肥料は年に二回でよい
ワラビはやせた土でも育つ植物なので、肥料は多く要りません。ただし毎年芽を穫り続けると根茎の力が落ちるため、収穫の終わりと秋の年二回、補ってやります。
| 時期 | 肥料 | ねらい |
|---|---|---|
| 6月(収穫の終わり) | 化成肥料を1平方メートルにひと握り | 葉を茂らせて根茎を太らせる |
| 9月〜10月 | 完熟堆肥を1平方メートルに2キロ | 冬までに根茎へ養分をためる |
| 春の芽出し前 | 原則なし | 肥料が多いと芽が柔らかく倒れる |
追肥は収穫を終えた直後に
六月に入って収穫を終えたら、追肥(育ちの途中で足す肥料)を株の周りにまきます。ここから秋までの葉が、翌年の芽の太さを決めます。収穫で減った力をここで取り戻させます。
肥料は株元に直接まかず、株の周りに広くまいて土と軽く混ぜます。根茎は横に広がっているので、広くまくほうがよく効きます。まいたあとは水を与えます。
- 収穫を終えたらすぐ
- 最後の芽を穫った週のうちにまきます。遅れると葉の茂りが弱くなり、翌年の芽が細くなります。
- 株の周りに広くまく
- 根茎は横に走っているので、株元だけでなく周囲一メートルほどに広くまいて土と混ぜます。
- 秋には堆肥を敷く
- 九月から十月に完熟堆肥を株の上へ薄く敷きます。冬の防寒を兼ね、土もやわらかくなります。
水やりは植えた年と乾いた年だけ
根付いてしまえば、露地のワラビに水やりはほとんど要りません。自然の雨で足ります。手をかけるのは植えた年と、梅雨明け後に晴天が続いて土がひび割れるような年だけです。
乾きが続くと葉が黄ばんで早く枯れ、根茎に養分がたまりません。夏に葉が茶色くなり始めたら、株の周りへたっぷり与えて葉を秋までもたせます。
- 植えた年は乾かさない
- 一年目は根茎がまだ広がっていません。土の表面が乾いたら、株の周りへたっぷり与えます。
- 夏の葉の色を見る
- 葉が黄ばんできたら乾いています。朝のうちに株の周りへ与え、敷きわらを足して乾きを抑えます。
- 水は広くゆっくり
- 根茎が横に広がっているので、株元だけでなく周囲一メートルほどへ広く、時間をかけてゆっくり与えます。
- 土を触って確かめる
- 株の周りの土を手で掘り、五センチほど下まで乾いていたら与えます。表面だけの乾きでは水やりは要りません。
夏の葉を守ることが翌年になる
収穫のあとに伸びる葉は、根茎に養分を送る工場です。この葉を秋まで健全に保つことが、翌年の収穫量を決めます。刈ったり踏んだりせず、そのまま茂らせます。
背の高い雑草が覆いかぶさると葉に日が当たりません。ススキやクズのような強い草が入り込む場所では、夏のあいだに二回ほど周りを刈って光を通します。
- 夏の葉は刈らない
- 見た目が茂りすぎても刈りません。刈ると根茎に養分が回らず、翌年の芽が細く少なくなります。
- 周りの草だけ刈る
- ワラビの株の外側だけを刈ります。株の中に鎌を入れると葉を傷めるので、外周をていねいに刈ります。
- つる草は早めに取る
- クズやヤブガラシが絡むと葉が覆われます。見つけしだい根元から引き抜いておきます。
冬は刈り取って敷き直す
十一月から十二月に地上部が茶色く枯れます。枯れたら地際で刈り取り、そのまま株の上に敷いておくと、防寒と乾燥防止になります。刈らずに残すと病気の元になります。
刈り取ったあとに落ち葉や堆肥を薄くかけておくと、春の芽出しがそろいます。冬のあいだは何もせず、二月の終わりに敷いたものを少しどけて地面を温めます。
- 完全に枯れてから刈る
- 葉が緑のうちに刈ると養分が根茎に戻りません。茶色く枯れ切ってから地際で刈り取ります。
- 刈った葉を敷いておく
- 刈った葉はそのまま株の上に敷きます。冬の乾燥と凍結から根茎を守る覆いになります。
- 二月の終わりに少しどける
- 厚く積もったままだと地温が上がりません。芽が出る前に一部をどけて、日を当てます。
刈る時期の目安は、葉が完全に茶色くなったころです。緑が残っているうちに刈ると、根茎へ戻るはずの養分を捨てることになります。
芽が細くなってきたときの手当て
何年か穫り続けると、芽が細く、数も減ってきます。株が古くなったのではなく、たいていは穫りすぎか光の不足です。原因を確かめて手当てすれば元に戻せるので、まず株の周りを見て回ります。
- 収穫量を減らして休ませる
- 一年か二年、収穫を半分に減らして葉を多く残します。根茎に力が戻れば芽の太さも戻ります。
- 周りの日陰を取り除く
- 木が茂って日陰になっていないかを見ます。枝を落として日を入れるだけで芽の太さが変わります。
- 秋に堆肥を厚めに敷く
- 十月に完熟堆肥を株の上へ二センチほど敷きます。土がやわらかくなり、芽が太くなります。
- 込みすぎた株を掘り分ける
- 何年もたって根茎が密になったら、冬に一部を掘り上げて別の場所へ植え直し、間隔を空けます。
ワラビの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ワラビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワラビの育て方にまとめています。
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