夏の四か月で完結する
モロヘイヤは一年草で、五月にまいて九月に終わります。真夏の収穫が中心なので、他の葉物が暑さで穫れなくなる時期をちょうど埋めてくれます。冬越しはできないため、毎年まき直します。
この作物の失敗はほとんどが早まきです。日付ではなく気温で判断し、朝の最低気温が十五度を下回らなくなってから動き始めます。
| 月 | 株の様子 | その月の仕事 |
|---|---|---|
| 5月 | 種まきか苗の準備 | 地温が上がってからまく |
| 6月 | 本葉が増える | 間引いて一本に、株元に土を寄せる |
| 7月 | 草丈三十センチ | 摘心、収穫の始まり、追肥 |
| 8月 | 枝が茂る | こまめな収穫、水やり、追肥 |
| 9月 | 花が付き始める | 花を見たら収穫終了、片づけ |
五月と六月は株を作る時期
この二か月は収穫の話をせず、根と茎を作ることに集中します。種を一晩浸けてまき、芽が出たら二回に分けて間引き、株間を三十センチ以上にそろえます。ここで詰め込むと、夏に葉が小さくなります。
梅雨の長雨で根が傷むことがあるので、畝を高くしておきます。雨が続いても水やりは不要で、晴れ間が出たら土の乾きを見て判断します。
苗を買って植える場合も、植え付けは同じ時期です。ポットの土を崩さずに植え、たっぷり水を与えます。植え付け直後の一週間だけは乾かさないように見ておきます。
- 五月中旬にまく
- 前の晩に種を水に浸け、深さ五ミリにまきます。地温が低いようなら六月に回しても間に合います。
- 六月に間引く
- 本葉二枚と四枚のタイミングで二回に分け、一本立ちにします。残す株の根元を押さえて切ります。
- 土を寄せる
- 間引き後に株元へ土を軽く寄せます。倒れにくくなり、浅い根が守られて乾きにも強くなります。
七月は摘心から収穫へ切り替わる
草丈が三十センチを超えたら最初の摘心をします。ここから先は摘むことがそのまま収穫になり、二週間に一度ほどの間隔で先端を摘み続けます。摘んだ日に追肥(育ちの途中で足す肥料)を足すのを習慣にします。
梅雨が明けると気温が上がり、伸びが急に早くなります。摘む間隔が空くとその分だけ茎が硬くなって食べられる部分が減るので、伸びの早さに合わせて摘む回数を増やしていきます。
- 最初の摘心
- 草丈三十センチで先端を摘みます。指で折れる位置を選び、朝のうちに済ませると切り口が早く乾きます。
- 追肥を始める
- 摘んだ日に、株元から二十センチほど離した位置へひとつまみの化成肥料をまき、土と軽く混ぜてから水を与えます。
- 収穫の間隔を決める
- 先端が十五センチ以上伸びたら次の収穫です。夏の盛りは一週間から十日に一度になります。
八月は穫り続けるのが仕事
いちばん収穫の多い月です。摘めば摘むほど枝が増えるので、食べ切れないほど穫れることもあります。摘まずに置くと硬くなって食べられなくなるため、使わない分もゆでて冷凍しておきます。
摘み取りが追いつかない週があっても、次の回で位置を上げて摘み直せば元に戻せます。硬くなった部分は無理に使わず、葉だけを外して使うと無駄が出ません。
| 時期 | 収穫の間隔 | そのほかの作業 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 一週間に一度 | 追肥、敷きわらの補充 |
| 8月中旬 | 一週間に一度 | 台風前に多めに摘む |
| 8月下旬 | 十日に一度 | 枝を整理して風を通す |
九月は花を見たら終わりにする
日が短くなると先端に黄色い花が付きます。花のあとにできる実と種は口にできない成分を含むため、花が見えた時点でその株の収穫は終わりです。名残惜しくても、ここで区切りを付けます。
片づけるときは実を残さないようにします。こぼれた種から翌年に芽が出ると、知らないうちに実の付いた株が畑に混じることになります。
片づけた枝や葉は畑の隅に積んでおけば翌年の堆肥になりますが、実の付いた枝だけは分けて処分します。種が混じった堆肥を畑に戻すと、思わぬ場所から芽が出てきます。
- 先端を確かめる
- 九月に入ったら摘むたびにつぼみを探します。小さな粒が見えたらその枝から先は食べません。
- 株を抜く
- 花が全体に回ったら株ごと抜き取り、実を付ける前に処分します。畑の外へ持ち出すのが確実です。
- 土を休ませる
- 抜いたあとは耕して二週間ほど置きます。秋の葉物を植えるならその後に元肥を入れて準備します。
遅れたときの立て直し
まくのが遅れた、摘心の時期を逃した、夏に手が回らなかったといったつまずきは、どれも途中から取り返せます。モロヘイヤは伸びが早いので、七月からでも十分に間に合います。
大切なのは、遅れを取り戻そうとして肥料を一度に増やさないことです。急に濃い肥料を入れると根を傷め、かえって伸びが止まります。少量をこまめに足すのが結局は早道になります。
| 場面 | 取り戻し方 | 収穫の見込み |
|---|---|---|
| 六月末に何もしていない | 売り場の苗を買って植える | 八月から穫れる |
| 摘心を忘れて背が高い | 腰の高さまで切り戻す | 二週間で枝が出る |
| 硬くなって食べられない | 先端十五センチだけ摘む | 次の枝からやわらかくなる |
モロヘイヤの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
モロヘイヤの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモロヘイヤの育て方にまとめています。
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