種まきの手順
結球(葉が内側に巻いて玉になること)レタスは移植して株間を正確にとる必要があるので育苗、リーフやサニーは間引きながら食べられるので直まきが向きます。同じレタスでも、結球させるかどうかでまき方の合理性が変わります。

覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
| まき方 | 向く種類 | 利点 | 注意 |
|---|---|---|---|
| セルトレイ | 結球レタス | 本数を確保でき定植が速い | 浅いので水を切らせない |
| ポットまき | 結球・ロメイン | 根鉢が大きく活着が早い | 場所を取るので数をしぼる |
| 直まき | リーフ・サニー | 移植の傷みがなく間引き菜も採れる | 雨で覆土が流れ株間が乱れる |
覆土は種が隠れる程度でよい
レタスの種は光が当たると発芽が進む好光性種子です。土を厚くかぶせると光が届かず、出芽がそろわないまま数日遅れて出てくるか、そのまま出ないまま終わります。覆土は細かい土をふるって、種がうっすら隠れる程度にとどめます。
とはいえ無覆土はすすめません。種がむき出しだと吸水が途切れ、潅水のたびに転がって株間が乱れます。厚さの目安は数ミリ、指でならして種が見え隠れするくらいです。薄くする分、表面を乾かさない工夫のほうが重要になります。
- まき床を平らにする
- まき溝の底が凸凹だと種が深みに落ち、そこだけ覆土が厚くなります。指の腹か板の縁で底を平らにならしてからまくと、出芽の高さがそろいます。
- 覆土はふるって使う
- 塊のある土をそのままかけると、重い粒が種の上に乗って芽が持ち上げられません。目の細かいふるいを通した土やバーミキュライトを薄く振ります。
- まいたら軽く押さえる
- 覆土のあと手のひらで軽く押さえ、種と土を密着させます。押さえずに水をやると種が浮き上がり、表面へ転がり出て乾いて死にます。
発芽までは表面を乾かさないことが最優先です。新聞紙や不織布をかけ、芽が見えたらその日のうちに外します。
25℃を超えると種は眠る
レタスの発芽適温は15〜20℃で、25℃を超えると種が休眠に入り、30℃以上ではほとんど発芽しません。低いほうにも限界があり、4℃を下回るとやはり動きません。夏まきで発芽しないのは種が古いからではなく、地温が高すぎるからです。
地温は気温より遅れて下がります。夕方の日陰でまく、育苗箱を屋内の涼しい場所に置く、寒冷紗で日を遮るといった手当てで数度は下げられます。それでも足りない8月は、まく前に種のほうを冷やします。
| 温度帯 | 発芽の様子 | とるべき手 |
|---|---|---|
| 10℃前後 | 遅いがそろって出る | あわてず5〜7日待つ |
| 15〜20℃ | 3〜4日で一斉に出る | 特別な処理はいらない |
| 25℃前後 | 出方がばらつき抜けが出る | 日陰へ移し夕方にまく |
| 30℃以上 | ほとんど発芽しない | 冷蔵処理をしてからまく |
夏まきは冷蔵で休眠を覚ます
8月から9月初めにまくなら、種を吸水させてから冷蔵庫に入れ、低温に当てて休眠を解いてからまきます。この一手間があるかないかで、同じ袋の種でも発芽率が半分と九割ほどに分かれます。
- 半日ほど水に浸す
- コップの水に浸けて十分に吸水させます。乾いた種のまま冷やしても休眠は覚めません。水を吸った状態で低温に当てることが条件です。
- 水を切って包む
- ざるで水を切り、湿らせたキッチンペーパーに包んで袋に入れます。水に沈めたままにすると酸素が足りず、種が腐って発酵臭が出ます。
- 冷蔵室に置く
- 温度の高い野菜室ではなく冷蔵室に入れ、2日から1週間ほど置きます。白い根が少しのぞいたら、そこで止めてすぐにまきます。
- 涼しい時間にまく
- 根の出た種は乾燥に弱いので、夕方にまいてたっぷり潅水します。まいた後は寒冷紗や板で日を遮り、地温の上がり方をおさえます。
根が伸びすぎると、まくときに折れて欠株になります。根の長さは1〜2ミリのうちに切り上げます。
定植は本葉4〜5枚、浅植えで
育苗日数はセルトレイで20〜25日、ポットで30〜40日が目安で、本葉4〜5枚が定植適期です。これを過ぎた老化苗は根が回りすぎ、植えても外葉が大きくならず、結球が小さくまとまってしまいます。
- 根鉢を崩さない
- レタスは根が浅く広がる作物で、切れると活着が遅れます。ポットから抜いたら土を落とさず、そのままの形で植え穴に置きます。
