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みかんの収穫と貯蔵

みかんの収穫|採り時の見極めと予措・貯蔵・酸の抜き方

みかんの栽培イメージ

読むのに約 5

色だけで採ると酸が残ります。見極めと予措、置き方で味と日持ちが変わります。

採り時は色だけで決めない

みかんは収穫したあとに糖度が上がりません。樹の上で決まった味がそのまま残るので、色が回ったかどうかではなく、酸が抜けたかどうかで採る日を決めます。

見極めは3つです。果皮の色が8割ほど回っていること、手に持つと軽く沈むような弾力があること、試しに1個食べて酸が舌に刺さらないこと。系統によって基準の時期が2か月ずれます。

系統収穫の目安採るときの見た目
極早生9月下旬〜10月緑が残っていてよい。酸が抜けたら採る
早生10月下旬〜11月黄からだいだいへ変わり、皮が薄い
中生11月下旬〜12月上旬だいだい色が濃い。浮き皮に注意する
晩生12月中旬〜下旬色が濃く皮が厚い。貯蔵する前提で採る

採り方の手順

晴れた日の午前に
雨の日や露が残る朝に採ると、水を含んだ皮が傷みやすく腐敗の原因になります。前日に雨が降ったら1〜2日空けます。
二度切りにする
まず枝ごと少し長めに切り、次に果実側のへたの際で平らに切り直します。軸が残ると、かごの中でほかの実の皮を突き刺します。
へたを短くそろえる
へたが少しでも出っ張ると、運ぶ間に隣の実に傷を作ります。指で押して出っ張りがないか確かめてからかごへ入れます。
落とさず浅く入れる
見えない打ち傷がそこから腐ります。かごには浅く入れ、上から押し込んで詰めないようにします。
数回に分けて採る
樹の外側と上部から色づくので、色と弾力の揃ったものだけを採ります。一度に採り切らないほうが、全体の味は揃います。

採り遅れると皮と果肉が離れる浮き皮になります。見た目は大きくても水っぽく、日持ちが極端に落ちます。

予措で水分を抜く

採ってすぐ箱に詰めると腐ります。予措は収穫直後に果皮の余分な水分を飛ばす作業で、皮がやや柔らかくなるまで乾かすと、貯蔵中の腐敗と果肉の水分の消耗が減ります。

広げて置く
風通しのよい日陰に、重ならないよう1段で並べます。直射日光に当てると皮が焼け、かえって傷みが早まります。
かける期間の目安
すぐ食べる分は1〜2日。1か月以上置く分は1〜2週間かけ、重さが2〜5パーセント減るまで乾かします。
終わりの見分け
皮を軽く押して、張りが取れて少ししなやかになれば十分です。しわが寄るまで乾かすのは行きすぎで、味が落ちます。

傷や腐りのある実は予措の前に外します。1個の腐敗が接した実へ移り、箱ごと駄目になることがあります。

貯蔵の置き方

へたを下にして並べる
へたの部分は乾きやすく、上を向けているとそこから水分が抜けて実がしぼみます。向きをそろえて並べます。
重ねる段数
2段から3段までにします。下の実に荷重がかかると、見えない傷ができてそこから腐りが始まります。
新聞紙をはさむ
段ごとに新聞紙をはさむと余分な湿気を吸い、腐敗の連鎖を止められます。週に一度は箱を開けて点検します。
置き場所温度の目安持つ期間
暖房の入る居室15℃以上1〜2週間
廊下や玄関8〜10℃3〜4週間
風の通る納屋や物置5〜8℃1〜2か月、晩生ならさらに長い
冷蔵庫の野菜室5℃前後2〜3週間。乾燥に注意する

湿度は80〜90パーセントが目安です。乾きすぎると皮がしぼみ、こもると白いかびが出て一気に広がります。

酸を抜いて甘く感じさせる

みかんの甘さの感じ方は、糖の量よりも糖と酸の釣り合いで決まります。貯蔵している間にクエン酸が少しずつ分解されるため、置くほど酸が減って甘く感じられます。糖そのものは増えません。

晩生を1月から2月にかけて出す蔵出しは、この性質を使ったやり方です。収穫時に比べてクエン酸が半分以下まで下がり、同じ糖度でもはっきり甘く感じられます。

酸が強いときの置き方
5〜8℃で風の通る場所に2週間から1か月置きます。温度が低すぎると分解が進まず、高すぎると酸が抜ける前に傷みます。
少量を早く抜く
数個なら室温の日陰に4〜7日置き、皮が少ししなやかになったら食べます。袋に密閉すると蒸れて味が落ちます。
転がす方法の是非
揉んだり落としたりして酸を抜く方法もありますが、傷んだ実は日持ちしません。すぐ食べる分だけに限ります。
抜きすぎに注意
酸がなくなると水っぽく間延びした味になります。晩生でも2月のうちに食べ切る計画で置きます。

収穫後に樹へやること

お礼肥を入れる
収穫の直後から11月ごろまでに秋肥を入れます。実に使った養分を年内に戻すと、翌春の芽ぞろいがよくなります。
実を残さない
取り残した実は樹の養分を使い続け、翌年の花を減らします。傷んだ実も含め、樹の上と地面から片付けます。
剪定は春まで待つ
収穫の邪魔だった枝も、この時期に切ると切り口が寒害を受けます。印を付けておき、3月にまとめて処理します。
冬の防寒
株元の敷き草を厚くし、幼木は幹に不織布を巻きます。鉢植えは氷点下になる夜だけ軒下へ移します。

収穫後の1〜2か月の手当てが翌年の裏年を防ぎます。採って終わりにせず、樹の回復までを収穫作業に含めます。

味がのらないときの原因を切り分ける

採ったみかんが酸っぱい、味が薄いというときは、樹の側の問題と採り方の問題が混ざっています。皮の様子と採った時期を突き合わせると、来年直す点といま直す点が分かれます。

食べたときの症状疑う原因次にすること
酸味が強く残る採るのが早い、または裏年予措と貯蔵で酸を抜き、来年は遅らせる
味が薄く水っぽい秋の雨と窒素の効かせすぎ株元を敷き草で覆い、秋の窒素をやめる
皮が浮いて実と離れる実が大きく雨の後に採った早生に替え、晴れた日に採り切る
貯蔵中に腐る実が多い予措が足りず傷が残った風通しで数日乾かし、傷んだ実を外す

同じ樹でも日の当たる外側の実から先に甘くなります。味を見るときは内側ではなく、南向きの外側から一つ採って確かめます。

みかんの収穫に使うもの

木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。

  • 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
    規格の目安
    刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。

    引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。

  • 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
    規格の目安
    伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。

    脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。

  • 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
    規格の目安
    20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。

    深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。

  • 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
    規格の目安
    果実用のネットキャップか、新聞紙。

    一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
  • 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。

みかんの収穫までのコツは作物ページに

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