仕組みから知るなら ピーマン・トウガラシの枝の増え方と仕立て|花のたびに2本に分かれて倍々に増える
色づく日から逆算してまく時期を決める
パプリカは植えてから花が咲き、さらに実が色づくまで五十〜六十日かかります。種まきから定植までの八十〜九十日を足すと、夏のうちに赤や黄色の実を穫るには二月中旬から三月上旬にまく必要があります。この時期は外が寒いので、加温できるかどうかで選べる作型が決まります。
| 作型 | 種まき | 定植 | 色づき始めの目安 |
|---|---|---|---|
| 加温して早まき | 2月中旬〜下旬 | 5月中旬 | 7月下旬〜8月上旬 |
| 保温だけでまく | 3月上旬〜中旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 8月中旬〜下旬 |
| 加温なしで遅まき | 4月上旬 | 6月下旬 | 9月以降に数個 |
| 寒冷地 | 3月上旬に加温してまく | 6月上旬 | 8月下旬〜9月 |
加温の設備がなく、四月にまくしかないときは、色づきを待たずに緑のうちに採る前提で育てます。種からにこだわらないなら五月に苗を買うほうが確実です。
高価な種は湿らせた紙で芽を出させてからまく
パプリカの種は一袋に十粒前後しか入らないものが多く、一粒の値段がピーマンの数倍します。土にじかにまいて芽の出ない穴を作るより、湿らせた紙の上で根を出させてから一粒ずつまくほうが無駄がありません。根が出た種だけをまけば、苗の数も読めます。
- 湿らせた紙に並べる
- キッチンペーパーを水で湿らせて小さな容器に敷き、種を間隔をあけて並べます。ふたをして乾かないようにし、ヒーターマットの上など二十五〜三十度の場所に置きます。
- 根が一〜二ミリで取り出す
- 三〜五日で種の端から白い根がのぞきます。根が一〜二ミリのうちにピンセットで種の殻をつまみ、根に触れないよう取り出します。長く伸ばすと折れやすくなります。
- ポットに一粒、深さ五ミリ
- 湿らせた種まき用の土を九センチのポットか五十穴ほどのセルトレイに詰め、根を下に向けて一粒ずつ置きます。土を五ミリかけて軽く押さえます。
- 残りの種は乾かして保存
- 使わなかった種は袋の口を閉じ、乾燥剤と一緒に冷蔵庫で保存します。パプリカの種は二〜三年で芽の出る力が落ちるので、早めに使い切ります。
温度管理|発芽は地温二十五〜三十度、苗の夜は十三度より下げない
パプリカはピーマンよりもさらに低温を嫌い、冷えると生育が止まったまま戻りにくい作物です。発芽の適温は地温二十五〜三十度で、二十八度前後がもっとも芽がそろいます。芽が出てからは昼二十五〜二十八度、夜十五〜十八度を保ちます。
育苗中の苗の夜の最低温度は十三度で、それを下回る夜は加温するか室内の暖かい部屋に取り込みます。二月から三月の家庭の窓辺は夜に十度を切ることが多く、ここが早まきで最も失敗しやすいところです。朝いちばんに最低温度計で前夜の冷え込みを確かめる習慣をつけます。
- 保温箱と調節器をそろえる
- 発泡スチロール箱の底に育苗用のヒーターマットを敷き、温度調節器で二十八度に合わせます。苗が育ったら設定を下げ、夜十五度前後に保てるよう切り替えます。
- 冷え込む夜は箱を包む
- 放射冷却で冷える晴れた夜は、箱のふたを閉めたうえで古い毛布やエアキャップで外側を包みます。熱が逃げにくくなり、マットの力が弱くても夜温を保てます。
- 晴れた昼はふたを開ける
- 日の当たる窓辺に置いた箱は、晴れると昼に三十度を大きく超えます。九時を過ぎたらふたを外し、夕方の日が陰る前に閉めて昼の熱を残します。
| 状態 | 昼の温度 | 夜の温度 | 加温と保温 |
|---|---|---|---|
| 芽出しから発芽まで | 地温25〜30℃ | 地温25℃以上 | ヒーターマットを入れたまま |
| 発芽〜本葉3枚 | 25〜28℃ | 15〜18℃ | 夜は保温箱にふたをする |
| 鉢替え後 | 23〜27℃ | 14〜16℃ | 冷える夜は箱ごと室内へ |
| 定植前の10日間 | 20〜25℃ | 13℃以上 | 日中だけ外に出す |
芽が出てから鉢替えまでの世話
