売り場では花房と茎の太さを見る
大玉トマトの苗は、一段目の花房(最初に咲く花のかたまり)が見え始めているものを選びます。花がまだ影も形もない苗は若すぎて、植えてから葉ばかり茂り、最初の実が付くまで時間がかかります。逆に花が終わって小さな実まで付いている苗は老化していて、植えた後の根の張りが弱くなります。
茎の太さは鉛筆より少し太いくらいが目安です。細くて節と節の間が長い苗は日照不足で育った徒長苗(ひょろりと伸びた苗)で、植えても倒れやすく、病気にも弱くなります。葉の色が濃く、下葉が黄ばんでいないものを選んでください。
- 花房の位置を確かめる
- 一段目の花房は本葉七枚から九枚目の上に付きます。そこに蕾が見えていれば、植え付けの適期に育った苗です。
- 根鉢を軽く抜いて見る
- ポットから根鉢(根と土のかたまり)を軽く抜き、白い根が回っているものを選びます。茶色い根が多い苗は水のやりすぎか老化です。
- 接ぎ木苗は接ぎ口を見る
- 接ぎ木苗はクリップの下の接ぎ口がしっかり癒合しているかを見ます。ぐらつく苗は植えた後に折れることがあります。
苗の値段は接ぎ木苗が二倍から三倍しますが、連作した畑や青枯病が出た畑では接ぎ木苗のほうが結局安くつきます。
植える日は気温ではなく地温で決める
大玉トマトの根は地温が十五度を下回ると伸びません。日中が暖かくても、四月のうちは地面の中がまだ冷たく、植えても根が動かないまま苗だけが弱っていきます。関東の露地では五月の連休前後、遅霜の心配が消えてからが目安です。
植え付けの一週間前に畝を立て、黒マルチ(地面を覆うフィルム)を張っておくと地温が三度から五度上がります。マルチを張った翌日に植えるより、数日おいて土が温まってから植えるほうが活着(根付くこと)が早くなります。
| 時期 | 地温の目安 | 植え付けの判断 |
|---|---|---|
| 4月中旬 | 13度前後 | まだ早い。苗は日なたで待たせる |
| 4月下旬 | 15度前後 | マルチを張った畝なら植えられる |
| 5月上旬 | 17度以上 | 露地でも適期。遅霜の予報だけ確認 |
| 5月下旬以降 | 20度以上 | 植えられるが収穫の開始が遅れる |
寝かせ植えで根の量を増やす
大玉トマトは茎の途中からも根を出す性質があります。徒長した苗や背の高くなった苗は、茎を斜めに寝かせて下葉のあたりまで土に埋めると、埋めた部分から根が出て根の量が増えます。株が安定し、乾きにも強くなります。
ただし寝かせ植えは植えた直後の生育がひと呼吸遅れます。がっしりした良い苗なら、根鉢の上面が地面と同じ高さになるふつうの浅植えで十分です。深植えにするだけで寝かせないのは、茎が土の中で蒸れて腐る原因になるので避けます。
- 下葉を二枚から三枚取る
- 土に埋まる部分の葉は前もって取ります。葉が付いたまま埋めると、そこから腐って茎まで傷むことがあります。
- 植え穴を斜めに掘る
- 根鉢が収まる深さで、茎を寝かせる方向へ溝を伸ばします。花房が通路側を向くように寝かせると、あとの収穫が楽になります。
- 土をかけて軽く押さえる
- 根鉢と茎に土をかぶせ、手のひらで軽く押さえます。押さえすぎると根鉢がつぶれ、弱すぎると乾いて根が出ません。
- たっぷり水を与える
- 植えた直後に株元へたっぷり水をやり、根鉢と周りの土をなじませます。以後は表面が乾くまで待ってから与えます。
花房を通路側に向けて植える
大玉トマトは一段目の花房が付いた側と同じ向きに、二段目以降の花房も付きます。植えるときに花房を通路側に向けておくと、すべての実が手前に付き、収穫や手入れのたびに株の奥をのぞき込まずに済みます。
小さなことに見えますが、二十株、三十株と並ぶと差は大きく、実を見落として熟しすぎる失敗も減ります。支柱も花房の反対側に立てると、誘引のひもが実に当たりません。
- 花房の向きを見る
- 苗を持ち上げ、一段目の花房がどちらを向いているかを確かめます。蕾が小さくても方向は分かります。
- 支柱は花房の反対側
- 支柱を株の奥側に立て、花房と実が手前に出るようにします。ひもで結ぶ位置も実に触れない側にします。
植えた後の一週間で根の深さが決まる
植え付け直後にたっぷり水を与えたら、そのあとは土の表面が白く乾くまで待ちます。毎日水をやると根が表面近くにしか張らず、夏の乾きにすぐ負ける株になります。乾いてから与える、を繰り返すと根が深く伸びます。
活着したかどうかは、朝の葉の張りで分かります。植えて三日から五日、朝に葉がぴんと立っていれば根が動き始めています。日中にしおれるのは活着前なら普通のことで、朝も戻らない場合だけ水不足を疑います。
- 仮支柱を立てる
- 植えた日に短い支柱を斜めに挿し、茎をゆるく結びます。風で根鉢が揺れると、出たばかりの根が切れます。
- 追肥は活着してから
- 植え付け時の追肥は根を傷めます。一段目の実がピンポン玉ほどになってから、株のまわりに少量を施します。
- しおれたら夕方に確認
- 日中にしおれても夕方に戻れば問題ありません。夕方も戻らないときだけ、翌朝に株元へ水を与えます。
植えてすぐの株は、朝の姿を見る習慣をつけると失敗が減ります。写真を一枚残しておくと、去年との比較にも使えます。
プランターは深さと土の量で決まる
大玉トマトをプランターで育てるなら、深さ三十センチ以上、土の量は一株あたり二十リットル以上を目安にします。土が少ないと夏に一日で乾き切り、実が割れたり尻腐れ(実の先が黒く腐る障害)が出たりします。
鉢底に石を敷いて水はけをよくし、市販の野菜用培養土を使えば元肥は足りています。支柱は鉢の縁ではなく土の中まで深く挿し、風で鉢ごと倒れないように壁際や柵の近くに置きます。
| 容器 | 土の量 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 深型プランター | 20〜30リットル | 一株なら十分。二株は詰めすぎ |
| 10号鉢 | 10リットル前後 | 育つが夏の水やりが一日二回になる |
| 袋栽培 | 25リットル以上 | 軽くて移動しやすい。倒れやすい |
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えて一週間たっても葉が立たない、下葉が黄色くなる、茎が紫がかる。よくある三つの症状は原因が違います。まず地温と水の量を疑い、それでも当てはまらなければ根の傷みを考えます。
- 葉が立たず全体がしおれる
- 根が動いていません。地温不足か水のやりすぎです。マルチを張り、水を控えて土を乾かし気味にします。
- 下葉だけ黄色くなる
- 根鉢が乾いて根が傷んだか、肥料切れです。株元にたっぷり水を与え、回復しなければ薄い液肥を与えます。
- 茎や葉裏が紫色になる
- 低温でリン酸を吸えていない状態です。気温が上がれば戻るので、あわてて肥料を足さずに待ちます。
- 植えた翌日に倒れた
- 根鉢が浮いているか風で揺れています。株元を軽く押さえ直し、仮支柱にゆるく結び直します。
大玉トマトの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
大玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大玉トマトの育て方にまとめています。
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