芽かきで一株の取り分を決める
一つの種いもからは五本から十本の芽が出ます。すべて育てると株の中で養分が分散し、小さいいもばかりになります。二本に絞ると一本あたりに回る養分が増え、中玉から大玉の割合がはっきり上がります。
小さいいもを数多く採って皮ごと調理したいなら、三本残す選び方もあります。ただし本数を増やすほど株元が混み合って風が抜けず、梅雨の疫病が出る時期も早まります。
| 残す茎の数 | いもの大きさ | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 一本 | 大玉が中心 | 少数を大きく育てたいとき |
| 二本 | 中玉から大玉 | 標準。多くの家庭菜園はここ |
| 三本 | 中玉と小玉が混ざる | 皮ごと使う小いもがほしいとき |
| 四本以上 | 小玉ばかりになる | 勧められない |
芽かきの時期とやり方
草丈が十センチから十五センチになったころが適期です。これより早いと残す芽の勢いが見分けられず、遅くなると根が絡み合い、抜くときに種いもごと持ち上がってしまいます。
- 残す芽を選ぶ
- 太くて節の間が詰まった芽を二本残します。ひょろりと長い芽や、あとから遅れて出てきた芽を抜きます。
- 抜き方
- 株元の土を片手で強く押さえ、もう一方の手で芽の根元を持って横へ倒すように引きます。真上に引くと種いもが浮いて他の芽も傷みます。
- 抜いたあと
- 土が緩んだら株元へ寄せて手で押さえます。晴れた日の午前に行うと、傷口が早く乾いて病気が入りにくくなります。
抜いた芽を株間へ挿しておくと根づくことがあります。ただし収量は本来の株にとうてい及ばないので、余った場所での試しにとどめます。
一回目の土寄せと追肥
芽かき(余分な芽を根元から取ること)と同時に一回目の土寄せ(株元へ土を寄せること)を行います。株元へ五センチから六センチの土を寄せ、細い茎が風で倒れないよう支えます。このとき追肥(育てている途中で足す肥料)を株の周囲へまいてから土をかけると、肥料が水と一緒に根まで届きます。
追肥の量は一株あたり化成肥料で一つまみから二つまみです。窒素を効かせすぎると茎葉が茂っていもの肥大が遅れるため、控えめに始めて、葉色が薄ければ二回目の土寄せで足すという順番にします。
- 土をほぐす
- 通路の土を軽くほぐしてから寄せます。固まりのまま乗せると水がしみ込まず、株元だけが乾いた状態になります。
- 追肥を置く
- 株から十センチほど離した位置にまきます。株元へ直接まくと、伸び始めた地下茎が肥料に当たって傷みます。
- 土をかぶせる
- 肥料の上に土を寄せて隠します。むき出しのままだと雨で流れ、株の外へ出てしまって効きません。
二回目の土寄せが品質を決める
一回目から二週間から三週間後、草丈が三十センチほどになったころに二回目を行います。さらに五センチから十センチ土を足し、最終的に種いもの上に二十センチ以上の土がある状態を目指します。
新しいいもは種いもより上、地表に近い側にできます。土の量が足りないといもが地表に露出し、日光に当たって緑色になり食べられなくなります。二回目の土寄せは、味や大きさ以前に、この露出を防ぐための作業です。
| 回 | 時期の目安 | 草丈 | 足す土の量 |
|---|---|---|---|
| 一回目 | 芽かきと同時 | 十五センチ前後 | 五センチから六センチ |
| 二回目 | 一回目の二、三週間後 | 三十センチ前後 | 五センチから十センチ |
| 締め切り | つぼみが見えるまで | 開花の直前 | 種いもの上に二十センチ以上 |
つぼみが見え始めたら、いもの肥大が本格化する合図です。土寄せはこの時期までに終えます。それ以降に根を切ると肥大が止まってしまいます。
土寄せが足りなかったときの立て直し
生育の途中でいもの肩が土から見えてきたら、気づいた時点で土を足します。花が終わったあとでも、株元を掘り返さずに土をかぶせるだけなら遅すぎることはありません。
通路の土をこれ以上取れない、あるいは容器栽培で土を足せないという場合は、株元に敷きわらや刈り草を厚く敷いて光を遮ります。土寄せの完全な代わりにはなりませんが、緑化はかなり防げます。
- 肩が見えたとき
- 気づいた日に土を足します。すでに緑になった部分は戻りませんが、そこから先に緑化が広がるのは止められます。
- 花が終わった後
- 株元を掘り返さず、土をかぶせるだけにとどめます。この時期に根を切ると、そこで肥大が止まってしまいます。
- 土が足せないとき
- 刈り草や敷きわらを株元へ厚く敷いて光を遮ります。土寄せの代わりにはなりませんが緑化はかなり減ります。
プランターでは増し土で代用する
深さ三十センチ以上の容器を選び、植え付けの時点では土を七分目までにとどめておきます。生育に合わせて二回に分けて土を足していくと、畑の土寄せとほぼ同じ効果が得られます。
容器栽培で失敗しやすいのは株数を欲張ることです。三十リットルの容器なら二株、十リットルなら一株が上限です。詰め込むと土が乾きやすく、水切れといもの大きさのばらつきが同時に起こります。
| 容器の大きさ | 植える株数 | 増し土の目安 |
|---|---|---|
| 十リットル | 一株 | 二回に分けて五センチずつ |
| 三十リットル | 二株 | 二回に分けて七センチずつ |
| 深さ三十センチ未満 | 勧められない | 土を足す余地が残らない |
じゃがいもの土寄せに使うもの
土寄せは道具で速さが決まる作業です。株数が多いほど、手より道具のほうが早く終わります。
- くわ(平ぐわ)探す言葉「平ぐわ 家庭菜園」
- 規格の目安
- 刃幅 18cm 前後。柄は身長の 6 割くらいが振りやすい目安です。
通路の土を株元へ寄せる動きに向きます。畝立てにもそのまま使えます。
- 三角ホー探す言葉「三角ホー 土寄せ」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm。先が尖っているので、株の間へ差し込めます。
株間の狭い作物は、くわだと株を傷めます。細かいところは三角ホーのほうが確実です。
- 株数が数株なら、移植ごてでも足ります。
- 専用の土寄せ器は、畑がある程度の広さになってからで十分です。
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