あく抜きは省けない工程
ワラビは生のままでは食べられません。強いえぐみのもとになる成分と、体に良くない成分が含まれているためで、加熱とあく抜きで取り除いてから食べます。少量でも生では口にしません。
あく抜きの方法は主に二つあります。昔からの木灰を使う方法と、家庭で手に入りやすい重曹を使う方法です。どちらも熱い湯に浸してひと晩置く、という流れは同じです。
| 種類 | 使うもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 木灰 | わら灰や木の灰、熱湯 | 色と歯ごたえがよく残る |
| 重曹 | 重曹、熱湯 | 手に入りやすく失敗が少ない |
| 小麦粉と塩 | 小麦粉、塩、湯 | 短時間で済むが香りは弱まる |
重曹を使うやり方
もっとも手軽なのが重曹を使う方法です。量を間違えると溶けてしまうので、水一リットルに対して小さじ一杯までを守ります。多く入れれば早く抜けるというものではありません。
湯は沸騰したものをそのまま使います。ワラビを並べた容器に注ぎ、落としぶたをして浮かないようにし、そのままひと晩置きます。翌朝、水にさらして仕上げます。
- 根元の固い部分を切る
- 折り口の固くなった部分を一センチほど切り落とします。えぐみが残りやすい場所でもあります。
- 重曹は控えめに
- 水一リットルに小さじ一杯までにします。入れすぎるとワラビが溶けて煮くずれ、食感がなくなります。
- 沸騰した湯を注ぐ
- ワラビを平らに並べ、沸かしたての湯を全体がかぶるまで注ぎます。上から皿などで押さえて浮かせません。
- ひと晩そのまま置く
- ふたをして八時間から十二時間置きます。湯は自然に冷めていくので、火にかけ続けません。
- 翌朝に水でさらす
- 湯を捨てて水を替え、一時間ほどさらします。ぬめりが取れて味が落ち着き、料理に使いやすくなります。
木灰を使うやり方
木灰が手に入るなら、こちらのほうが仕上がりがきれいです。ワラビの緑が残り、歯ごたえも失われにくくなります。まきストーブや炭のある家庭では試す価値があります。
灰の量はワラビの重さの一割ほどが目安です。ワラビの上から灰をふりかけ、その上から熱湯を注ぎます。あとは重曹の場合と同じで、ひと晩置いてから水にさらします。
- 灰をふりかける
- ワラビを並べ、上から木灰を全体に薄くふりかけます。量はワラビの重さの一割ほどが目安です。
- 熱湯を注いで押さえる
- 沸かしたての湯を全体がかぶるまで注ぎ、落としぶたか皿をのせて、ワラビが浮かないようにします。
- ひと晩置いてさらす
- 八時間から十二時間そのまま置いたあと、灰を洗い流し、水に一時間ほどさらして仕上げます。
- 灰は木を燃やしたものだけ
- 使うのは木やわらを燃やした灰だけです。塗料や薬剤の付いた木材を燃やした灰は使いません。
抜けたかどうかの確かめ方
あく抜きが済んだかどうかは、色と手ざわりと味で確かめます。全体が濃い緑からうぐいす色に変わり、指で押すと弾力が残りつつ柔らかくなっていれば、うまくいっています。
小さく切って少しだけ口に入れ、えぐみが残っていないかを見ます。強い苦みやしびれるような感じが残っていたら、水を替えてもう半日さらします。
- 色の変化を見る
- 全体がうぐいす色になっていれば進んでいます。緑のままの部分が多ければ湯の温度が低すぎました。
- 指で押して確かめる
- 太い部分を指で押し、弾力を残しつつ柔らかくなっていれば十分です。ぐにゃりと崩れるのは抜きすぎです。
- 少しだけ味を見る
- 小さく切って口に入れ、えぐみが残っていないかを確かめます。残っていれば水を替えてさらします。
保存は水と塩蔵と冷凍で
あく抜きを済ませたワラビは、水を張った容器に入れて冷蔵すれば三日から四日はもちます。水は毎日替えます。それ以上置くとぬめりが出て、香りも抜けていきます。
たくさん穫れたときは塩蔵にします。塩をたっぷりまぶして重しをのせ、冷暗所に置けば一年近く保存できます。使うときは水につけて塩を抜いてから調理します。
- 水を張って冷蔵する
- あく抜きの済んだものは水につけて冷蔵します。水は毎日替え、三日から四日のうちに使い切ります。
- 塩蔵で長く保存する
- 容器にワラビと塩を交互に重ね、重しをのせます。水が上がったら冷暗所へ移し、一年ほどもちます。
- 冷凍は下味を付けてから
- あく抜きして水気を切り、だしなどで下味を付けてから冷凍します。そのまま凍らせると食感が落ちます。
- 塩蔵は水につけて戻す
- 使う前に水に半日つけ、途中で水を替えて塩を抜きます。味を見て塩気が残っていればさらに替えます。
あく抜きに失敗したときの直し方
溶けた、えぐみが残った、色が悪い。あく抜きの失敗は原因がはっきりしているので、次に生かせます。今あるものも、多くは手を加えれば食べられます。
- 溶けて煮くずれた
- 重曹が多すぎたか、湯に長く漬けすぎました。崩れたものは汁物に使い、次回は分量を守ります。
- えぐみが残っている
- 水を替えて半日から一日さらします。それでも残るなら、もう一度熱湯をかけてひと晩置きます。
- 色が茶色くなった
- 湯の温度が低かったか、置いた時間が長すぎました。味に問題はないので、煮物などに使い切ります。
- 固いまま
- 湯がぬるかったのが原因です。沸かしたての湯をかけ直し、落としぶたをしてもうひと晩置きます。
ワラビの乾燥・追熟に使うもの
穫ってすぐしまうと傷みます。風を通して乾かす場所と、吊るすものが要ります。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「干し野菜 ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。吊るす場所の高さに合わせて選びます。
網の中なら虫も鳥も入りません。地面に広げるより早く乾き、雨のときはそのまま取り込めます。
- 麻ひも・吊り下げネット探す言葉「玉ねぎ 吊り下げ ネット」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋か、丈夫な麻ひも。
軒下に吊るすのは、風を四方から当てるためです。積んだままだと下のものから傷みます。
- 通気のある保存箱探す言葉「野菜 保存 木箱 通気」
- 規格の目安
- 側面に穴のあるコンテナか木箱。新聞紙を敷いて使います。
乾いたあとの置き場所です。密閉すると内側に水滴が付き、そこからカビます。
- 軒下や風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても足ります。
- 除湿機や乾燥機は、家庭菜園の量では要りません。
ワラビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワラビの育て方にまとめています。
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