水やりは土と葉を見て決める
地植えは根付いた後、真夏の乾燥時以外は雨まかせで育ちます。実が太る七月から九月に一週間以上雨がなければ、株の周りにバケツ二杯ほど与えます。鉢植えは土の表面が乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与え、夏は毎日、春秋は二〜三日に一回が目安です。
マルメロは乾いた気候を好み、過湿を嫌います。水はけの悪い場所では根が傷み、病気も出やすくなります。水を与えすぎるより、乾いてから与える方が失敗しません。
| 時期 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 3〜5月 | 不要 | 二〜三日に一回 |
| 6〜9月 | 一週間雨がなければ | 毎日、猛暑は朝夕 |
| 10〜11月 | 不要 | 三〜四日に一回 |
| 12〜2月 | 不要 | 週に一回程度 |
葉が昼にしおれて夕方に戻るなら水切れの前触れです。翌朝たっぷり与えます。
肥料は年二〜三回
肥料は多く要りません。二月の寒肥を主にし、六月の追肥と十月のお礼肥を少量加えます。窒素が多いと枝ばかり伸びて花がつかず、病気も増えます。寒肥は堆肥と油かすなどの有機質肥料を株元から離して埋め、ゆっくり効かせます。
- 二月の寒肥
- 幹から五十センチほど離れた場所に浅い溝を掘り、堆肥をバケツ一杯と油かすを二握りほど入れて土を戻します。一年で最も多く与える回です。
- 六月の追肥
- 実が親指の先ほどになったころ、化成肥料を一握り、幹から離してまきます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は少量にとどめます。
- 十月のお礼肥
- 収穫の前後に化成肥料を一握り与え、収穫で消耗した木を回復させます。十一月以降は与えません。
鉢植えは十号鉢で寒肥を大さじ二杯、追肥とお礼肥を大さじ一杯に減らします。
摘果で実を大きくする
マルメロは花が多くつき、そのままでは小さな実がたくさんついて木が疲れます。六月上旬、自然に落ちる実が落ち終わったころに、葉三十〜四十枚に実一個を目安に摘みます。一か所に二〜三個ついた実は、大きく形のよい一個を残します。摘果をしないと翌年に花がつかない隔年結果が起きやすくなります。
- 生理落果を待つ
- 五月下旬から六月上旬に小さな実が自然に落ちます。これが終わるまでは摘まず、残った実から選びます。
- 傷のある実と小さい実を落とす
- 傷や変形のある実、極端に小さい実、枝の先端で風にこすれそうな実から順に摘みます。ハサミで軸を切ります。
- 枝ごとに数を決める
- 一枝に一〜二個、木全体では若木で五〜十個、成木で二十〜三十個を目安に残します。鉢植えは三〜五個に抑えます。
実が多かった年ほど翌年の花が減ります。多い年は摘果を強めにして、毎年の収穫をならします。
袋かけで虫と病気を防ぐ
摘果が終わったら、実に果実袋をかけます。マルメロは実に入るシンクイムシと、表面に出る黒い斑点の病気が多く、袋をかけるだけで被害が大きく減ります。市販のナシやリンゴ用の果実袋で構いません。袋は収穫まで外しません。
- 六月中旬までにかける
- 摘果の直後、実が親指の先から梅の実ほどのうちに袋をかけます。遅れると虫が入った後になります。
- 口をしっかり閉じる
- 袋の口を軸に巻きつけ、付属の針金でしっかり留めます。すき間があると虫が入り、雨水もたまります。
- 袋の上から様子を見る
- 月に一回、袋を軽く触って実の大きさと硬さを確かめます。袋が破れていれば掛け替えます。
袋をかけない実は、六月から八月に果樹用の殺虫剤を使う方法もあります。ラベルの対象作物と回数を守ります。
冬越しと株元の管理
マルメロは寒さに強く、関東平野部でも寒冷地でも露地で越冬します。特別な防寒は要りませんが、鉢植えは北風の当たらない日なたに置き、土が乾ききらないように週一回ほど水を与えます。冬の間に落ち葉と落ちた実を片付け、病気の元を減らします。
| 場面 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 落葉後 | 落ち葉と落果を集めて処分 | 病気の胞子を残さない |
| 十二月〜二月 | 剪定と寒肥 | 枝が見えるうちに |
| 積雪地 | 主枝を縄で軽くまとめる | 雪の重みで裂けるのを防ぐ |
| 鉢植え | 北風を避けた日なたへ | 週一回の水やり |
幹の粗皮の下で虫が越冬します。冬に粗皮を軽くこすって落とすと翌年の被害が減ります。
葉の色と実の姿で見直す
葉の色と実の育ち方は、水と肥料の過不足を映します。全体が薄い黄緑なら肥料不足、枝ばかり伸びて花がないなら窒素過多、実が小さく多いなら摘果不足です。マルメロは丈夫な木なので、迷ったら肥料を減らす方向で判断します。
| 見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が薄い黄緑 | 肥料不足 | 六月の追肥を確かめる |
| 長い枝ばかりで花がない | 窒素過多・切りすぎ | 寒肥を減らし剪定を軽く |
| 実が小さく数が多い | 摘果不足 | 葉三十枚に一個まで減らす |
| 葉が昼にしおれる | 水切れ | たっぷり与え、敷きわら |
新しい葉が濃い緑で、短い枝が毎年出ていれば管理は合っています。
弱ったときの立て直し
葉が早く落ちる、枝先が枯れ込む、実がつかなくなった、というときは、肥料をやめて水はけと風通しを見直し、翌年は実をならせずに回復を待ちます。弱った木に肥料を与えると根がさらに傷みます。
- 水はけを確かめる
- 雨の翌日に株元を掘り、水がたまっていれば排水が悪い証拠です。周りに溝を切るか、鉢なら用土を軽石入りに替えます。
- 枝を減らして負担を軽くする
- 根が弱っているなら、冬に枝を三割ほど抜いて釣り合いを取ります。翌年は花をすべて摘み、実をならせません。
- 落ち葉を集めて病気を止める
- 早く落ちた葉は病気のことが多いです。集めて処分し、翌春に殺菌剤を予防的に使います。
回復した年は実をならせず、翌年から再開すると木が長持ちします。
マルメロの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
マルメロの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマルメロの育て方にまとめています。
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