秋を主にして春を補いにする
ミブナの栽培は、九月にまいて十一月から十二月に採る秋作が中心です。春にもまけますが、気温の上がる速さに追われる短期勝負になります。まず秋を一度通してから、春に挑戦する順序が向いています。
秋作は、涼しくなっていく気温の中で葉が育つので、味も姿もよくなります。年内に採り切るか、冬を越して一月まで置くかで、まく日と株間の取り方が変わってくるので、使い道を先に決めておくと計画が立てやすくなります。
| 時期 | 株の様子 | すること |
|---|---|---|
| 9月 | 発芽と1回目の間引き | まき、防虫ネット、間引き |
| 10月 | 葉が広がる | 間引きと追肥、土寄せ |
| 11月から12月 | 収穫の本番 | 小株から順に採る |
| 1月から2月 | 霜で甘くなる | 覆いをかけて採り続ける |
| 3月から4月 | 春まきの時期 | 覆いをして低温を避ける |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。寒い地域は秋まきを二週間ほど早め、暖かい地域は二週間ほど遅らせます。株の姿を見て前後させるほうが、暦どおりに進めるより確実です。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月下旬から4月 | 春まき、覆いをかける | とう立ちに注意 |
| 5月 | 春まきの収穫 | 小株のうちに採り切る |
| 6月から8月 | 作らない | 暑さと虫で作りにくい |
| 9月中旬から10月上旬 | 秋まき、防虫ネット | いちばんの適期 |
| 10月 | 間引きと追肥、土寄せ | 本葉5枚から6枚で最終の株間 |
| 11月 | 小株の収穫が始まる | まいてから30日から40日 |
| 12月 | 大株の収穫 | 霜に当たって甘くなる |
| 1月 | 残った株を採り切る | 不織布をかけて守る |
| 2月 | とう立ちが始まる | 花芽が見えたら採り切る |
九月と十月は間引きが仕事
まいてから一か月は、間引きと防虫ネットの管理がほぼすべてです。この時期に手を入れておくと、十一月以降はほとんど何もせずに採り続けられます。逆にここを飛ばすと、細い株ばかりになります。
十月に入って本葉が五枚から六枚になったら、最終の株間を決めます。小株にするか大株にするかをここで決めることになるので、使い道を思い浮かべながら間引いてください。
- まいた日にネットをかける
- 種をまいたその日に防虫ネットか不織布をかけます。芽が出てからでは、すでに卵が産み付けられています。
- 3回に分けて間引く
- 双葉、本葉2枚から3枚、本葉5枚から6枚のタイミングで間引き、少しずつ株間を広げていきます。
- 間引きのたびに追肥
- 2回目と3回目の間引きのあとに、追肥(育ちの途中で足す肥料)を条間1メートルにひと握りまいて土と混ぜます。
十一月からは採りながら回す
十一月に入ると小株が採れ始めます。ミブナは畑に置いたまま少しずつ採れるので、一度に収穫せず、必要な分だけ抜いていくと長く楽しめます。抜いた跡の間が空き、残った株が大きくなります。
十二月から一月は霜で甘くなる時期です。この時期のミブナは冬の鍋に向きます。二月に入ると中心から花芽が伸び始めるので、そのころまでには採り切る計画にしてください。
| 月 | 株の状態 | 手当て |
|---|---|---|
| 11月 | 小株が採りごろ | 必要な分だけ抜いて間を空ける |
| 12月 | 大株になり霜に当たる | 甘みが乗る。順に採る |
| 1月 | 生育が止まる | 不織布で守りつつ採り続ける |
| 2月 | 中心から花芽が伸びる | 見えたら早めに採り切る |
春まきは短期で採り切る
春まきは三月下旬から四月にまきます。低温に当たると花芽ができるので、まいた直後は覆いをかけて保温し、急ぎ足で育てて五月のうちに小株で採り切るのが基本の考え方です。
春は虫の動きも早いので、防虫ネットは秋以上に大事になります。大株を狙うと途中でとう立ちするので、初めから小株に絞ったほうが結果は良くなります。
- 覆いをかけてまく
- 3月下旬にまき、不織布かトンネルで保温します。夜の冷え込みを避けることがとう立ちを減らします。
- 小株に絞る
- 株間は5センチから10センチにとどめ、大株は狙いません。40日ほどで採り切る計画にします。
- 5月中に採り切る
- 気温が上がると一気に花芽が伸びます。5月のうちに全部採り、6月には次の作物へ切り替えます。
予定がずれたときの立て直し
秋まきが十月中旬以降にずれ込んだ場合、寒さで生育が遅くなります。トンネルで保温すれば年明けに採れますが、大株にはなりません。小株で使う前提に切り替えるのが現実的です。
逆に九月上旬の暑いうちにまいてしまうと、発芽はそろっても虫の被害が大きくなります。ネットをかけたうえで、こまめに葉裏を見て卵を取り除いてください。
| 場面 | 起きること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 秋まきが10月中旬にずれた | 寒さで生育が遅い | トンネルで保温し小株で採る |
| 9月上旬の暑いうちにまいた | 虫の被害が大きい | ネットをかけ、葉裏の卵を取る |
| 間引きを忘れた | 細い株ばかりになる | すぐ間引いて株間を広げる |
| 2月まで置いてしまった | 花芽が伸びる | 花茎ごと採って炒め物に使う |
ミブナの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ミブナの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミブナの育て方にまとめています。
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