結球は外葉の枚数で決まる
内側の葉が巻き始めるには、その前に外葉が20枚前後まで育っている必要があります。外葉が作った養分で内葉が急に増え、行き場を失って内側へ折り重なるのが結球(葉が内側に巻いて玉になること)という現象です。外葉が小さい株は、条件が整っても巻きません。
つまり結球期の管理より、定植後の3週間で外葉を大きくできたかどうかが勝負です。ここで肥料切れ、水切れ、株間の詰めすぎ、日照不足のどれかがあると、その時点で結球しない未来が決まります。
- 定植後2週間で追肥
- 外葉を伸ばす時期なので、株のまわりに化成肥料を軽くまいて土と混ぜます。ここを遅らせると外葉が小さいまま結球期に入ります。
- 株間を詰めない
- 結球レタスは株間三十センチが必要です。二十五センチに詰めると外葉が重なって光を奪い合います。外葉の先が隣と触れ始めたら詰めすぎの目安で、間の株を先に採って光を通します。
- 乾湿の差を作らない
- からからに乾かしてからたっぷり与える与え方は、外葉の伸びを止めます。指で表土を確かめて、乾いていたら与えるという一定のリズムを保ちます。
巻かない原因を切り分ける
巻かない株の姿を見れば、原因はおおむね絞れます。葉が横に広がったまま大きくなっているのか、株全体が小さいままなのか、中心から茎が伸びているのかで、打つべき手が変わります。
| 株の様子 | 考えられる原因 | 次作でどうするか |
|---|---|---|
| 外葉は大きいが巻かない | 結球期の高温 | まき時を早め涼しい期間に当てる |
| 株全体が小さい | 外葉不足・肥料切れ | 定植後2週間の追肥を確実に |
| 中心が伸びて立ち上がる | とう立ち | 晩抽性品種に替え春の遅まきを避ける |
| 葉が黄ばみ下葉が枯れる | 根傷み・過湿 | 高畝にして排水を直す |
高温と長日でとう立ちする
レタスは25℃を超える日が続くと花芽ができ、日が長くなるとさらに促されます。中心から茎が立ち上がって背が伸び、葉の付き方がまばらになったら、そこから玉に戻ることはありません。
春まきで5月後半に収穫が食い込むと、この条件に正面からぶつかります。逆に秋まきでは低温側に向かうので、とう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)より肥大不足のほうが問題になります。作型ごとに警戒する失敗が違います。
- まき時を前へずらす
- 春まきは2月下旬から3月中旬に前倒しし、5月中に採り終える設計にします。1週間の前倒しが、後半の数度の差を吸収します。
- 遮光で地温を下げる
- 収穫直前に高温が来たら、寒冷紗を張って直射を弱めます。株元にわらを敷くと地温の上がり方も鈍り、数日は稼げます。
- 立ち始めたら収穫する
- 中心が伸び始めた株は待つほど質が落ちます。巻きが甘くてもその日のうちに採り、外葉を落として使い切ります。
苦味は茎から出る
レタスの苦味は、切ったときに出る白い液に含まれる成分によるものです。とう立ちが始まると茎が伸びてこの液が増え、葉まで苦くなります。株が若いうちは同じ品種でも苦味をほとんど感じません。
苦味が出た株は加熱すると気になりにくくなります。炒めものやスープに回せば無駄になりません。生食で使いたいなら、苦くなる前に採るという設計のほうが確実です。
- 採る時間を朝にする
- 日中は株の温度が上がり、切り口からの液も多く出ます。気温の低い早朝に採ったほうが、味も日もちも安定します。
- 収穫を先送りしない
- 玉が締まってから日が経つほど茎が伸び、苦味が増します。締まりを確認したら数日以内に採るつもりで見回ります。
- 苦い株は加熱に回す
- 外葉と芯を落として細く切り、油で炒めるか汁物に入れます。苦味は加熱と油でかなり和らぎ、量も食べられます。
窒素と水の与えすぎも巻きを止める
肥料が足りないと外葉が育ちませんが、窒素が多すぎても葉ばかり大きくなって内側が締まりません。元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)をしっかり入れて、追肥(育てている途中で足す肥料)は控えめに、という配分が結球レタスの基本です。
| 時期 | 肥料と水 | ねらい |
|---|---|---|
| 定植前 | 堆肥と元肥を全面に | 外葉が伸びる土台を作る |
| 定植2週間後 | 化成肥料を軽く追肥 | 外葉を20枚前後まで増やす |
| 結球開始 | 追肥は打ち切る | 葉を締める方向へ切り替える |
| 収穫前1週間 | 水も控えめに | 球の腐りと裂けを避ける |
葉色が濃い緑を通り越して青黒くなったら窒素過多の合図です。追肥を止め、水やりも回数を減らします。
巻かなかった株の使い道
結球しなかった株も、葉としては十分に食べられます。抜いてしまう前に、外側から順にかき取っていけば数週間は収穫が続きます。畝を空けたいときだけ株ごと引きます。
- 外葉からかき取る
- 地際から4〜5枚を残し、外側の葉を手で横に倒して折り取ります。中心が残っていれば新しい葉が上がり続けます。
- 記録を残して次作へ
- まいた日、定植した日、巻かなかった日を残しておくと、翌年に何日ずらせばよいかが数字で決まります。感覚で直さないことです。
- 畝は早めに片づける
- とう立ちした株を置いておくと、アブラムシの供給源になります。花を見たい株を除き、抜いて畝の外へ出します。
レタスの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
レタスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレタスの育て方にまとめています。
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