結球するかどうかで難度が変わる
レタスと一口に言っても、玉に巻く結球(葉が内側に巻いて玉になること)タイプと巻かない葉タイプでは別の作物と考えたほうが実態に合います。結球タイプは涼しい期間を長く必要とし、途中で高温に当たると玉になりません。葉タイプはその制約が薄く、短期間で採れます。
家庭菜園でつまずくのはほぼ結球タイプです。巻かせるには外葉を20枚前後まで育てたうえで、その後も15〜20℃の期間が続く必要があります。この条件を確保できる季節が限られるため、まき遅れがそのまま失敗になります。
| 種類 | 結球 | 定植から収穫 | 難度 |
|---|---|---|---|
| 玉レタス | かたく結球 | 55〜65日 | 高い |
| ロメイン | 縦に半結球 | 50〜60日 | 中くらい |
| サラダ菜 | ゆるく結球 | 40〜50日 | 低い |
| リーフ・サニー | 結球しない | 30〜40日 | 低い |
系統ごとの見分けと使いどころ
売り場では色と葉の形だけで並んでいますが、選ぶときに効くのは結球するか、葉が厚いか、かき取りができるかの三点です。この三点で分けると、自分の畑と食べ方に合う種類が絞れます。
迷ったら、収穫まで使える涼しい期間を数えて決めます。定植から十五度前後の日が二か月続く見込みなら結球種、一か月しか取れないなら葉タイプが目安です。畑の空き期間を見てから種を買えば大きくは外しません。
- 玉レタス
- 球がかたく締まり、葉が薄くて水分が多い系統です。生食で歯ざわりを楽しむならこれですが、栽培条件はもっとも狭くなります。
- サニーレタス
- 葉先が赤紫に色づいて縮れる非結球種です。低温で色が濃くなるので、秋まきのほうが見栄えのよい株に仕上がります。
- グリーンリーフ
- 緑一色で葉先が縮れる非結球種です。生育が早くまき時の幅も広いので、他の作物の畝の隙間や収穫後の空きに差し込みやすい種類です。
- ロメイン
- 葉が立ち上がって縦長に半結球します。葉が厚く加熱にも耐えるので、生食以外の用途が多い家庭に向きます。
- かきチシャ
- 焼肉に添えるサンチュがこれで、下葉から順にかき取って長く採り続けられます。1株あたりの収量では葉タイプの中でも稼げます。
作型は春まきと秋まきの二本
生育適温が15〜20℃なので、その温度帯を通過する春と秋が基本の作型になります。春は気温が上がっていく途中で育てるため、後半の高温に追われます。秋は下がっていく途中なので、まき遅れると寒さで肥大が止まります。
| 作型 | まき時 | 収穫 | つまずきどころ |
|---|---|---|---|
| 春まき | 2月下旬〜3月 | 5月〜6月上旬 | 後半の高温でとう立ちする |
| 夏まき | 8月 | 10月〜11月 | 高温で発芽せず苗が立たない |
| 秋まき | 9月上旬 | 11月〜12月 | 遅れると寒さで玉が太らない |
同じ畝で二度採るなら、春はリーフ、秋は結球と割り振ると失敗が減ります。春の結球は難度が上がります。
地域で1か月ほどずれる
暖地は秋まきを遅らせられる代わりに春まきの余裕がなく、寒冷地は逆に春から夏へかけてが本番になります。同じ暦で動かすと、暖地は春に、寒冷地は秋に失敗しがちです。
| 地域 | 春まきの播種 | 秋まきの播種 |
|---|---|---|
| 暖地 | 2月下旬〜3月中旬 | 9月上旬〜9月下旬 |
| 中間地 | 2月下旬〜3月下旬 | 8月下旬〜9月中旬 |
| 寒冷地 | 3月下旬〜5月 | 7月下旬〜8月中旬 |
品種は晩抽性と作型表示で選ぶ
袋の裏には春まき向き、秋まき向きといった作型が書かれています。ここが合っていない品種は、栽培がうまくても結果が出ません。春まきでは高温と長日でとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)するため、晩抽性と書かれた品種を選ぶ意味が大きくなります。
秋まきでは逆に、低温でも玉が肥大する早生系が有利です。まき時が遅れた年ほど差が出ます。品種名だけで判断せず、袋の作型表と自分のまき予定日を突き合わせてから買います。
- 春は晩抽性を選ぶ
- とう立ちが遅い性質を持つ品種なら、5月の気温上昇に数日から2週間の余裕ができます。この余裕が収穫できるかどうかを分けます。
- 秋は早生を選ぶ
- 低温期に入る前に結球を終わらせたいので、定植から55日前後で採れる早生系にします。晩生は年内に間に合わないことがあります。
- 夏越しは葉タイプに逃がす
- 6月から8月に採りたいなら結球はあきらめ、暑さに比較的強いリーフやかきチシャに切り替えます。日よけを併用して品質を保ちます。
初めての一作をどう組むか
最初の年は、秋まきのリーフレタスから入るのが確実です。発芽の温度条件が自然に整い、害虫の勢いも落ち、失敗しても間引き菜が食卓に乗ります。ここで発芽と株間の感覚をつかんでから結球へ進みます。
- 同じ畝に混ぜて植える
- 結球レタスの株間30センチのあいだにリーフを1株はさむと、結球が太る前に葉タイプを収穫でき、畝を無駄なく使えます。
- まき時を2回に割る
- 同じ品種を10日ずらして二度まくと、収穫が重ならず、片方が気温で失敗しても全滅を避けられます。少量まきの利点です。
- 苗を買う手も残す
- 夏まきの発芽が難所なので、秋作は苗を買って定植から始めてもかまいません。その場合は本葉4〜5枚の若い苗を選びます。
葉が徒長(間のびして弱く伸びること)して間延びした苗や、下葉が黄ばんだ苗は避けます。植えてから外葉が育たず、結球まで届きません。
レタスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレタスの育て方にまとめています。
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