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イチゴのランナーで苗作り

イチゴのランナーで来年の苗を作る|太郎苗を捨てる理由と採苗手順

イチゴの栽培イメージ

読むのに約 5

次郎苗と三郎苗を使うのは、親株の病気を持ち込まないためです。

ランナーが出る時期と切る時期

収穫が終わる6月ごろから、株元より細いつるが伸び始めます。これがランナーで、先に子株をつけながら次々と伸びていきます。イチゴは種からではなく、このランナーで殖やすのが基本です。

収穫中の3月から5月にランナーが出たら、根元から切ります。実に回るはずの養分を取られるためです。逆に、収穫が終わったら切るのをやめ、伸ばして苗を作る側へ切り替えます。

時期ランナーの扱い理由
3月から5月見つけしだい根元から切る実へ回る養分を取られる
6月切るのをやめて伸ばす子株を作らせる
7月ポットで受けて根づかせる掘り上げで根を傷めない
8月切り離して苗として育てる秋の花芽分化に間に合わせる

親株にする株の選び方

苗の質は親株で決まります。収穫期に病気が出ず、実つきと味の良かった株に印をつけておき、それを親株として残します。株は年を重ねると勢いが落ちるので、親株は毎年入れ替えます。

収穫中に印を付ける
採りながら、実つきと味の良い株にひもや札を付けます。6月に見比べても、どれがよく採れた株かは分かりません。
病気の株は外す
灰色かび病が多かった株、葉が片側だけ小さかった株は候補から外します。苗を通して翌年へ持ち越すためです。
必要な数を決める
1株の親から使える子株はおよそ3株から5株です。植えたい数を先に決め、その3割増しを目標に親株を残します。

同じ系統から採り続けると、その株が持つ病気も引き継がれます。3年に一度は新しい苗を買い、系統を入れ替えると安心です。

太郎苗を使わない理由

親株から数えて最初にできる子株を太郎苗と呼びます。太郎苗は親に近いぶん、親が病気を持っていた場合に最も濃く受け継ぎます。また株が大きくなりすぎて、秋の花芽分化(翌年の花のもとが枝の中にできること)が遅れがちです。

そこで使うのは、その先の次郎苗と三郎苗です。親から距離があるので病気を持ち込みにくく、大きさもそろいます。四番目より先は充実が足りないことが多いため、実際には次郎と三郎が中心になります。

子株親からの位置苗に使うか理由
太郎苗1番目使わない病気を濃く受け継ぐ
次郎苗2番目使う大きさがそろい健全
三郎苗3番目使う秋までに十分育つ
四郎苗より先4番目以降余れば使う充実が足りないことが多い

太郎苗そのものは使いませんが、ランナーは切らずに伸ばします。切ってしまうと、その先の次郎苗へつながりません。

子株をポットで受ける手順

ポットを先に置く
直径9センチほどのポットに培養土を入れ、子株の真下へ置きます。畑の土へ直接根づかせると、掘り上げるときに根を切ってしまいます。
中心を土に触れさせる
子株の中心が土に接するよう、ピンや小石でランナーを押さえます。このときもクラウンを埋めないことが大切です。
向きをそろえて置く
ポットを一列に並べ、親側のランナーが同じ方向へ来るようにします。切り跡の向きがそろい、秋の植え付けが早く済みます。
切り離す時期
根が出てポットの底に回るまで、およそ3週間から4週間かかります。それまではランナーでつないだままにしておきます。
切り方と向き
親側のランナーを2センチほど残して切ります。この残した跡が植え付けのときの向きの目印になるので、根元ぎりぎりで切らないようにします。

夏の子株管理

7月から8月は高温と乾燥で枯らしやすい時期です。ポットは半日陰に置き、朝と夕に水を与えます。受け皿にためた水は日中に熱くなるので使いません。

肥料は薄い液肥を10日おき程度にとどめます。9月に入ったら肥料を切り、やや乾かし気味に管理すると花芽の分化が進みやすくなります。ここで肥料が残っていると、葉ばかりの苗になります。

置き場所
午前だけ日が当たる場所が最適です。コンクリートの上に直置きすると照り返しで鉢内が高温になるので、棚や板の上へ上げます。
水やり
朝と夕方の2回、鉢底から流れるまで与えます。日中に萎れても、暑い時間の潅水は根を傷めるので夕方まで待ちます。
9月の肥料切り
9月に入ったら液肥をやめます。株の中の窒素が下がると花芽ができやすくなり、10月の植え付けに間に合います。

植え付けまでに仕上げたい姿

10月の植え付け時点で、本葉3枚から5枚、クラウンの直径が1センチ前後、根が白くポットに回っている状態が目標です。この太さが、そのまま翌春の花房の数につながります。

苗が細いまま秋を迎えたら、無理に定植せずポットでもう少し育てます。ただし11月を過ぎると根が張らないので、その年は購入苗に切り替える判断も必要になります。

見るところ10月上旬の目標足りないときの手当て
クラウンの太さ直径1センチ前後定植を10日ほど遅らせる
本葉の数3枚から5枚古い下葉を整理する
根の色白く鉢に回る一回り大きい鉢へ移す
ランナーの跡2センチ残っている向きを札に書いておく

仕上がった苗は、切り跡の向きを確認してから植えます。ここを見ておくと、花房を通路側へそろえられます。

子株が育たないときの手当て

採苗でつまずく原因は、親株の疲れと水切れのどちらかがほとんどです。子株そのものを責める前に、親株の葉数と、ポットの土が乾いていないかを見ます。

ランナーが出ない
六月になっても伸びないのは、実を付けすぎて株が疲れているか肥料が足りない状態です。花房を早めに切り、薄い液肥を二週間おきに与えます。
子株が根を張らない
ポットの土が乾くと発根が止まります。受けた日から二週間は毎日水を与え、株元を軽く押さえて浮いた子株を土に密着させます。
葉に黒い斑点が出た
炭疽病の疑いがあるので、頭から水をかけるのをやめます。傷んだ子株は切り離して処分し、その先につながる苗も使いません。
切り離しが遅れた
九月を過ぎても親とつながっていると、根が浅いまま植え付けになります。切り離してから二週間ポットで慣らし、それから畝へ移します。

子株が足りない年は、無理に太郎苗まで使わず株数を減らします。細い苗を植えても、翌春の収穫はほとんど期待できません。

イチゴの種取り・株分けに使うもの

来年も同じものを育てるなら、しまい方でその種の寿命が変わります。

  • チャック付き保存袋探す言葉「チャック袋 小分け 種」
    規格の目安
    小さめのもの。品種名と採った年を書けるラベル面のあるものが便利です。

    種は湿気で寿命が縮みます。封のできる袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に置くのがいちばん簡単です。

  • 乾燥剤(シリカゲル)探す言葉「シリカゲル 乾燥剤 食品用」
    規格の目安
    食品用の小袋。色が変わって交換時期の分かるものがあります。

    袋に一緒に入れておくだけで、翌年の発芽率が変わります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • F1 品種の種を採っても、親と同じものにはなりません。採るなら固定種を選びます。
  • 専用の種子保存容器は要りません。袋と乾燥剤で足ります。

イチゴの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はイチゴの育て方にまとめています。

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