が止まると、5月の高温に間に合わずとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)に追いつかれます。保温を惜しまない時期です。
| 月 | 作業 | この月のポイント |
|---|---|---|
| 1月 | 畑の準備・品種選び | 春まき用の晩抽性品種を先に確保する |
| 2月 | 石灰と堆肥を入れる・下旬に播種 | 屋内か保温下でまき、地温15℃を確保 |
| 3月 | 播種・育苗・下旬から定植 | 遅霜に備え不織布のトンネルを用意 |
| 4月 | 定植・2週間後に追肥 | 外葉を大きくする月、水切れさせない |
春の播種は前倒しが効きます。1週間早めるだけで、5月後半のとう立ちに対する余裕が生まれます。
5月から8月の作業
5月は収穫、6月は撤収、7月と8月は次作の準備という並びになります。6月に入ってからも畝に置いておくと、株はとう立ちして苦くなり、アブラムシの温床にもなります。
8月の作業は畑ではなく屋内が中心です。地温が高く発芽しないので、種を冷蔵して休眠を解き、涼しい場所で苗を作ってから畑へ出す段取りを組みます。
| 月 | 作業 | この月のポイント |
|---|---|---|
| 5月 | 春まきの収穫 | 押して締まりを確認、迷ったら早採り |
| 6月 | 収穫終了・畝の片づけ | とう立ち株を残さずアブラムシを断つ |
| 7月 | 夏休み・畝を休ませる | 寒冷地は下旬から秋まきの播種に入る |
| 8月 | 夏まきの播種と育苗 | 種を冷蔵で休眠打破、遮光して育苗 |
6月から8月に葉物を切らしたくないなら、暑さに比較的強いリーフやかきチシャを日よけの下で回します。
9月から12月の作業
秋作は気温が下がっていく途中で育てるので、序盤に遅れた分は後半で取り返せません。9月の播種と定植をどれだけ計画通りに進められるかで、11月の玉の大きさが決まります。
10月以降は虫が減って管理が楽になる代わりに、長雨のあとの株元の腐りが増えます。晴れた日に畝を見回り、株元が軟らかい株を見つけたら早めに抜きます。
| 月 | 作業 | この月のポイント |
|---|---|---|
| 9月 | 秋まきの播種・夏まきの定植 | 防虫網を定植と同時にかける |
| 10月 | 追肥・リーフの収穫開始 | 長雨のあとは株元の腐りを見回る |
| 11月 | 結球レタスの収穫 | 締まった株から順に、雨の前に採る |
| 12月 | 収穫終了・残さの片づけ | 外葉と根株を畝に残さず外へ出す |
11月以降は生育が鈍り、日数が表の目安より1週間ほど伸びます。あわてず球の締まりで判断します。
地域で播種期がずれる
同じ月にまいても、暖地と寒冷地では株が置かれる温度帯が違います。暖地の秋まきは早すぎると高温で発芽せず、寒冷地の秋まきは遅すぎると年内に間に合いません。
| 地域 | 春まきの播種 | 秋まきの播種 | 主な収穫 |
|---|---|---|---|
| 暖地 | 2月下旬〜3月中旬 | 9月上旬〜下旬 | 5月と11月〜12月 |
| 中間地 | 2月下旬〜3月下旬 | 8月下旬〜9月中旬 | 5月〜6月と10月〜11月 |
| 寒冷地 | 3月下旬〜5月 | 7月下旬〜8月中旬 | 6月〜7月と9月〜10月 |
寒冷地は夏が適期になるため、暖地の暦をそのまま使うと春まきが早すぎて霜に当たります。
月をまたいで決まること
月別の表は作業の位置を示すだけで、成否を決めるのは月内のどこでやるかです。特に播種と定植は数日の違いが結果に出るので、気温の推移を見て日を選びます。
- 播種日を記録する
- まいた日と発芽した日を残すと、翌年の適期が数字で決まります。何月という粒度では、失敗の原因が特定できません。
- 定植は本葉4〜5枚で
- 暦より苗の状態が優先です。適期の月でも苗が育っていなければ待ち、育ちすぎていれば前倒しして植えます。
- 追肥は定植の2週間後
- 月ではなく定植日から数えます。外葉を増やす時期にあてる追肥(育てている途中で足す肥料)なので、遅れると結球(葉が内側に巻いて玉になること)そのものが小さくなります。
- 収穫は日数より感触で
- 表の日数は見に行く合図です。実際は球を押した締まり具合、葉レタスは草丈と株の直径で判断します。
暦は毎年同じでも天候は違います。前年の記録と当年の気温を見比べ、数日単位で前後させて使います。
うまくいかなかった年の原因をたどる
翌年に効くのは、どの月でつまずいたかを一つに決めることです。採れなかった年の記録を見返し、播種、定植、追肥、収穫のどこがずれていたのかを絞り、直すのは一点だけにします。
| 症状 | つまずいた月 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 巻かずにとう立ちした | 春の播種が三月下旬以降 | 二月下旬から三月中旬にまく |
| 株が小さいまま止まった | 定植後二週間の追肥漏れ | 定植日から数えて必ず入れる |
| 秋に玉が太らなかった | 九月の播種が遅れた | 八月下旬から九月上旬にまく |
| 収穫期に割れて腐った | 五月や十月の採り遅れ | 予報を見て前倒しで採る |
同じ年にまき時と肥料を両方変えると、翌年どちらが効いたのか分からなくなります。変えるのは一つずつです。
レタスの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
レタスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレタスの育て方にまとめています。
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