科: ヒルガオ科属: Ipomoea
栽培カレンダー
関東地方の目安です。地域と品種で前後します。実際の日付は記録に残しましょう。
9月のさつまいもは「収穫」の時期です。 9月の畑仕事を見る
さつまいもを詳しく知る
項目ごとに 1 ページで掘り下げています。いま知りたいところから読んでください。
記録しておきたいタイミング
挿し苗を植えた日
植え付けから収穫まで約 120 日。植えた日と、水平植え・斜め植えのどちらにしたかを残します。
つる返しをした日
節から根が出ると芋に養分が回りません。つるを持ち上げた日を残すと、やった年とやらない年の差が見えます。
試し掘りの日
10 月頃に 1 株だけ掘って大きさを見ます。試し掘りの結果を残すと、本収穫の時期を決められます。
収穫とキュアリングの開始日
収穫後 2 週間ほど風通しのよい日陰で寝かせると甘くなります。開始日を残して食べ頃を計ります。
収穫までのコツ
さつまいもを育てるうえで、うまくいくかどうかを分ける勘所です。暦や病害虫の前に、ここだけ押さえておくと結果が変わります。
畝は高さ30cmに作る
塊根は空気のある土でよく太ります。高畝にすると水はけと地温が上がり、細長い芋になりにくく形の整った芋が付きます。
苗は斜めに寝かせて4節埋める
土に入った節から芋ができるため、埋めた節数が収量を左右します。斜め植えで4節ほど埋めると数が付き、形も揃いやすくなります。
植え付けから120日で掘る
紅はるかなど多くの品種は120日前後で芋が最も太ります。早すぎると細く、遅らせすぎると割れや低温による傷みが出ます。
掘る1週間前につるを刈る
地上部を先に刈ると芋の表皮が締まり、掘るときに傷が付きにくくなります。つるがない分だけ掘り取り作業も楽になります。
さつまいもの栽培をはじめるのに用意するもの
これから育てるなら、まず次の 4 つがあれば始められます。作業ごとに要るものは、各解説のページにまとめています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。
最初にやることは土づくりです。植え付けの 2〜3 週間前に入れて、土になじませます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 粒状。1kg 袋なら一年ぶんの追肥に足ります。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、追肥は 1 回 30〜50g。
元肥にも追肥にも同じものが使えます。まず 1 袋あれば十分です。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。柄と刃が一体のものは曲がりません。
種まきから植え付けまで、いちばん手に取る道具です。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱と合わせて使います。
薬を使わずに虫を防ぐなら、まずこれです。1mm で止まるのは蛾や蝶。アブラムシやアザミウマまで狙うなら 0.6mm 以下が要りますが、そのぶん風が通らなくなります。
- 道具のセット買いは要りません。使う場面が来てから 1 つずつ足すほうが無駄になりません。
- 苗から始めるなら、種まき用の資材は要りません。
さつまいもの病害虫(57)
症状・予防・対処が分かっているものを、重要度の高い順に並べています。「一般的な内容」と付いているものは、この作物にかぎった記述がまだ無く、病害虫そのものの説明を出しています。
つるぼけ
主要生理障害
時期 生育中盤(7〜8月)出る場所 つる・葉出やすい条件 窒素肥料が多いとき。前作の肥料が残っているとき
症状 つると葉ばかりが旺盛に茂り、掘ってもイモが小さいか、ほとんどついていません。
予防 さつまいもは肥料をほとんど必要としません。元肥は入れず、やせた畑ほどよく実ります。前作の残肥にも注意します。
対処 つる返し(伸びたつるを持ち上げて節から出た根を切る)を行うと、養分がイモに回ります。追肥は絶対にしないこと。
イモが太らない
ネグサレセンチュウ
主要害虫
時期 生育中盤以降(7〜9月)出る場所 イモ出やすい条件 連作した畑
症状 イモの表面に黒褐色の傷やくぼみが並びます。
予防 連作を避け、前作にマリーゴールドやエンバクを植えます。
対処 皮を厚めにむけば食べられます。
イモに黒斑を生じる
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ネグサレセンチュウ属、ミナミネグサレセンチュウ、スズランネグサレセンチュウ ほか8
ハスモンヨトウ
主要害虫
時期 夏〜秋(8〜10月)出る場所 葉出やすい条件 秋口の高温
症状 若齢幼虫が葉裏に群生して葉が白くかすれ、成長すると葉を食べ尽くします。
予防 白くかすれた葉を見つけたら葉ごと取ります。
対処 若齢のうちに葉ごと処分します。葉が減るとイモの肥大が落ちます。
葉が網目状に食い荒らされる
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ハスモンヨトウ
コガネムシ類幼虫
よくある害虫
時期 夏〜秋(7〜10月)出る場所 イモ出やすい条件 腐葉土や未熟な堆肥を入れた畑
症状 イモの表面が浅くえぐられ、細かい食害痕が残ります。見た目が悪くなります。