- 株元を埋めない
- 生長点が土に埋まると芯が腐りやすく、結球も乱れます。根鉢の肩が地面と同じか、わずかに高くなる深さで植えるのが基本です。
- 植えたら株元へ注ぐ
- 植え穴に先に水を入れて引かせてから植えるか、直後に株元へ静かに注ぎます。上からのかけ流しでは根鉢の内側まで水が届きません。
苗の老化は取り返せません。本葉6枚を超えたポット苗は、結球が小さくなる前提で早めに植えます。
畝と株間、プランターの容量
土は弱酸性から中性のペーハー6.0〜6.5に整えます。酸性が強いと生育が鈍り、逆に石灰を入れすぎても葉先が傷みます。植え付けの2週間前に石灰、1週間前に堆肥と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を入れて畝を立てておきます。
| 育てる場所 | 株間の目安 | 植えられる数 |
|---|---|---|
| 畝幅50センチの2条植え | 結球レタスは30センチ | 1メートルあたり6〜7株 |
| 標準プランター65センチ | リーフレタスは20センチ | 3株 |
| 直径30センチ・深さ20センチの鉢 | 中心に1株 | 結球レタス1株 |
根は浅いので容器は深さ20センチあれば足ります。むしろ足りなくなるのは水で、表土の乾きを毎日見ます。
育苗でつまずいたときの切り分け
育苗でうまくいかないときは、いま何が起きているかを一つに絞ります。芽がそろわない、軸だけ伸びた、葉色が薄い、株元が倒れるの四つに分けて見れば、原因も打つ手もほぼ決まります。
出芽を確認したら、その日のうちに日当たりへ出します。暗い場所に置いたままだと軸だけが伸びて倒れ、そのまま植えても結球する前に力尽きます。徒長(間のびして弱く伸びること)した苗は元に戻りません。
水は朝にやり、夕方はやや乾き気味で越させます。夜に土が濡れたままだと軟弱に育ち、根の張りも浅くなります。育苗箱は地面に直置きせず、風の通る台の上に置きます。
- 本葉1枚で間引く
- 生育のそろわない株や双葉の形が崩れた株を抜き、一穴一本にします。混んだままだと互いに光を奪い合い、根も絡んで植えるときに切れます。
- 肥料は薄く回数で
- 育苗土の肥料が切れて葉色が薄くなったら、規定より薄めた液肥を数日おきに与えます。濃い肥料を一度に効かせると軸が伸びて軟弱になります。
- 植える前に外気で締める
- 定植の3日ほど前から屋外の風と日に当て、水をやや控えます。温室育ちのまま植えると、活着でつまずいて生育が止まります。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 芽がそろわない | 地温が高すぎた | 涼しい場所へ移し出ない列はまき直す |
| 軸だけ細長く伸びた | 出芽後の日照不足 | 戻らないのでまき直し当日から日に当てる |
| 葉色が薄く育ちが鈍い | 育苗土の肥料切れ | 規定より薄い液肥を数日おきに与える |
| 株元が倒れて溶ける | 夜まで濡れている過湿 | 水やりを朝だけにし台に上げて風を通す |
レタスの種まきでよくある質問
レタスの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
レタスの種はどうやってまく?
直まき / ポットまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
レタスの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
レタスの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
レタスは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
レタスの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
レタスの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
レタスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレタスの育て方にまとめています。
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