GadeninEnglishアプリを入れる
さつまいもの収穫と貯蔵

さつまいもの収穫とキュアリング|掘る目安と甘くする貯蔵

さつまいもの栽培イメージ

読むのに約 5

掘りたてが甘くないのは正常です。収穫の見極めと、乾燥から熟成までの温度管理をまとめます。

収穫の目安は日数と試し掘りの両方で

収穫期は植え付けからおよそ120〜150日、積算温度でいえば2200〜2500℃前後が目安になる。品種の早晩性で幅があり、早生系は100日程度、中生系は120日程度、晩生系は140日程度から掘れる。まず日数で当たりをつけ、そのうえで試し掘りをして最終判断する。

地上部の様子も手がかりになる。つるの伸びが止まり、下葉が黄色く枯れ上がってくれば肥大が終わりに近い。ただし葉が青々としていても日数が足りていれば太っていることがあり、逆もある。見た目だけで決めない。

植え付け日から数える
収穫の一次判断は日数で行う。植えた日と品種を控えておき、早生なら100日、中生なら120日を過ぎたら試し掘りに入る。
葉の状態は補助的に見る
下葉が黄色く枯れ上がり、つるの伸びが止まっていれば肥大の終盤。ただし葉が青いままでも太っていることがある。
霜の予報が出たら全部掘る
霜に当たったいもは貯蔵中に腐りやすく、味も戻らない。日数が足りなくても、予報が出た時点で残りを掘り上げる。
早晩性収穫までの目安代表的な傾向
早生系100日前後早く掘れるが貯蔵性はやや劣る
中生系120日前後家庭菜園の標準。扱いやすい
晩生系140日前後肥大に時間が要る。霜に注意

初霜に当てたいもは貯蔵中に腐りやすい。霜の予報が出たら、日数が足りなくても残りを全部掘り上げる。

試し掘りのやり方

畝の端の株から掘る
中央の株を掘ると隣の株の根を傷める。端の1株を選び、株元から20センチ以上離してスコップを入れる。
太さと形を見る
直径6〜8センチほどに太り、丸みが出ていれば収穫期。細長く筋張っているならあと二週間ほど待つ。
掘り時を逃さない
太らせすぎると内部に空洞や割れが出て、貯蔵性も落ちる。大きければよいわけではない。
戻さず食べる
試し掘りした株は元に戻しても回復しない。掘った分はその場で収穫として扱い、一〜二週間置いてから食べる。

傷をつけない掘り方

収穫作業の目的は、いもを掘り出すことよりも、傷をつけないことにある。皮が破れた部分から腐りが入るため、貯蔵の成否は掘る日の扱いでほぼ決まる。晴天が二〜三日続いて土が乾いた日を選ぶと、土が落ちやすく傷も減る。

一週間前につるを切る
収穫の数日から一週間前につるを株元で刈り取り、マルチも剥がす。作業しやすくなり、皮が締まって傷つきにくくなる。
株元から離してスコップ
株の真上ではなく、30センチほど外側から垂直に差し込んで土を持ち上げる。いもは想像より外まで伸びている。
最後は手で掘り出す
土が緩んだら道具を置き、手で掻き分けて引き抜く。爪でも皮は破れるので、いもの側面を持たず土ごと支える。
洗わない
水で洗うと皮の保護が失われ、腐りやすくなる。土は乾かしてから手で払う。食べる直前に洗えばよい。

掘ったいもは畑で半日ほど日陰に置いて土を乾かす。直射日光に長く当てると表面が傷み、貯蔵性が落ちる。

キュアリングで傷口を塞ぐ

キュアリングは、収穫直後に高温多湿の環境へ置いて傷口をコルク状に塞ぐ処理である。条件は温度30〜33℃、湿度90〜95パーセントで三〜四日間。これを行うと腐敗が激減し、貯蔵期間が延びるうえ、貯蔵中の品質の上がり方も早くなる。

家庭では箱と袋で代用する
段ボールにいもを入れ、湿らせた新聞紙を敷いて厚手のビニール袋で覆い、日の当たる室内や車内など暖かい場所に三〜四日置く。
密閉しきらない
完全に密閉すると酸素が足りず内部が傷む。袋の口は軽く折る程度にして、一日一回は開けて空気を入れ替える。
できないなら陰干しで代用
高温を用意できなければ、風通しのよい日陰に五〜十日並べて表面をしっかり乾かす。効果は劣るが、洗って濡れたまま置くよりはるかによい。
工程条件期間
キュアリング30〜33℃・湿度90〜95パーセント3〜4日
温度を下げる徐々に13〜15℃へ2〜3日かけて
貯蔵・熟成13〜15℃・湿度85〜90パーセント2週間〜数か月