予防 未熟な有機物を入れないこと。成虫が産卵する夏に畝を清潔に保ちます。
対処 皮をむけば食べられます。翌年は堆肥の入れ方を見直します。
イモの表面が食害される
病原・原因(この病名で報告のあるもの): コガネムシ科
ネコブセンチュウ
よくある害虫
時期 生育中盤以降(7〜9月)出る場所 根・イモ出やすい条件 連作した畑
症状 イモの表面にこぶや傷ができ、生育が停滞します。
予防 連作を避け、抵抗性品種を選びます。マリーゴールドの前作も効きます。
対処 皮をむけば食べられます。翌年の輪作で対策します。
イモの表面が変形する
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ネコブセンチュウ属、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ ほか5
白絹病
ときどき病気一般的な内容
症状 地際の茎が水浸状に腐り、白い絹糸のような菌糸が株元と周囲の土表に広がる。やがて菜種粒大の褐色の菌核ができ、株は急速に萎凋枯死する。
予防 排水を良くし、未熟な有機物を地際に置かない。被害株は菌核ごと除去し、高温期の深いマルチや敷きわらの過湿に注意する。
対処 発病株と周囲の土をまとめて除去して処分する。多発ほ場では太陽熱消毒や輪作を行い、必要なら登録のある薬剤を株元処理する。
地際部と塊根が侵される
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Sclerotium rolfsii
紋羽病
ときどき病気一般的な内容
症状 樹勢が徐々に衰えて葉が小さくなり、夏に急に萎凋することがある。根の表面を紫褐色または白色の菌糸膜が覆い、樹皮が容易に剥がれる。
予防 未熟な有機物や伐根を土中に残さず、排水を改善する。植え付け前に前作の根を丁寧に除去し、健全な苗木を選ぶ。
対処 被害根は掘り上げて切除し、周囲の土を入れ替える。回復は難しいため、重症株は伐採・抜根して伝染源を断つ。
塊根が紫色の菌糸に覆われる
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Helicobasidium mompa、Rosellinia necatrix、Rosellinia sp.
かいよう病
病気一般的な内容
症状 葉縁が枯れ上がり、茎を裂くと導管が褐変している。果実や枝にかさぶた状・鳥目状の病斑ができる。
予防 消毒済みの種子と健全苗を使う。整枝・芽かきのハサミは株ごとに消毒し、なるべく手で乾いた日に行う。
対処 治療できないため発病株は早期に抜き取り処分する。使用した資材と支柱を消毒し、同じ場所でのトマト連作をやめる。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): トマトかいよう病菌、Curtobacterium flaccumfaciens、Curtobacterium flaccumfaciens pv. oortii ほか10
褐斑病
病気一般的な内容
症状 葉に淡褐色〜灰褐色の小斑点ができ、拡大して不整形の病斑となる。病斑が融合すると葉全体が枯れ、株の勢いが急落する。
予防 換気と除湿で葉の濡れ時間を短くし、密植を避ける。被害葉と残さは早めに処分し、連作ほ場では品種と作型を見直す。
対処 初発を見たら病葉を除去し、登録のある殺菌剤を葉裏まで散布する。耐性菌が出やすいので同一系統の連用は避ける。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acidovorax avenae subsp. cattleyae、Alternaria alternata、Alternaria dauci ほか57
菌核病
病気一般的な内容
症状 地際や茎、結球部が水浸状に軟腐し、白い綿毛状の菌糸で覆われる。やがて内部や表面に黒い菌核が形成され、株は萎れて枯死する。
予防 排水を良くし、密植と過湿を避ける。菌核は土中で数年生存するため、被害株は菌核ごと取り除き、イネ科との輪作や深耕を行う。
対処 発病株は周囲の土ごと除去して処分する。発生しやすい時期には登録のある殺菌剤を株元中心に散布する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Sclerotinia bulborum、Sclerotinia intermedia、Sclerotinia rubi ほか5
黒星病
病気一般的な内容
症状 バラでは葉に黒褐色の放射状の病斑ができ、周囲が黄化して落葉する。ナシでは葉や果実、幼果のがく部に黒いすす状の病斑が現れ、果実が変形する。
予防 泥はねと雨滴の跳ね返りを防ぎ、落葉や被害果を必ず片付ける。込み合った枝は剪定して株内の風通しをよくする。
対処 発病した葉・果実は摘み取り、地面の落葉も回収して処分する。感染期にあたる春の降雨前後に登録のある殺菌剤を散布する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Alternaria bataticola、Cercospora corchori、Cladosporium carpophilum ほか10
白さび病
病気一般的な内容
症状 葉裏に乳白色でやや盛り上がった不整形の斑点ができ、表皮が破れて白い粉を出す。葉表は淡黄色に変色し、多発すると株の外観と商品価値が落ちる。
