半年近く採り続けられる
オカノリは四月にまいて六月から十月まで収穫できる、期間の長い葉物です。摘心(伸びる先端を切って止めること)を重ねて枝を増やしながら、伸びてきた先端と若い葉を順に摘んでいく育て方になります。
作業が集中するのは、まき時の春と、枝作りをする六月です。そこを越えれば、あとは収穫と追肥を繰り返すだけになるので、手のかからない作物です。
| 作型 | 種まき | 摘心 | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 春まき | 4月〜5月 | 5月下旬〜6月 | 6月〜10月 |
| 初夏まき | 6月 | 7月 | 7月〜10月 |
| 秋まき | 9月 | 10月上旬 | 10月〜11月 |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地栽培を目安にした一覧です。暖地では三月下旬からまけ、収穫も十一月まで延びます。寒冷地では五月中旬以降にまき、十月中に採り切る組み立てになります。
自分の畑の適期は記録でしか分かりません。まいた日、摘心した日、初収穫の日を残しておくと、翌年はそのまま同じ流れで動けます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 石灰をまいて耕す | オクラの跡地は避ける |
| 4月 | 元肥を入れて種まき | 前夜に種を水につける |
| 5月 | 二回の間引き、株間30センチ | 下旬に一回目の摘心 |
| 6月 | 脇枝の摘心と収穫開始 | 追肥を始める |
| 7月 | 収穫と追肥、敷き草 | 朝にたっぷり水を与える |
| 8月 | 収穫の本番、枝の間引き | 混んだ枝を根元から切る |
| 9月 | つぼみを摘む、追肥 | 花を咲かせると葉が硬くなる |
| 10月 | 採り納め、株を片づける | 霜の前に残った葉を全部摘む |
| 11月 | 畑を休ませる | 根を掘り上げて外へ出す |
| 12月 | 次作の計画 | 翌年の場所を決めておく |
春はまき方で決まる
四月から五月は、種の準備と間引きが仕事です。前夜に水につけてからまくこと、本葉が出たら遅れずに間引くこと。この二つを守れば、あとは勝手に育ってくれます。
遅霜の心配がある地域では、四月中旬まで待ちます。地温が十五度を超えてからまくほうが発芽がそろい、結局は早く育ちます。焦って三月にまいても、芽が出るまでの日数が延びるだけです。
- 3月に土を作る
- 苦土石灰をまいて深さ二十センチまで耕し、二週間おいてから完熟堆肥と化成肥料を入れて畝を立てます。
- 4月に水につけてまく
- 前夜から種を水につけ、翌日すじまきします。覆土は一センチ、手のひらで押さえます。
- 5月に二回間引く
- 本葉二枚で株間五センチ、本葉四枚から五枚で二十五センチから三十センチまで広げます。
夏は摘心と収穫を繰り返す
六月から八月がオカノリの本番です。枝の先を止めては脇の芽を出させ、伸びた先端と若い葉を摘み続けます。摘むほど新しい芽が出るので、遠慮せずに採るのがこつです。
この時期は乾きが最大の敵になります。朝にたっぷり与え、株元に敷きわらを敷いて地面からの乾きを止めます。追肥は三週間おきに欠かさず続けます。
- 枝が三十センチで止める
- 伸びた枝の先を葉の付け根の上で切ります。二週間ほどで新しい脇の芽が伸びてきます。
- 週に二回摘み取る
- 先端から十五センチほどのやわらかい部分を摘みます。採り続けるほど新しい芽が出ます。
- 敷き草で乾きを止める
- 梅雨明けまでに株元へ敷きわらを三センチ敷きます。真夏の水やりの回数がはっきり減ります。
- 混んだ枝を間引く
- 枝が十本を超えたら、内側の細い枝を根元から切ります。日と風が中まで届くようになります。
秋はつぼみを摘んで延ばす
九月に入ると株はつぼみを付け始めます。花が咲くと葉が硬くなるので、見つけたらその枝の先ごと切り落とします。追肥を一回足すと、また新しいやわらかい芽が伸びます。
十月下旬から十一月にかけて初霜が来ます。霜に当たった葉は使えなくなるので、予報が出たら残っている葉をすべて摘んで、株を片づけます。
- つぼみを見つけたら切る
- 葉の付け根の小さなつぼみを、枝の先ごと切り落とします。放つと葉が硬く小さくなります。
- 9月に追肥を足す
- 株の周りに化成肥料をひとつまみ施して土と混ぜます。秋の伸びが戻り、収穫が延びます。
- 霜の前に採り切る
- 初霜の予報が出たら、残った葉を全部摘みます。翌朝には使えなくなっていることがあります。
予定がずれたときの立て直し
まき遅れや摘心の遅れは、生育の勢いが強い作物なので途中からでも十分に取り返せます。どこでずれたかによって手当てが変わるので、まず自分がどの段階でつまずいたかを確かめます。
- 種まきが7月にずれた
- まだ十分に間に合います。気温が高く生育の早い時期なので、八月下旬から十月まで収穫できます。
- 摘心が遅れて背が伸びた
- 地上三十センチで思い切って切り戻します。二週間で脇の芽が出て、また採れるようになります。
- 花が咲いてしまった
- 咲いた枝を根元近くまで切り、追肥を一回します。新しい枝が出れば収穫を再開できます。
- 夏に採り忘れて硬くなった
- 硬い葉は天ぷらや炒め物に使えます。株は切り戻して、やわらかい新芽の収穫に切り替えます。
オカノリの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
オカノリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオカノリの育て方にまとめています。
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