季節ごとの管理を分ける
エンバクの管理は、秋まきなら冬の麦踏み、春の追肥と土寄せ、穂が出てからの水の確保という流れです。春まきは冬の作業がなく、間引きから土寄せへ進みます。肥料は少なくてよく、やりすぎると倒れるので、葉色を見て要不要を決めます。
| 時期 | 秋まきの作業 | 春まきの作業 |
|---|---|---|
| 12月〜2月 | 麦踏みを二〜三回 | なし |
| 3月 | 追肥(葉色を見て)・土寄せ | 種まき |
| 4月 | 草取り・二回目の土寄せ | 間引き・草取り・土寄せ |
| 5月 | 出穂・水やり | 追肥(葉色を見て)・土寄せ |
| 6月〜7月 | 収穫 | 出穂・水やり・収穫 |
冬の麦踏み
秋まきのエンバクは、十二月から二月に葉を足で踏む麦踏みをすると、株元から分かれる茎が増えて根が深くなり、霜で浮き上がるのも防げます。踏むと葉が傷むように見えますが、数日で立ち直ります。霜柱が立った朝は避け、土が乾いた日中に行います。
- 草丈十センチで一回目
- 十二月に入って草丈が十センチほどになったら、条に沿って横歩きで踏みます。かかとで押しつぶすのではなく、体重を乗せて歩く程度で十分です。
- 二週間おきに二〜三回
- 一月と二月にもう一回ずつ踏みます。株元から茎が三本以上分かれていれば効果が出ています。
- 三月になったら踏まない
- 三月に茎が立ち上がって伸び始めたら、踏むと茎が折れます。以降は土寄せに切り替えます。
霜で株が浮き上がっているときは、麦踏みが根を土に戻す手当てになります。見つけたらその場で踏みます。
追肥は葉色を見て一回
エンバクは肥料が多いと背が高くなって倒れやすくなります。追肥(育ちの途中で足す肥料)は茎が立ち上がる直前に一回だけ、下の葉が黄色くなっているときに限って行います。化成肥料を一平方メートルあたりひとつかみ、条の間にまいて土寄せと一緒に混ぜます。葉が濃い緑なら追肥を省きます。
- 下葉の色で判断する
- 株元の古い葉が黄色く枯れ上がっているなら肥料が足りていません。緑が保たれているなら追肥は不要です。
- 茎が立ち上がる前にまく
- 秋まきなら三月上旬、春まきなら草丈二十センチのころが目安です。穂が出てからの追肥は倒伏の元になります。
- 株元を避けて条の間に
- 肥料が葉や茎に触れると傷むので、条と条の間に薄くまいて土と混ぜます。雨の前にまくと溶けて根に届きやすくなります。
土寄せと倒伏対策
エンバクは穂が出ると草丈が一メートル以上になり、雨と風で倒れやすくなります。倒れると穂が地面に触れて実が腐り、刈り取りもしにくくなります。土寄せ(株元に土を寄せて支えること)を茎が立ち上がる時期と草丈五十センチのころの二回行い、風の強い場所では支柱とひもで囲います。
- 一回目は茎が立つころ
- 条の間の土を鍬で株元に寄せ、三センチほど盛ります。草取りを兼ね、寄せた土で小さな草を埋めます。
- 二回目は草丈五十センチ
- もう一度条の間の土を寄せて株元を固めます。このとき条の間を軽く耕すと、根に空気が入って穂が充実します。
- ひもで囲う
- 畝の四隅と中間に支柱を立て、株の高さの半分の位置にひもを一周させます。穂が出たらもう一段上にも張ります。
ひもは麻ひもか園芸用のビニールひもで足ります。支柱は九十センチほどの短いもので十分で、穂の高さまで届かなくてもかまいません。
水やり
露地のエンバクは根が深く、秋まきならほとんど水やりが要りません。春まきは五月から六月に穂が出るころに乾燥が続くと実が入らなくなるので、十日以上雨がなければ畝の間に水を流します。プランターは表土が乾いたらたっぷりやり、穂が出た後は特に切らさないようにします。
| 場面 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 秋まき・冬 | 不要 | 乾燥が続いても根は生きている |
| 春の伸びる時期 | 二週間雨がなければやる | 葉が昼に巻いたら翌朝も見る |
| 穂が出てから実るまで | 十日雨がなければたっぷり | この時期の乾燥は実の入りを悪くする |
| プランター | 表土が乾いたら底から出るまで | 真夏の春まきは朝夕二回 |
水をやるときは葉に直接かけず、畝の間に流します。葉が長く濡れているとさび病が出やすくなります。
倒れたときの手当て
穂が出る前に倒れたら、二日から三日で先端が上を向いて立ち直るので触りません。穂が出た後に倒れたら、隣り合う株を束ねてひもで結び、支柱に寄せて起こします。折れた茎は戻らないので、実がある程度入っていれば早めに刈り取って干します。
- 穂が出る前は待つ
- 茎が柔らかい時期は無理に起こすと折れます。数日待って立ち上がったら、土寄せで株元を固めます。
- 穂が出た後は束ねる
- 五株ほどをゆるく束ねて支柱に結びます。穂同士が強くこすれると実が落ちるので、きつく縛りません。
- 折れた株は早刈り
- 実が固まり始めていれば刈って軒下につるし、追熟させます。青いままなら緑肥として鋤き込みます。
エンバクの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
エンバクの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエンバクの育て方にまとめています。
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