大玉は一本仕立てが基本
大玉トマトは一つの実に養分を集めないと大きくなりません。ミニトマトのように二本や三本に仕立てると、実の数は増えても一つ一つが小さくなり、大玉らしい実にならないことがほとんどです。主枝一本だけを伸ばし、わき芽(葉のつけ根から出る芽)はすべて取ります。
例外は、株が勢いよく育ちすぎて葉ばかり茂るときです。その場合は一段目の花房の下のわき芽を一本だけ残し、二本仕立てにして養分の逃げ道を作ります。ただし家庭菜園でここまで勢いがつくことは多くありません。
| 仕立て | 実の大きさ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一本仕立て | 大きく揃う | 大玉の基本。支柱一本で済む |
| 二本仕立て | やや小さい | 葉ばかり茂る勢いの強い株 |
| 放任 | 小さく不揃い | 大玉では避ける |
わき芽は五センチまでに取る
わき芽は葉のつけ根、茎と葉の間から出ます。三センチから五センチのうちに指でつまんで横に倒すと、きれいに取れて傷口も小さく済みます。十センチを超えると茎が太くなり、はさみが要るうえに切り口が大きくなって病気の入り口になります。
作業は晴れた日の午前中に行います。切り口が日中に乾いて、菌が入りにくくなるためです。雨の日や夕方に取ると、傷が湿ったまま夜を越して灰色かび病などの原因になります。
- 葉のつけ根を見る
- 主枝と葉の間に小さな芽が出ていないかを、株の下から上へ順に見ます。見落としは下のほうに多いです。
- 指で横に倒して取る
- 芽の根元を指でつまみ、横に倒すようにするとぽきっと取れます。引っ張ると茎の皮までむけることがあります。
- 大きくなった芽ははさみで
- 十センチを超えた芽は、はさみを株ごとに消毒しながら根元で切ります。切り口はそのまま乾かします。
- 取った芽は畑に残さない
- 取ったわき芽は病気の元になるので、畝の上に置かず持ち帰って処分します。挿し木にして予備苗にもできます。
週に一度の見回りで、わき芽は必ず出ています。忘れると二週間で立派な枝になるので、曜日を決めて回るのが確実です。
誘引は結び目を茎ではなく支柱側に
誘引(茎を支柱に固定すること)は、ひもを支柱にきつく、茎にはゆるく八の字にかけます。茎は夏に向けて太くなるので、茎側をきつく結ぶとひもが食い込み、そこから上に養分が届かなくなります。
結ぶ位置は花房のすぐ下です。実が重くなったときに花房の付け根にいちばん力がかかるので、そこを支えておくと実の重みで茎が折れたり花房が垂れたりしません。
- 花房の下で結ぶ
- 各段の花房の五センチほど下で結びます。実が付いてからでは遅いので、花が咲いたころに結び足します。
- 八の字にひもをかける
- ひもを支柱に一周巻いてから茎へ回し、茎側はゆるく輪を作ります。茎とひもの間に指が一本入る余裕を残します。
- 週に一度結び足す
- 大玉トマトは週に二十センチから三十センチ伸びます。わき芽かきと同じ日に、新しく伸びた分を結びます。
支柱は二メートルで足りるか
大玉トマトは放っておくと三メートル以上に伸びます。二メートルの支柱を使う家庭菜園では、五段から六段の花房が付いたところで先端を止める摘心(芯を摘んで伸びを止めること)が前提になります。支柱の高さは、その段数で決まります。
支柱は一株に一本の直立が扱いやすく、風の強い場所では二株ごとに横棒を渡して連結します。合掌型(二本を斜めに組む形)は丈夫ですが、通路側に実が出にくく収穫しにくいので、大玉では直立のほうが向いています。
| 支柱の長さ | 止める段数 | 収穫のめど |
|---|---|---|
| 150センチ | 4段 | 7月いっぱいで終わる |
| 180センチ | 5段 | 8月上旬まで |
| 210センチ | 6段 | 8月中旬から下旬まで |
| 240センチ以上 | 7段以上 | 作業に脚立が要る |
摘心は最後の花房の上に葉を二枚残す
支柱の高さまで伸びたら、いちばん上の花房の上に葉を二枚残して先端を摘みます。花房のすぐ上で切ると、上の実に日が当たりすぎて焼けたり、養分の流れが止まって太らなかったりします。葉を二枚残すことで、最上段の実まで養分が回ります。
摘心のあとも、わき芽は出続けます。摘心したからと安心せず、週一回の見回りは収穫が終わるまで続けます。最上段の花房の下から出るわき芽はとくに勢いが強く、放っておくと主枝の代わりに伸びて、残した実の養分を横取りします。
- 最上段の花房を決める
- 支柱の上端から三十センチ下に付いた花房を最後の段にします。それより上は実が熟す前に季節が終わります。
- 葉を二枚残して切る
- その花房の上の葉を二枚数え、三枚目の葉のすぐ下で主枝を切ります。晴れた日の午前中に行います。
下葉かきで風を通す
収穫が終わった段の下の葉は、もう実を太らせる役目がありません。収穫し終えた花房より下の葉を、二枚から三枚ずつ取り除くと株元の風通しがよくなり、疫病や灰色かび病が出にくくなります。
ただし一度に多く取ると株が弱ります。一回に取るのは三枚まで、しかも収穫済みの段より上の葉は残します。上の葉は実を太らせる工場なので、見た目がうるさくても取りません。
- 収穫済みの段を確かめる
- 実を採り終えた花房を見つけ、その下に付いている葉だけを対象にします。上の葉には手を付けません。
- 一回三枚まで取る
- 黄色くなった葉から順に、葉のつけ根で横に倒して取ります。緑の葉まで一度に取ると株が弱ります。
- 取った葉は持ち帰る
- 下葉には病気の胞子が付いていることが多いので、畑に置かずに袋に入れて処分します。畝の上に置いたままにすると、雨で胞子が跳ね上がって上の葉にうつります。
仕立てでつまずいたときの切り分け
わき芽を取り忘れて枝分かれした、誘引のひもが食い込んだ、摘心が早すぎた。どれもやり直しがききます。株を抜くほどの失敗はほとんどないので、症状ごとに手当てをします。
- わき芽が枝になっていた
- 花が付いていなければ根元で切ります。花房が付いていたら、その上に葉を一枚残して先端だけ摘み、実を穫ってから切ります。
- ひもが茎に食い込んだ
- そのひもを切って外し、少し上の位置で結び直します。食い込んだ跡は残りますが、養分は回復します。
- 先端を折ってしまった
- 折れた位置のすぐ下から出るわき芽を一本残して伸ばし、新しい主枝にします。段数は減りますが収穫は続きます。
- 主枝の先が花になった
- 芯止まりという性質で、それ以上伸びません。すぐ下のわき芽を主枝として伸ばし直します。
大玉トマトのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
大玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大玉トマトの育て方にまとめています。
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