五月中旬より前にまかない
ゴマは発芽に二十度以上の地温が要る作物です。四月にまいても芽が出ないか、出ても寒さで止まり、あとから雑草に負けます。関東の露地なら五月中旬から六月中旬がまき時で、遅くても六月末までにまけば九月に収穫できます。
早まきしたくなる気持ちは分かりますが、ゴマは生育が速く、九十日から百日で穫れます。六月にまいても十分間に合うので、地温が上がるのを待つほうが結果はよくなります。
| 時期 | 向き不向き | 注意 |
|---|---|---|
| 4月〜5月上旬 | 不向き | 地温が足りず発芽しない |
| 5月中旬〜6月中旬 | いちばん失敗が少ない | 梅雨入り前に発芽させる |
| 6月下旬〜7月上旬 | できるが遅い | 草丈が低く収量は減る |
点まきで五粒ずつ、覆土は薄く
ゴマの種はとても小さいので、深くまくと芽が出てこられません。指で作った浅いくぼみに四粒から五粒ずつ落とし、五ミリほどの土をかぶせて手で軽く押さえます。株間は二十センチから三十センチ、条間(列と列の間)は六十センチほど取ります。
すじまきでも育ちますが、間引きの手間が増えるので点まきが向いています。まいたあとはたっぷり水をやり、発芽までの四日から一週間は土の表面を乾かさないようにします。
- 畝を立てる
- 幅六十センチ、高さ十センチの畝を作ります。水はけの悪い畑ならもう少し高くして、根が水に浸からないようにします。
- くぼみに五粒
- 指先で深さ一センチのくぼみを作り、四粒から五粒落とします。小さな種なので、紙を折って滑らせると数を数えやすくなります。
- 薄く覆土して押さえる
- 周りの土を指で寄せて五ミリほどかぶせ、手のひらで軽く押さえます。厚くかぶせると芽が出てきません。
- 発芽まで乾かさない
- まいた直後にたっぷり水をやり、芽が出そろうまで土の表面が白く乾いたら朝に与えます。
鳥が種を拾うことがあります。まいた直後に不織布をべた掛けしておくと、乾き防止と鳥よけの両方になります。
肥料は控えめ、土は水はけを優先
ゴマは痩せた土でも育つ作物で、肥料が多いと茎ばかり伸びて倒れやすくなります。まく二週間前に苦土石灰を一平方メートルに百グラムほど、一週間前に完熟堆肥を二キロと化成肥料をひと握りほど混ぜれば十分です。
水はけの悪い土では根が傷んで立ち枯れが出ます。粘土質の畑なら畝を十五センチ以上に高くし、腐葉土を多めに混ぜて水の抜けをよくしておきます。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰をまいて二十センチの深さまで耕します。酸性が強い土は生育が鈍るので、前の作物で石灰を入れていない畑ほど忘れずに入れます。
- 一週間前に堆肥と肥料
- 完熟堆肥と化成肥料を混ぜ込みます。前作の肥料が残っている畑なら化成肥料は半分にします。
- 高畝を立てる
- 水はけに応じて十センチから十五センチの高さの畝を立て、表面を平らにならします。雨のあとに水たまりが残る畑ほど高くします。
本葉二枚と四枚で二回に分けて間引く
発芽が揃ったら、本葉二枚のころに三本、本葉四枚から五枚のころに一本にします。一度に一本にすると、残した株が虫や風で倒れたときに欠株になります。二回に分けておくと保険になります。
残す株は茎が太くまっすぐで、双葉が左右に開いている株です。間引く株は引き抜かず、地際でハサミで切ると隣の根を傷めません。
- 本葉二枚で三本にする
- 五本のうち細い株と曲がった株を地際で切り、三本を残します。この段階では株同士がまだ触れ合っていません。
- 本葉四枚で一本にする
- いちばん太い一本を残して切ります。残した株の根元へ周りの土を寄せて、ぐらつかないようにします。
- 欠株は隣から移す
- 芽が出なかった穴は、隣の間引き株を根ごと掘って移します。本葉二枚までなら根付きます。移したあとはたっぷり水を与え、二日ほど日よけをします。
間引きが遅れて株同士が触れ合うと、どちらも茎が細くなります。本葉四枚を過ぎたら迷わず一本にします。
発芽でつまずいたときの切り分け
芽が出ない、出てもすぐ消える、株がまばら。ゴマの種まきの失敗はほとんどが地温と覆土の厚さです。六月末までならまき直しが間に合うので、原因を確かめてからやり直します。
- 十日たっても芽が出ない
- 地温不足か覆土が厚すぎです。土を掘って種を確かめ、腐っていれば暖かくなってから薄い覆土でまき直します。
- 芽が出たあと根元から倒れる
- 水のやりすぎか土の水はけの悪さです。水を控え、次は畝を高くします。倒れた株は戻らないので早めに切り分けます。
- 芽が消えて土だけ残る
- 鳥かナメクジです。まき直したら不織布をかけ、株元にナメクジよけの誘引剤を置きます。朝に葉の表面が光っていればナメクジの跡です。
- 芽が細く伸びすぎる
- 不織布を外すのが遅れたか、まき溝が込みすぎです。早めに間引きして光と風を通します。
種まきの手順
ゴマは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
ゴマの種まきでよくある質問
ゴマの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ゴマの種はどうやってまく?
点まき / すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ゴマの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ゴマの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ゴマは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ゴマの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ゴマの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
ゴマの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゴマの育て方にまとめています。
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