見た目から原因を判断する
かんきつのトラブルは葉に出るもの、枝に出るもの、実に出るものに分かれます。葉の食害跡、枝の白い付着物、実の斑点、それぞれを見て何が起きているかを確かめてから手当てします。
| 見た目 | 疑うもの | まずすること |
|---|---|---|
| 新芽が食べられ、緑や黒白の幼虫 | アゲハの幼虫 | 見つけしだい捕まえる。卵は黄色い粒 |
| 枝や葉裏に白い綿や茶色の殻 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉や実に周りが黄色い茶色の斑点 | かいよう病 | 病葉と病果を取り、風雨を避ける |
| 葉がべたつき黒いすすが付く | アブラムシやカイガラムシのすす病 | 虫を退治すればすすは消える |
| 冬に葉が丸まり、枝先から枯れる | 寒害 | 春まで切らず、三月に枯れた所まで切り戻す |
| 葉が白くかすれ、細かい点 | ハダニ | 葉裏に水をかけ、増えれば殺ダニ剤 |
アゲハの幼虫は卵のうちに取る
かんきつの葉はアゲハチョウの幼虫のえさです。四月から十月、特に新芽が出る時期に葉の表に直径一ミリの黄色い卵を産み付け、ふ化した幼虫は数日で新芽を食べ尽くします。若木は葉が少ないので、放っておくと丸裸になって育ちが止まります。
- 週に一度、新芽を見る
- 四月から十月は週に一度、新芽と若い葉の表を見て黄色い卵と小さな幼虫を探します。卵は指でつぶせます。
- 幼虫は割りばしで
- 黒白の鳥のふんのような幼虫と、緑色の大きな幼虫を割りばしでつまんで取ります。刺激すると臭い角を出しますが害はありません。
- 若木は網で覆う
- 植えて三年以内の若木は、四月から十月に目の細かい防虫ネットで覆うと産卵を防げます。
幼虫が食べた新芽は戻りませんが、五月から六月と八月に次の芽が出ます。食害の後は春肥か夏肥を通常通り与えて、芽の出直しを助けます。
カイガラムシはこすり落とす
枝や葉裏に白い綿状のものや茶色の小さな殻が付き、樹液を吸います。放っておくと排せつ物で葉が黒くなるすす病を招き、実も汚れます。殻をかぶった成虫には薬が効きにくいので、見つけたら歯ブラシでこすり落とすのが確実です。込み合った枝に多いので、剪定で風を通すことが予防になります。
- 歯ブラシで落とす
- 枝に付いた殻を使い古しの歯ブラシでこすって落とします。落とした虫は地面に残さず、袋に集めます。
- 冬に薬剤
- 多いときは十二月から一月に、かんきつに使える冬用の油の薬剤を枝全体にかけます。越冬中の虫に効きます。
- 五月から六月に幼虫を狙う
- 殻のない幼虫が歩き回る時期なら普通の殺虫剤も効きます。葉裏まで届くようにかけます。
かいよう病は風雨で広がる
葉、枝、実に周りが黄色く中心が盛り上がった茶色の斑点が出ます。細菌が原因で、風で葉がこすれてできた傷や、アゲハなどの食害跡から入ります。雨と風で広がるので、台風の後に増えます。タンカンはかいよう病に比較的弱いので、予防を重ねます。
実に付いた斑点は見た目が悪いだけで食べられますが、広がると落果します。病葉と病果は見つけしだい取り、袋に入れて処分します。
- 風よけを立てる
- 風で葉がこすれると傷から菌が入ります。株の風上に防風ネットを張るか、風の弱い場所に植えます。
- 病葉を取り除く
- 斑点の付いた葉と実を見つけしだい摘み取り、株元の落ち葉も集めて袋に入れて処分します。病葉は堆肥にせず、作業に使ったはさみは次の木に使う前に熱湯か消毒液で拭きます。
- 予防の散布
- 四月の新芽期と台風の後に、かんきつに使える銅を含む殺菌剤を散布します。収穫前の制限日数を確かめます。
雨の直後は葉がぬれて菌が広がりやすいので、葉や実を触る作業は葉が乾いてから行います。
寒害は春まで待つ
冬に氷点下三度を下回ると葉が丸まって落ち、氷点下五度を下回ると枝先から枯れ込みます。傷んだ直後に切ると、そこからさらに枯れが進みます。三月まで待ち、芽が動いて生きている部分がはっきりしてから、枯れた所まで切り戻します。実が凍ると中がすかすかになるので、強い寒波の前に収穫してしまいます。
| 症状 | 見分け方 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が丸まって落ちる | 枝を削ると緑が残る | 覆いを増やし、三月に春肥で回復 |
| 枝先が茶色く枯れる | 削っても茶色 | 三月に緑の所まで切り戻し、癒合剤 |
| 実が軽く、中がすかすか | 皮が黄ばみ、押すと柔らかい | 食べられない。翌年は寒波前に収穫 |
| 幹の皮が裂ける | 南側の幹に縦の割れ | 割れ目に癒合剤。幹にわらを巻いて予防 |
枯れそうなときの切り分けと立て直し
急に葉が落ちる、枝が一本ずつ枯れるという症状は、寒害のほか、根腐れ、幹に入る虫、深植えのどれかです。株元の様子と土の湿り具合を見て原因を切り分けます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春に古い葉が一斉に落ちるが新芽は出る | 葉の入れ替え。正常 | 手当て不要。春肥を与える |
| 葉がしおれて落ち、土が湿っている | 根腐れ | 水を控え、鉢なら乾いた土に植え替え |
| 幹の根元に木くず、枝が順に枯れる | 幹に入る虫 | 穴を見つけて針金で刺す。枯れ枝は切る |
| 接ぎ木部分が土に埋まり、幹が黒い | 深植え | 株元の土を除いて接ぎ木部を出す |
関東で毎年寒害が出るなら地植えをあきらめ、鉢植えにして冬は室内に入れるほうが確実に実を取れます。
タンカンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタンカンの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。