貯蔵の温度と置き場所

貯蔵の適温は13〜15℃で、湿度は85〜90パーセントが目安になる。これより高いと芽が動いて水分が抜け、9℃を下回ると低温障害を起こして黒ずみ、味も戻らない。冷蔵庫の野菜室は多くの家庭で低すぎるため、長期の保存先には向かない。

一本ずつ新聞紙で包む
乾いたいもを一本ずつ新聞紙で包み、段ボールか発泡箱へ立てて入れる。互いの接触が減り、腐りが伝染しにくくなる。
暗く風の通る場所へ
光が当たると緑化し味が落ちる。北側の廊下や玄関、押し入れなど、暖房の直風が当たらない暗所が向く。
月に一度点検する
一本でも腐ると周囲へ広がる。月に一度は箱を開け、軟らかい部分や黒ずみのあるいもを取り除いて包み紙を替える。
温度帯起きること判断
18℃以上発芽して水分と甘みが抜ける暖房の効いた部屋は避ける
13〜15℃熟成が進み甘みが乗る最適。室内の暗く暖かい場所
9℃未満低温障害。黒変とパサつき冷蔵庫と屋外の冬は不可

掘りたてが甘くない理由と熟成

収穫直後のいもは水分が多く、甘みの主体である糖がまだ少ない。貯蔵中に酵素がでんぷんを少しずつ糖へ分解していくことで甘みが乗るため、掘ってすぐ食べるとどの品種でも物足りない。焼きいもにするなら最低でも二週間、できれば一か月以上置いてからにしたい。

熟成の速さは品種で違う。ホクホク系は比較的早く食べごろになり、ねっとり系は貯蔵を長く取るほど濃厚になる。同じ畑の同じ株から採ったいもでも、置いた期間で別物の味になるので、少しずつ試食して食べごろを探るとよい。

系統食感の傾向熟成の目安
ホクホク系粉質で上品な甘さ。焼き・蒸しに2週間〜1か月
しっとり系なめらかで喉ごしがよい1か月前後
ねっとり系糖度が高く濃厚。焼きいも向き1〜2か月以上

熟成が進むと皮の色が濃くなり、切り口から出る乳液が減る。目安の期間を過ぎたら一本焼いて味を確かめる。

貯蔵で傷んだときの原因を探す

貯蔵中の失敗はほとんどが温度と傷の二つに行き着く。傷んだいもを見つけたら、切って断面を見てから、置き場所の温度を測る順に確かめると原因がはっきりする。

症状考えられる原因手当て
表面に黒い斑点が出る低温にあたって傷んだ十三度以上に移し、早めに食べ切る
切り口から腐り広がるキュアリングをしていない傷のあるいもを分け、乾いた所に広げる
芽が出てしわが寄る置き場所が暖かすぎる十五度前後の暗い場所へ移す
掘って間もないのに甘くない熟成の期間が足りない一か月ほど置いてから食べる

腐り始めた一本は隣に移る。見つけたその日に取り除き、残りを広げ直して風の通る置き方に戻すこと。

さつまいもの乾燥・追熟に使うもの

穫ってすぐしまうと傷みます。風を通して乾かす場所と、吊るすものが要ります。

  • 乾燥ネット(三段)探す言葉「干し野菜 ネット 三段」
    規格の目安
    直径 45cm 前後の三段。吊るす場所の高さに合わせて選びます。

    網の中なら虫も鳥も入りません。地面に広げるより早く乾き、雨のときはそのまま取り込めます。

  • 麻ひも・吊り下げネット探す言葉「玉ねぎ 吊り下げ ネット」
    規格の目安
    目の粗いネット袋か、丈夫な麻ひも。

    軒下に吊るすのは、風を四方から当てるためです。積んだままだと下のものから傷みます。

  • 通気のある保存箱探す言葉「野菜 保存 木箱 通気」
    規格の目安
    側面に穴のあるコンテナか木箱。新聞紙を敷いて使います。

    乾いたあとの置き場所です。密閉すると内側に水滴が付き、そこからカビます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 軒下や風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても足ります。
  • 除湿機や乾燥機は、家庭菜園の量では要りません。

さつまいもの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はさつまいもの育て方にまとめています。

iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。

この記事は広告を含みます。

次に読む

さつまいもについて、続けて読むならこちら。

Gadenin 栽培記録アプリ・無料アプリを入れる