パプリカは大きな苗に仕上げてから植えるので、育苗中に二回の植え替えを考えておきます。最初は九センチのポット、本葉が五〜六枚になったら十二センチのポットに移すと、根が巻かずに長い育苗期間を乗り切れます。茎が柔らかく倒れやすいので、光をしっかり当てて締まった苗にします。
- 芽が出たら光に当てる
- 芽が土の上に出たら覆いを外し、その日から日の当たる窓辺に出します。双葉の下が二センチを超えて伸びるようなら光が足りないので、置き場所を見直します。
- 本葉二枚でポットへ
- セルトレイにまいた苗は、本葉が二枚になったら九センチのポットに移します。根鉢を崩さず、双葉の少し下まで土に入るよう植えます。
- 本葉五〜六枚で鉢替え
- ポットの底穴から白い根がのぞいたら、十二センチのポットに移す合図です。遅れると根が巻いて生育が止まり、植えたあとも動き出しが遅れます。
- 水は朝、乾いてから
- 土の表面が乾いて鉢が軽くなってから、朝のうちに鉢底から流れるまで与えます。夕方の水やりは夜の地温を下げるので、冷える季節は避けます。
- 追肥は葉の色を見て
- 鉢替えから二週間ほどして下葉が淡くなってきたら、追肥(育ちの途中で足す肥料)として薄めた液体肥料を週一回与えます。葉が濃い緑なら控えます。
定植の目安と外気への慣らし
植えどきは、本葉十二〜十四枚で一番花が咲く直前のころです。日数では種まきから八十〜九十日が目安になります。外の最低気温が十五度を下回らなくなり、地面が温まってから植えます。パプリカは植え傷みからの立ち直りが遅いので、急いで寒い日に植えないことが大切です。
- 十日かけて外に慣らす
- 定植の十日ほど前から、晴れて風の弱い日の日中に外へ出します。最初は数時間、徐々に長くし、最後の数日は夜も軒下に置いて外の温度に慣らします。
- 十三度を切る夜は戻す
- 慣らしの途中でも、最低気温が十三度を下回る予報の夜は室内に戻します。冷え込みに一晩当たると葉が下を向き、数日は生育が止まります。
- 一番花の直前で植える
- 一番花のつぼみがふくらみ、茎がしっかり太ければ植えどきです。前日に水を十分与え、根鉢の表面が地面と同じ高さになるよう植えられるようにします。
芽が出ない、苗が育たないときの原因と立て直し
パプリカの育苗は長い分、途中で止まる原因も多くあります。どの段階で何が起きたかを確かめてから手を打ちます。種が高価なので、まき直す前に原因をはっきりさせておくことが大切です。
| 状態 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 紙の上で一週間たっても根が出ない | 温度不足か、種が古い | 二十八度前後に置き直す。三年以上前の種は買い直す |
| 双葉の下が細長く倒れる | 光不足と夜の高温 | 窓辺に出し、夜の温度を十五度ほどに下げる |
| 葉が紫色になり育たない | 夜十度以下の冷え込み | 夜は室内へ。夜温が戻れば新しい葉から回復する |
| ポットの中で花が咲き実が付いた | 植えどきを過ぎた老化苗 | 実とつぼみを摘んでから植え、追肥を早める |
低温で止まった苗は、温度を戻しても一週間ほど動きません。その間に肥料を足すと根を傷めるので、新しい葉が伸び始めてから与えます。
種まきの手順
パプリカは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
パプリカの種まきでよくある質問
パプリカの種はいつまく?
加温して早まき: 2月中旬〜下旬。保温だけでまく: 3月上旬〜中旬。加温なしで遅まき: 4月上旬。寒冷地: 3月上旬に加温してまく。
パプリカの種はどうやってまく?
湿らせた種まき用の土を九センチのポットか五十穴ほどのセルトレイに詰め、根を下に向けて一粒ずつ置きます。
パプリカの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
パプリカの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパプリカの育て方にまとめています。
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