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ほうれん草の収穫と寒じめ

ほうれん草の収穫と寒じめ|草丈の目安と冬に甘くする手順

ほうれん草の栽培イメージ

読むのに約 5

採り時は草丈で決めます。冬は寒気に当てる二週間で味が変わります。

採り時は草丈で決める

収穫の基準は日数ではなく草丈です。22〜25センチが標準で、大株にしたい越冬どりでも30センチまでには採ります。それ以上置くと葉が硬くなり、株元から古い葉が黄ばみ始めます。日数はあくまで目安で、同じ品種でも気温で倍近く変わります。

作型まいてから草丈採り方
春まき30〜40日22〜25センチ早めに一気に採る
夏まき25〜35日20〜25センチ朝の涼しいうちに
秋まき40〜50日25センチ前後大きい株から順に
越冬・寒じめ60日以上20〜30センチ晴れた日の午前に

生育日数は温度の積み上げで決まります。低温期は表の日数の1.5倍かかると見ておくと予定が狂いません。

抜くか、切るか

基本は根ごと抜く
株元を持ち、まっすぐ上に引き抜きます。ほうれん草は根元の赤い部分が甘いので、残さず抜いたほうが得です。
混んでいるところは切る
隣と根が絡んでいるときは、地際にはさみを入れます。無理に抜くと残す株の根が持ち上がり、そこから生育が止まります。
間引き収穫で長く採る
大きい株から順に抜けば、残った株に光と場所が回ります。1畝を一度に採らず、10日かけて採ると鮮度も保てます。
収穫後すぐ水に浸ける
抜いたらすぐ根元を水に浸けて、葉のしおれを戻します。畑に置いたまま作業を続けると、その分だけ日持ちが落ちます。

泥のついた根元は、束のまま水に浸けて根を振り洗いします。根を切り落とすのは調理の直前で十分です。

とう立ちが始まったら

株の中心を上からのぞいて、葉の付け根に短い茎が立ち上がり、小さな葉が輪になって出ていたら、とう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)の始まりです。この段階なら味は落ちておらず、まだ食べられます。茎が伸びて節が見えるようになると、繊維が硬くなり苦みが出ます。

とうが立ち始めた畝は、待っても回復しません。全部採ってしまうのが正解です。春まきで一斉に立ち始めたときは、その日のうちに採ってゆでて冷凍しておくと無駄になりません。

雄株と雌株を見分ける
ほうれん草には雄株と雌株があり、雄株のほうが先に立ちます。畝の一部だけ早く立つのはそのためで、品種の欠陥ではありません。
立ち始めを見たら全部採る
1株でも茎が立ったら、その畝は数日で追随します。畝単位で採りきる判断に切り替えます。
次作は品種を替える
春まきで毎年立つなら、晩抽性と明記された品種に替えます。管理では覆せない性質の差があります。

寒じめが成立する条件

寒じめは、収穫できる大きさまで育った株を、あえて寒気に当てて仕上げる方法です。株は凍らないように細胞の水を減らして糖を増やすので、葉が地面に張りつくように広がり、縮れて厚くなり、甘みが乗ります。ビタミンも同時に増えることが知られています。

成立には二つの条件が要ります。ひとつは寒気に当てる前にすでに収穫サイズであること。小さい株を寒さに当てても、縮れるだけで太りません。もうひとつは外気5℃前後、地温5〜8℃という本当に寒い時期であること。暖地の12月では足りないこともあります。

条件満たす基準満たせないとき
寒気に当てる前の大きさ草丈20センチ以上小さいまま縮れるだけで太らない
外気温5℃前後の日が続く暖地では効果が薄い
地温5〜8℃高いと糖が乗らない
当てる期間2〜3週間短いと葉が縮れきらない

品種は選びます。縮み系や寒じめ向きと書かれたものが縮れやすく、春まき用の品種では効果が出にくいです。

寒じめの手順

10〜11月にまいて年内に育てる
越冬・寒じめ用は最終株間を10〜15センチと広く取ります。詰めると葉が立ち上がり、地面に張りつく形になりません。
前半は日中だけ開ける
トンネルや不織布の裾を昼だけ開け、夜は閉めます。7〜10日かけて、いきなりではなく段階的に寒さに慣らします。
後半は終日開放する
その後は昼夜とも開けたままにします。合わせて2〜3週間で葉が縮れ、厚みが出て、色が濃くなります。
縮れて厚くなったら採る
葉が波打って地面に広がり、持つとしっかり厚みを感じたら仕上がりです。凍った朝ではなく、解けた午前に採ります。

露地でも寒風に当てれば同じことが起きます。設備がなくても、雪の少ない地域なら不織布を外すだけで足ります。

収穫後の扱いと保存

立てて冷蔵する
湿らせた紙で根元を包み、袋に入れて立てて野菜室へ。寝かせると株が起き上がろうとして体力を使い、葉が黄ばみます。
多いときはゆでて冷凍
かために塩ゆでして水にさらし、水気を絞って小分けにします。とう立ちで一度に採りきったときの逃げ道になります。
寒じめは早めに食べる
糖と水分の状態が特別なので、置くと持ち味が落ちます。採ったその日か翌日までに食べるのがいちばんです。
根元の赤い部分は残す
根元の赤みは甘みの強い部分です。切り落とさず、十文字に切れ目を入れて泥を洗い出してから使います。

うまく採れなかったときの原因を切り分ける

収穫でつまずく形は決まっています。硬い、えぐい、小さい、株ごとに大きさがそろわない。それぞれ原因が違い、次の作で直せるところも違うので、採り終えた時点で切り分けておきます。

とくに春まきは、採り遅れが失敗のほとんどを占めます。10日待てばもう少し大きくなるという判断が、とう立ちで一畝を失う結果につながります。迷ったら早く採るのが春の正解です。

大きい株から順に採る
一度に採りきれない量をまいたなら、大きい株から間引くように採ります。残った株に光と場所が回り、そろって太ります。
採ったら記録に残す
まいた日と採った日、そのときの草丈を残します。2年分たまれば、自分の畑での日数の目安がはっきりします。
見えている症状考えられる原因次の作で直すこと
葉が硬く筋っぽい採り遅れととう立ち草丈22〜25センチで採りきる
えぐみが強い窒素を効かせすぎた元肥を控え、追肥を1回に絞る
株が小さいまま止まった酸性か根の障害酸度を測り、次作の前に石灰
大きさがそろわない発芽がそろわなかったまき溝の底を平らにして深さを均一に

採り遅れだけは、翌年に直せる余地がいちばん大きい失敗です。まく日をずらして採り時を分散させるだけで、硬い葉を出さずに済みます。

ほうれん草の収穫に使うもの

穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。

  • 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
    規格の目安
    刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。

    引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。

  • 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
    規格の目安
    20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。

    袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。

  • 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
    規格の目安
    厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。

    穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。

  • 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
    規格の目安
    通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。

    根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
  • 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。

ほうれん草の収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はほうれん草の育て方にまとめています。

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