熟度は皮の色と味見で判断する
タンカンは十二月に色づき始め、関東では二月から三月上旬に食べごろになります。皮が濃いだいだい色になり、ヘタの周りまで色が回ったら一個もいで味見します。酸味が強ければ二週間待ち、甘みと酸味が釣り合っていれば収穫します。皮が薄くて割れやすいので、雨の後の収穫は避けます。
| 見た目 | 熟度 | 扱い |
|---|---|---|
| 皮が緑からだいだいに変わりかけ | 未熟 | 木に置く。味見はまだ |
| 全体がだいだい色、ヘタの周りは黄緑 | あと二週間 | 一個味見して酸味を確かめる |
| ヘタの周りまで濃いだいだい色 | 食べごろ | 収穫。寒波の予報なら全部取る |
| 皮がぶかぶかで浮いている | 熟しすぎ | すぐ収穫。日持ちしない |
木の外側と南側から熟します。一度に全部取らず、二回から三回に分けると、後の実が甘くなります。
はさみで軸を短く切る
実を手でもぐと皮が裂け、ヘタの部分から傷みます。収穫ばさみで軸を切り、実に残った軸をもう一度ヘタぎりぎりで切り直します。軸が長く残ると他の実を傷つけます。
- 晴れた日の午前中に
- 雨や露で実がぬれていると傷みやすくなります。晴れが二日続いた日の午前中に収穫します。
- 二度切りする
- 一度目は軸を長めに切って実を外し、二度目にヘタのすぐ上で切り直します。ヘタを傷つけないよう刃を寝かせます。
- 浅い容器に並べる
- 実を重ねて積むと下の実がつぶれます。浅いかごや段ボールに一段か二段で並べ、日陰に置きます。
- 傷のある実を分ける
- 皮が割れた実、虫の穴がある実は別にして早めに食べます。混ぜると全体に腐りが広がります。
寒波の前に取り込む判断
タンカンの実は氷点下三度以下で凍り、中の袋が破れてすかすかになります。天気予報で氷点下三度以下が続く予報が出たら、熟度が足りなくても全部収穫してしまいます。収穫後に室内で一週間から二週間置くと酸味が抜けて食べられるようになります。
鉢植えなら室内に取り込めば木に付けたまま熟させられます。地植えは覆いで対応しきれない寒波のときは、早取りして追熟させるほうが確実です。
- 早取りした実は室内で追熟
- 早めに取った実は新聞紙を敷いた箱に並べ、十度から十五度の部屋に一週間から二週間置きます。皮の色が濃くなり、酸味が抜けたら食べごろです。
- 追熟中は乾かさない
- 暖房の効いた部屋では皮がしなびます。箱に新聞紙をかぶせるか、袋に入れて口を軽く閉じ、三日に一度は様子を確かめます。
| 場面 | 判断 | その後 |
|---|---|---|
| 氷点下三度が一晩だけ | 不織布二重で木に残す | 翌日に傷みがないか確かめる |
| 氷点下三度以下が三日以上続く | 全部収穫する | 室内で一週間から二週間追熟 |
| 氷点下五度以下の予報 | すぐ収穫。木にも防寒 | 実は追熟、木は不織布と株元のわら |
保存は涼しい所で二週間から一か月
収穫した実は冷暗所で二週間から一か月持ちます。段ボールに新聞紙を敷いて一段ずつ並べ、五度から十度の涼しい部屋に置きます。冷蔵庫の野菜室でも構いませんが、乾燥するので袋に入れます。皮が薄いため長く置くとしなびるので、早めに食べます。
| 保存方法 | 日持ちの目安 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 冷暗所に並べる | 二週間から一か月 | 生食 |
| 冷蔵庫の野菜室で袋に | 一か月 | 生食、ジュース |
| 果汁をしぼって冷凍 | 半年 | ジュース、料理 |
| 皮をむいて袋ごと冷凍 | 半年 | シャーベット代わり |
保存中は三日に一度は実を見て、柔らかくなった実やカビの出た実を取り除きます。一個腐ると隣の実に移るので、見つけたらその日のうちに分けます。
収穫後の木の手当て
収穫を終えた三月は、木がいちばん消耗している時期です。すぐに剪定と春肥を行い、新芽の伸びを助けます。実を付けすぎた木は翌年の花が減るので、収穫量を記録しておき、翌夏の摘果の目安にします。
収穫のときに実の軸を残したまま切った枝や、折れた枝があれば、三月の剪定で整理します。防寒の不織布は三月中旬まで残し、遅霜の心配がなくなってから外します。
- 収穫量を記録する
- 何個取れたかを控えておきます。翌年に実が減ったら隔年結果(一年おきに実の量が波打つこと)の始まりなので摘果を強めます。
- すぐ剪定と春肥
- 収穫を終えた週に込み枝を抜き、果樹用肥料をふたつかみから三つかみ、枝先の真下にまきます。
味が悪い・実が少ないときの原因と直し方
すっぱい、皮が厚い、実が小さい、数が少ないという不満は、収穫時期、水、摘果、日照のどれかで説明できます。今年の管理を振り返って原因を切り分け、翌年に向けて直します。
| 症状 | 原因 | 来年の直し方 |
|---|---|---|
| すっぱくて食べにくい | 収穫が早い | ヘタの周りまで色づいてから味見して決める |
| 皮が厚く中身が少ない | 夏の水切れか窒素の過多 | 七月から九月は水を切らさず、夏肥を減らす |
| 実が小さくて数ばかり多い | 摘果不足 | 葉二十五枚に実一個まで摘果する |
| 去年たくさん取れて今年は少ない | 隔年結果 | 実の多い年に摘果を強め、実のない枝を伸ばす |
| 味が薄く水っぽい | 収穫前の水が多い | 十月以降は水を控えめにする |
タンカンの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
タンカンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタンカンの育て方にまとめています。
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