症状から原因を引く
ワラビは山に自生する強い植物なので、病害虫で困ることはあまりありません。不調のほとんどは環境によるものです。まずは症状から原因の見当を付けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が細く数が減った | 穫りすぎ、日陰、株の込みすぎ | 収穫を減らし、日を入れる |
| 出た芽が黒くしおれた | 遅霜 | 霜の予報時に不織布をかける |
| 夏に葉が早く枯れる | 乾燥 | 株の周りへ広く水を与える |
| 隣の畝まで芽が出る | 地下茎の広がり | 境界に板を埋めて仕切る |
| 葉に虫食いの跡 | ヨトウムシなど | 数が少なければ放置でよい |
広がりすぎを先に止める
ワラビでいちばん多い困りごとは、実は病害虫ではなく広がりすぎです。地下茎が年に数十センチずつ横へ走り、数年で隣の区画から芽を出すようになります。
いったん広がると根茎を全部掘り出さないと止まりません。植えるときに仕切りを入れておくのがもっとも確実で、あとから対処するより手間がかかりません。
- 植えるときに板を埋める
- 区画の周りに深さ三十センチほどの板や波板を埋めて仕切ります。根茎が横に抜けるのを防げます。
- 毎年、外へ出た芽を抜く
- 区画の外に出た芽は春のうちに根元から抜きます。放っておくとそこに新しい株ができます。
- 境界を毎年確かめる
- 冬に区画の縁をスコップで一度切っておくと、伸びた根茎が断たれて広がりが止まります。
- 畑の隅か別区画に植える
- 他の作物と離れた場所に植えれば、広がっても困りません。最初の場所選びがいちばん効きます。
近隣の土地へ広がると迷惑になります。境界に近い場所には植えず、鉢や大型のプランターで区切って育てるのも一つの方法です。
遅霜は出たばかりの芽を傷める
四月から五月に出たばかりの芽は、強い霜に当たると黒くしおれて食べられなくなります。特に暖かい日が続いたあとに冷え込んだ朝は被害が出やすくなります。
傷んだ芽は摘み取っておきます。株そのものは無事なので、次に出てくる芽を待てば収穫は続けられます。回復の早い植物なので心配は要りません。
- 霜の予報で不織布
- 冷え込む予報が出たら、夕方のうちに不織布をべた掛けします。翌朝、日が出て気温が上がってから外します。
- 傷んだ芽は摘み取る
- 黒くしおれた芽は食べられません。付け根から摘み取って処分し、あとから出てくる芽に力を回します。
- 遅霜の多い年は覆いを外さない
- 五月に入っても冷え込む地域では、不織布をトンネルにして常時かけておくと安心です。
日陰と草に負けると衰える
ワラビは日を好むので、周りの木が茂って日陰になると数年かけて衰えます。芽が細くなり、数も減っていく場合は、まず日当たりの変化を疑います。
背の高い雑草も同じ働きをします。夏に周りをススキやクズが覆うと、ワラビの葉に日が当たらず、根茎に養分がたまりません。夏の草刈りは翌年の収穫のための作業です。
- 日陰の原因を探す
- 植えたときと比べて周りの木が茂っていないかを見ます。枝を落として日を入れると翌年から違います。
- 夏に二回は草を刈る
- 七月と八月に株の外周を刈ります。ワラビの葉そのものには手を付けず、周りの草だけをていねいに刈ります。
- つる草は根から抜く
- クズやヤブガラシは刈っても戻ります。根元をたどって引き抜くまでやると再発が減ります。
虫と病気は少ないが油断しない
ワラビにはあくの成分があるため、葉を食べる虫は多くありません。ヨトウムシなどが葉をかじることはありますが、数が少なければ放っておいても株は弱りません。
気をつけるのは、湿った場所で根茎が腐ることです。長雨のあとに芽が出なくなった場所は、掘って根茎を確かめ、水はけを直します。薬に頼る場面はほとんどありません。
- 葉の食害は放っておく
- 葉が少しかじられる程度なら株に影響はありません。大量に発生したときだけ手で取り除きます。
- 水のたまる場所を直す
- 雨のあとに水が残る場所は溝を切って流します。根茎の腐りは水はけを直さないと止まりません。
- 腐った根茎は取り除く
- 掘って黒く柔らかい根茎が出てきたら取り除きます。周りの土もかき出して乾かします。
毎年うまくいかないときの見分け
何年経っても太い芽が穫れない場合は、株ではなく場所が合っていません。植え直す前に、いくつかの点を確かめると原因がはっきりします。
- 日照時間を数える
- 春に一日観察し、日が当たる時間を数えます。三時間に満たないなら場所を変えたほうが早く解決します。
- 土の湿り方を見る
- 雨の翌日に水がたまるようなら根茎が傷んでいます。冬のうちに掘り上げ、高くなった場所へ植え直します。
- 肥料を入れすぎていないか
- 隣の畑の肥料が流れ込むと葉ばかり茂ります。畝を切って区切り、肥料の流入を止めます。
- 株を掘って更新する
- 十年以上たった株は、冬に掘り上げて元気な根茎を選び、新しい場所へ植え直すと勢いが戻ります。
ワラビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワラビの育て方にまとめています。
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