追肥は間引きに合わせる
大根の肥料は元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)が中心で、追肥(育てている途中で足す肥料)はそれを補う位置づけです。与えるのは1回目の間引きと2回目の間引きの直後で、根が本格的に太り始める前までに終えます。太り始めてから窒素を効かせると、葉ばかり茂って根が伸び悩み、肌もざらつきやすくなります。
量は多くありません。1平方メートルあたり化成肥料をひと握り程度、株から10センチほど離した位置に施し、中耕して土に混ぜてから土寄せ(株元へ土を寄せること)します。根の真上に置くと肥料焼けで先端が傷み、又根の原因になります。
| 時期 | 目安 | 置く場所 |
|---|---|---|
| 1回目の間引き後 | 化成肥料を軽くひと握り | 条の両側、株から10センチ |
| 2回目の間引き後 | 同量 | 畝の肩の部分 |
| 根が太り始めてから | 原則として与えない | 葉が優先され根が止まるため |
葉が黄ばむ、外葉が立たずに垂れるといった状態は肥料切れの合図です。太り始めていても、この場合だけは薄い液肥で補います。
土寄せは二つの役目を持つ
ひとつは倒伏を防ぐことです。大根の葉は大きく、風を受けると株ごと傾きます。一度倒れた株は根の伸びる向きが変わり、曲がったまま太ります。もうひとつは首の緑化を抑えることで、地上に出た部分が日に当たると青くなり、辛みと硬さが強く出ます。
青首大根はもともと首が地上に出る性質で、青くなること自体は欠点ではありません。ただし出すぎると寒さで凍害を受け、その部分から傷みます。首が3センチ以上せり上がってきたら、そのぶんを埋め戻す程度に寄せます。
- 1本立ちの直後
- 株元がぐらつかない高さまで、周囲の土を指で寄せます。子葉の位置が埋まらない範囲にとどめます。
- 根が太り始めたら
- 畝の肩の土を軽くほぐし、首の露出した部分を覆います。土を鍬で強く押しつけると根の肌に傷が残ります。
- 冬の冷え込み前
- 収穫が12月以降になる株は、首がしっかり隠れるまで寄せます。凍害とひび割れの多くはここで防げます。
水やりは量より均一さ
大根の裂根、つまり縦に割れる症状の多くは、乾いた状態が続いたあとに急に水が入ったときに起きます。内側が急に膨らんで外側の皮が追いつかず裂けるためです。したがって重要なのは総量より、極端な乾湿の差をつくらないことです。
露地の秋まきでは、発芽までは毎日、その後は雨に任せて構いません。2週間近く雨がなく葉が昼にしおれるようなら、株間ではなく畝全体に、深くしみるようたっぷり与えます。プランターは乾きが速いので、表土が乾いたら底から流れるまで与えます。
| 時期 | 水のやり方 | 理由 |
|---|---|---|
| 播種から発芽まで | 毎日、表土を乾かさない | 乾くと発芽の日がそろわない |
| 本葉が出てから | 雨に任せる | 水を探して根が深くまで伸びる |
| 2週間雨がないとき | 畝全体に深くしみるまで | 乾湿の差が裂根の引き金になる |
| プランター | 表土が乾いたら底から流れるまで | 土の量が少なく乾きが速い |
晴天が続いた後の大雨は裂根が出やすい条件です。予報が分かっているなら、その前に収穫適期の株を抜いてしまうのも手です。
中耕と除草でやってはいけないこと
生育の前半は畝の表面を軽くほぐし、雑草を早めに取ります。表土が固まると水と空気が入らず、根の伸びが鈍るためです。ただし根が太り始めたあとに鍬を入れると、伸びた側根を切ってしまい、そこから傷みが入ります。
後半の除草は手で抜くか、地際で切るだけにとどめます。畝の上を歩いて土を踏み固めるのも避けます。踏圧で硬くなった部分に根の先端が当たると、そこから曲がります。
- 前半はほぐす
- 1本立ちまでは畝の表面を浅くほぐし、雑草を早く取ります。表土が固まると水と空気が入りません。
- 後半は鍬を入れない
- 根が太り始めたら手で抜くか地際で切ります。切った側根の傷から、土の中で傷みが入っていきます。
- 畝の上を歩かない
- 踏み固めた場所は根の先端が当たって曲がります。作業は通路側から手を伸ばして行うようにします。
作業は雨上がりの直後を避け、土が指につかない程度に乾いてから行うと、土を締めずに済みます。
生育が思わしくないときの見分け
- 葉は茂るが根が細い
- 窒素過多か株間が狭すぎます。追肥を止め、周囲の株を抜いて光と間隔を確保します。次作では元肥を減らします。
- 葉が小さく色が薄い
- 肥料切れか根の障害です。まず薄い液肥で反応を見て、変わらなければ根を掘って害虫や病斑がないか確かめます。
- 株が傾いたまま育つ
- 土寄せ不足か強風です。今から起こしても根の向きは戻りません。倒れた側に土を寄せて、これ以上傾かないようにします。
プランターと袋栽培の勘どころ
容器では土の量が限られるため、根が底に届くより先に水と肥料が切れます。短形種かミニ大根を選び、株数を欲張らないことが、畑よりも強く結果に効きます。
- 容器の深さ
- 短形種で30センチ以上、ミニ大根で20センチ以上を選びます。根が底に当たると先が丸く止まります。
- 株数の上限
- 幅65センチの標準プランターならミニ大根3株までです。詰めると乾きが速く、太さもそろいません。
- 追肥の回数
- 水やりで流れ出やすいので、間引きごとに少量ずつ2回与えます。1回に多く与えると根が傷みます。
袋栽培なら土の深さを自由に取れます。培養土の袋を立てて底に水抜き穴をあけるだけで、深型の容器の代わりになります。
大根の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
大根の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大根の育て方にまとめています。
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