予防 密植と過湿を避け、株間の風通しを保つ。被害葉と残さを処分し、アブラナ科の連続作付けを避ける。
対処 発病葉は摘み取って処分する。発生初期に登録のある殺菌剤を葉裏中心に散布し、多湿が続くときは間隔を詰めて防除する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Albugo candida、Albugo ipomoeae-aquaticae、Albugo ipomoeae-hardwickii ほか5
つる割病
病気一般的な内容
症状 日中につるの一部が萎れ、やがて株全体が枯死する。地際の茎が縦に裂けてヤニを出し、切ると導管が褐変している。
予防 抵抗性台木の接ぎ木苗を用い、ウリ科の連作を避ける。排水を改善し、被害株の残さや汚染土を持ち込まない。
対処 発病株は根ごと抜き取って処分する。薬剤による治療は難しく、太陽熱消毒や輪作で次作の菌密度を下げる。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Fusarium oxysporum、Fusarium oxysporum f. sp. batatas、Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinum ほか6
軟腐病
病気一般的な内容
症状 地際や結球部が水浸状に軟化し、やがてドロドロに崩れる。腐敗部から独特の不快臭がする。
予防 高畝にして排水と通風を確保し、株間を詰めすぎない。収穫や間引きで作った傷を長雨の前に作らないようにする。
対処 発病株は速やかに抜き取り、圃場外へ持ち出して処分する。周囲へ広がるため残渣をすき込まず、銅剤の予防散布に切り替える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Choanephoroidea cucurbitae、Dickeya solani、Dickeya sp. ほか11
根腐病
病気一般的な内容
症状 細根が褐色〜黒褐色に腐り、株の生育が止まって下葉から黄化する。日中に萎れやすくなり、進行すると株ごと枯死する。
予防 排水性の良い用土と高畝を用い、灌水は表土が乾いてから行う。受け皿に水を溜めず、鉢の連用時は用土を更新する。
対処 発病株は抜き取り、周囲の過湿を解消する。軽症なら灌水を控えて根の回復を待ち、必要に応じ登録のある薬剤を灌注する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aphanomyces cladogamus、Aphanomyces cochlioides、Cylindrocladium floridanum ほか47
灰色かび病
病気一般的な内容
症状 花や果実、葉に水浸状の褐色病斑ができ、表面に灰色のふわふわしたかびを密生する。果実は軟腐して落果し、収穫後も貯蔵中に腐敗が進む。
予防 咲き終わった花弁や枯れ葉をこまめに取り除き、湿気のこもらない株間を保つ。雨よけと換気で結露を減らすと効果が高い。
対処 発病部位は胞子を飛ばさないよう静かに袋へ入れて処分する。多湿期には登録のある殺菌剤を予防散布し、耐性菌回避のため系統を替える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Botryotinia fuckeliana、Botrytis cinerea、Botrytis galanthina ほか2
斑点病
病気一般的な内容
症状 下葉から褐色〜灰白色の小さな円形病斑が現れ、中央が灰色になって黒い小粒点を伴う。病斑が増えると葉が黄化して早期に落葉する。
予防 被害残さを畑に残さず処分し、種子伝染を避けるため健全な種子を用いる。泥はねを防ぎ、連作を避けて風通しを確保する。
対処 発病葉は摘除して持ち出す。多雨期には登録のある殺菌剤を予防的に散布し、下葉から順に薬液がかかるようにする。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acroconidiella tropaeoli、Alternaria azukiae、Alternaria dianthi ほか80
記録されている病名(40)
農研機構の日本植物病名データベースに、この作物で報告のある病名です。症状の記述はこれからです。
よくあるトラブル
芋に穴やかじり跡がある
コガネムシの幼虫かネズミです。植え付け前に土を掘り返して幼虫を取り除きます。
収穫した芋が甘くない
キュアリングと貯蔵が足りません。収穫直後はデンプンのままです。2 週間から 1 か月おくと糖に変わります。
苗が根付かない
植え付け直後の水切れです。植えた日と数日はしっかり水をやり、日差しが強ければ新聞紙などで日よけします。
品種一覧(20)
Gadenin の作物マスタに登録されているさつまいもの品種です。アプリで Plant を登録するときに候補として出てきます。
あ1
か2
な1
は2
その他14
さつまいもの動画ランキング
さつまいもを扱う園芸 YouTube を、再生数の伸びで毎日集計しています。育て方を動画で確かめたいときに。
この作物でよく出る用語
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