小株にするか大株にするかを先に決める
ミブナは、株間の取り方で仕上がりがまったく変わります。株間五センチから十センチで密に育てれば、三十日から四十日でサラダや鍋に使う小株が採れます。株間三十センチ以上なら一株一キロを超える大株になります。
初めてなら小株がおすすめです。早く採れ、場所も取らず、失敗しても被害が小さいためです。漬物にしたい、株ごと売り物のような姿にしたいという場合に大株を選んでください。
| 目的 | 最終の株間 | 収穫までの日数 |
|---|---|---|
| サラダ、鍋に使う小株 | 5センチから10センチ | 30日から40日 |
| おひたし、炒め物の中株 | 15センチから20センチ | 45日から60日 |
| 漬物にする大株 | 30センチから40センチ | 70日から90日 |
すじまきで薄く均一にまく
ミブナの種は小さな球形で、一粒ずつ置くのは手間がかかります。深さ一センチの溝に一センチ間隔で流すすじまきが基本です。厚くまくと間引きが大変になり、薄すぎると欠けた場所ができます。
覆土は五ミリほどの薄さにし、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。押さえないと発芽がそろわず、押さえすぎると土が固まって芽が持ち上がりません。まいたあとはたっぷり水を与えます。
- まき溝を作る
- 板の縁や支柱を土に押しつけ、深さ1センチのまっすぐな溝を作ります。条間は25センチから30センチとります。
- 1センチ間隔で流す
- 種を指でつまみ、すり合わせながら溝に落とします。1か所に固まったら指先で軽くならして散らします。
- 薄く覆土して押さえる
- 溝の両側の土を寄せて5ミリほどかぶせ、手のひらで軽く押さえます。そのあとたっぷり水を与えます。
- 不織布をかける
- 発芽までの乾きを防ぎ、虫の飛来も止められます。芽がそろったら外すか、防虫ネットに替えます。
土は酸性を直してから
ミブナはアブラナ科なので、酸性の土を嫌います。まく二週間前に苦土石灰をまいて中和しておくと、生育がそろい、根こぶ病も出にくくなります。雨の多い畑ほどこの一手間が効きます。
肥料は多すぎないほうが葉が締まります。窒素が効きすぎると葉が大きく水っぽくなり、香りが薄れて虫も付きやすくなります。前作の肥料が残っている畑なら、元肥は半分で足ります。
- 2週間前に石灰
- 1平方メートルに苦土石灰を100グラムほどまき、20センチの深さまで耕して石と土の塊を取り除きます。
- 1週間前に堆肥と元肥
- 1平方メートルあたり完熟堆肥2キロと元肥(前もって入れる肥料)ひと握りを混ぜ、幅60センチの畝を立てます。
- 表面を平らにする
- レーキで表面をならし、大きな塊が残っていないか確かめてからまき溝を作ります。発芽がそろいます。
間引きは三回に分けて広げる
二十度前後なら三日から四日で発芽します。そろったら、育ちに合わせて三回に分けて間引きます。一度に広げすぎると、残った株が風で倒れたり、土が乾いて弱ったりするためです。
残す株は、双葉が左右対称で葉の色が濃く、茎がまっすぐなものを選びます。抜くときは残す株の根元を指で押さえ、真上にそっと引きます。隣の根が浮くようなら地際で切るほうが安全です。
- 1回目は双葉のころ
- 双葉が開いたら、葉が触れ合わない程度まで間引きます。株間2センチから3センチが目安になります。
- 2回目は本葉2枚から3枚
- 混んでいる場所を抜き、株間を5センチほどに広げます。抜いた小さな株はそのまま食べられます。
- 3回目で最終の株間に
- 本葉5枚から6枚のころ、小株なら10センチ、大株なら30センチ以上に広げます。ここで決まります。
- 株元に土を寄せる
- 間引いた跡の穴を埋めるように条間の土を株元へ寄せ、残した株がぐらつかないようにします。
間引いた菜はそのまま食べられます。畑に放置すると虫を呼ぶので、必ず持ち帰るか土に埋めてください。
秋まきが失敗しにくい
ミブナは京都で古くから作られてきたアブラナ科の葉物で、涼しい時期にまっすぐ育ちます。春にもまけますが、気温が上がるとすぐに花芽が動き、虫も増えます。関東平野部なら九月中旬から十月上旬にまくのが最も確実です。
秋にまくと、涼しくなっていく気温の中で葉が柔らかく育ち、霜に当たったころに甘みが乗ります。春まきは三月下旬から四月にまき、五月のうちに採り切る短期勝負になります。
| 時期 | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月下旬から4月 | 5月から6月上旬 | とう立ちと虫が多い。小株向き |
| 9月中旬から10月上旬 | 10月下旬から12月 | いちばん失敗が少ない。大株もできる |
| 10月中旬以降 | 12月から1月 | 寒さで生育が遅い。覆いが要る |
| 真夏 | 向かない | 暑さで発芽がそろわず虫が多い |
種まきでつまずいたときの切り分け
発芽しないという相談の多くは、乾きか、覆土が厚すぎることに行き着きます。ミブナの種は小さいので、一センチも土をかぶせると出てこられません。五ミリを守り、発芽まで表面を乾かさないでください。
発芽したのに消えていく場合は、虫を疑います。特に秋まきの初期は小さな甲虫が地際をかじるので、まいた日に不織布か防虫ネットをかけておくのが確実な予防になります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 発芽がまばら | 覆土が厚い、表面が乾いた | 覆土5ミリにし、不織布で乾きを防ぐ |
| 芽が出たのに消える | 地際をかじる虫 | まいた日に防虫ネットをかける |
| ひょろ長く倒れる | 厚まきで混みすぎ | 早めに1回目の間引きをする |
| 生育がそろわない | まき溝の深さがばらばら | 板の縁でまっすぐな溝を作り直す |
種まきの手順
ミブナは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
ミブナの種まきでよくある質問
ミブナの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ミブナの種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ミブナの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ミブナの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ミブナは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ミブナの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ミブナの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
ミブナの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミブナの育て方にまとめています。
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