摘心する理由と時期
オカノリは放っておくと真上に伸び続け、一メートルから一メートル半になります。高くなるほど葉は硬くなり、手も届かなくなります。摘心(伸びる先端を切って止めること)をして横に枝を出させると、やわらかい葉を長く採れます。
一回目の摘心は草丈三十センチほど、本葉が八枚から十枚になったころです。この段階で先を止めると、下の葉の付け根から脇の芽が四本から六本出て、収穫できる枝の数が一気に増えます。
| 時期 | 株の姿 | やること |
|---|---|---|
| 草丈30センチ | 本葉8枚から10枚 | 先端を切って止める |
| 脇枝が30センチ | 枝が4本から6本 | 各枝の先を止める |
| 夏の伸び盛り | 枝が混み合う | 内側の細い枝を間引く |
一回目の摘心のやり方
草丈三十センチになったら、先端から五センチほどの位置ではさみを入れます。切る位置は葉の付け根のすぐ上です。付け根から離れた場所で切ると、残った茎が枯れ込んで見た目も悪くなります。
切り取った先端はやわらかく、そのまま食べられます。摘心は捨てる作業ではなく、最初の収穫だと考えると気が楽になります。切り口は晴れた日なら一日で乾きます。
- 草丈三十センチで切る
- 地面から三十センチほどになり、本葉が八枚から十枚そろったら摘心の適期です。それより早いと株が弱ります。
- 葉の付け根の上で切る
- 残す葉の付け根から一センチほど上ではさみを入れます。離れた位置で切ると茎が枯れ込みます。
- 晴れた日の午前に行う
- 切り口が早く乾く晴れた日の午前に作業します。雨の日に切ると切り口から傷むことがあります。
- 切った先は食べる
- 摘み取った先端はやわらかく、味噌汁やおひたしに使えます。捨てずに最初の収穫として使います。
はさみは使う前に汚れを落としておきます。前の株の汁が付いたままだと、病気を移すもとになります。
二回目以降で枝数を増やす
一回目の摘心から二週間ほどで、脇の芽が四本から六本伸びてきます。それぞれが三十センチほどになったら、また先を止めます。これを繰り返すと株が横に広がり、収穫できる先端の数が倍々に増えていきます。
ただし増やしすぎると枝が混み合い、内側の葉に日が当たらなくなります。一株あたり八本から十本を目安にし、それ以上になったら細い枝を根元から間引きます。
- 脇枝が三十センチで止める
- 伸びた脇枝それぞれの先を、葉の付け根の上で切ります。同じ日にまとめてやると管理が楽です。
- 八本から十本に絞る
- 枝が増えすぎたら、内側の細い枝を根元から切って間引きます。日と風が中まで通るようになります。
- 下の古い葉を外す
- 地面に近い黄色い葉を付け根から取り除きます。風通しが良くなり、虫の隠れ場所も減らせます。
花を咲かせずに葉を採り続ける
オカノリは夏の終わりに淡い紅色の小さな花を付けます。花が咲き始めると株の力が種作りに向かい、葉が硬く小さくなります。長く収穫したいなら、つぼみが見えた段階でその枝の先を切り落とします。
花を楽しみたい枝を一本だけ残す、という使い分けもできます。残した枝で種を採れば、翌年またまくことができます。ほかの枝は摘心を続けて葉の収穫に回します。
- つぼみを見つけたら切る
- 葉の付け根に小さなつぼみが見えたら、その枝の先を切り落とします。放つと葉が硬くなります。
- 種用に一本だけ残す
- 種を採るなら株の外側の枝を一本だけ残して咲かせます。残りの枝はこれまで通り摘心を続けます。
- 花のあとに追肥する
- 追肥(育てながら足す肥料)を株の周りにひとつまみ施すと、勢いが戻って新しい枝が出ます。
支えが要る大きさになったら
摘心をしていても、夏の終わりには株の幅が六十センチほどに広がります。枝に葉が茂ると風で株ごと傾くことがあるので、株の周りに支柱を三本立てて紐で囲うと安心です。
プランターで作る場合は特に倒れやすくなります。深さ三十センチ以上の容器を使い、株元まで土を入れて根を安定させます。それでも傾くようなら、支柱を一本添えて茎を軽く結びます。
- 支柱三本で囲う
- 株から二十センチ離した位置に支柱を三本立て、株の高さの半分あたりで紐を一周させて囲います。
- 容器は深いものを選ぶ
- 深さ三十センチ以上の容器を使い、土を縁近くまで入れます。浅いと根が支えきれず傾きます。
- 結ぶときはゆるく
- 茎と支柱を八の字に結び、指が一本入るゆるさにします。きつく締めると茎が食い込んで折れます。
枝作りでつまずいたときの直し方
摘心が遅れた、脇の芽が出ない、枝が混みすぎた。オカノリの枝作りの失敗は、生育が旺盛な作物だけに途中からでも十分に取り返せます。
- 一メートルまで伸ばしてしまった
- 思い切って地上三十センチで切り戻します。二週間ほどで脇の芽が出て、また採れるようになります。
- 摘心しても脇芽が出ない
- 肥料切れか日照不足です。株の周りに化成肥料をひとつまみ施し、周りの背の高い作物の陰になっていないか確かめます。
- 枝が混んで中が蒸れる
- 内側の細い枝を根元から切って間引きます。一株八本から十本まで減らすと、中まで日が届きます。
- 切り口が黒く枯れ込む
- 葉の付け根から離れた位置で切っています。枯れた部分を付け根の上まで切り直し、次からは近い位置で切ります。
オカノリのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
オカノリの収穫までのコツは作物ページに
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